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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード7『架空と現実の境界線』

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エピソード7-6

2017年1月26日付:加筆調整
 数日前、とあるアンテナショップ――そこには私服姿の比叡ひえいアスカが私服姿で来店をしていた。
その目的はARガジェットの調整をしてもらう事である。
しかし、彼女は何か別の視線を感じていた。まるで、監視カメラ等とは違う様な視線を――。
 この先で、誰かが筋書きさえも書き変えようと――自分達は、ここにいる意味を見いだせるのだろうか?
これから始まる可能性のあるネット炎上騒動を止める事が出来るだろうか?
この世界でネット炎上をきっかけとしたリアルデスゲーム、それを阻止出来るだろうか――。


 視線の先に監視カメラがある訳でもなく、耐震構造がしっかりとされていた天井である。
近年の地震に関するネットの情報拡散などもあって、アンテナショップでは震度7クラス以上の地震でも耐えられる耐震性を求められていた。
それ以外にも草加市のマンション等の建造物にも、同じような耐震補強などを義務化、更には津波対策として水路や特殊なダムなども建設されている。
地下に建設された特殊ダムは水力発電という表向きの理由で建設されたのだが、実際は埼玉では発声するか怪しいとも言われている津波対策――。
何故、ここまでの自然災害対策を草加市は可能になったのか、それにはARゲームが関係している。
実はARゲームの利益は道路整備、自然災害対策、ライフライン確保、観光整備等と言った物に利用されていた。
ARゲーム運営の取り分が決して0と言う訳ではないのだが――それ以外の部分を充実させる事で、ネット上の炎上を防ぐと言う役割があるのだろう。
【草加市のARゲームがもたらしている物は、かなり大きい】
【周辺道路も定期的に舗装されている。それに、緑化等も力を入れ始めたらしい】
【噂によると草加市を守るようなバリアも計画されているとか――】
【さすがに、バリアはないだろう。しかし、草加市以外でも地下建設型ダムや耐震補強のノウハウを提供し、大災害を防ごうと言う動きはあるようだ】
【一体、ARゲーム運営は何がしたいのか? 彼らは日本を救う救世主にでもなろうと言うのか?】
【超有名アイドルは日本経済を救うという表向きの目的があるようだが、実際は地球全土を超有名アイドル一色に染め上げようと言う事だろう】
【逆にARゲーム運営は日本経済よりも、まずは日本全体を復興させようと考えている】
【噂によれば、草加市には魔力発電と言う物があると言う話が。しかも、それは――】
 つぶやきのタイムラインで、ある発言のみが途中で削除されていた。
魔力発電に関係した物で、何かの電力を差し替えて魔力発電に仕様としているという趣旨のようだが――途中でつぶやきが削除されており、内容の確認はできない。
今までは文字化けで読めない等のケースが確認されていたが、これに関しては完全削除に近い為に続きは途切れている。
一体、この人物は何をつぶやこうとしていたのか。
「魔法か――人知を超えた科学力は、魔法と区別を付けられないというのは創作世界でも言われているが」
 比叡はタブレット端末のタイムラインを見つめ、そんな事をつぶやいていた。
ARゲームは本当に魔法と言えるような存在なのか――それは運営にしか分からないだろうが。
「あの技術が魔法だとすれば、チートは何に該当する? それこそ、核兵器にも匹敵するような――」
 比叡はふと思う。そして、核兵器と言う単語を思い出した事に震えさえ感じている。
比叡の思うチートとは、文字通りの核兵器だった。似たような意見を考えている人物はいるかもしれないが、それを直接言及する人物はいない。
そんな事を言えば、明らかにネット上は炎上し、それこそネット上に恐怖を与える事になるだろう。
だからこそ、この単語だけは言ってはいけない――そう思っていたのだ。


 4月25日午後1時20分、時間はかかってしまったのだが日向ひゅうがイオナとビスマルクのマッチングが行われる事になった。
今度は他のARゲームが干渉する事がないのを確認し、パワードミュージックとしての乱入者の姿もない。
「思わぬ中断があったが、仕切り直しで言わせてもらおう。お前のやっている事は――ネット炎上勢力に利用されている」
 改めてビスマルクは日向の行為に関して、ネット炎上勢力に悪用されている事を指摘した。
しかし、日向の方はビスマルクの指摘に耳を貸す事はない。
「ARゲームの環境を荒らすプレイヤーを掃除する――こちらも、それを変えるつもりはない。奴らはネットを遊び半分で炎上させる連中と変わりはない」
 日向の方もビスマルクと同様、引く気はないらしい。結局は平行線と言うべきか。
「ARガジェットは科学技術じゃない。ARゲームは――科学技術ではなく、その概念は魔法に近い」
 日向の口から、予想だにしないような発言が飛び出した。ネット炎上と言うレベルを超越するようなレベルの発言だろう。
しかし、それを聞いたビスマルクは唐突に笑い出した。突飛もないような発言に思考がおかしくなった訳でもないようだが――。
「確かにデジタル技術でも、あまりに超越したような技術であれば、それは魔法と変わらない。これで、超有名アイドルや芸能事務所、日本政府が賢者の石にこだわる理由も見えた」
 笑いながらビスマルクも自分の考えを言うのだが、日向の発言を聞いて彼女は何かに気付いたようでもあった。
ネット上では、このやりとりに関して炎上すると思われたが、炎上しないどころか――誰も発言にツッコミを入れようとはしなかったという。
「だからこそ、ARゲームは神聖なる儀式ともネット上で言及され、一般プレイヤーが寄り付かないゲームとまで言われていた」
 日向はバックパックのパワードアームを展開し、ビスマルクを吹き飛ばそうともしたが――それに関しては思いとどまったようだ。
そして、日向はARガジェットの画面をビスマルクに見せた。そこに表示されていたのは、レベル10超えの楽曲である。
これに関しては周囲のギャラリーが盛り上がると言う展開になったのだが、逆にビスマルクは一歩引きさがりそうな表情を見せた。
「アカシックレコードでもARゲームは選ばれた人間のみがプレイする――そう思われていた時期はあった。しかし、その法則も変化を見せる時が来ている――それが、黒船の襲来だ」
 ビスマルクの方は、改造軍服ではなくパワードミュージック用のインナースーツを既に装着していた。
そして、指を鳴らすと同時にARメットが装着され、更にはARアーマーも出現――右肩には音楽ゲームのコントローラを思わせるレールガンがマウントされている。
レールガンの形状は、以前に使用した物とは異なり、ギターを思わせるデザイン及び装飾が施されていた。
しかし、ギターと言っても実際に弦を使用するタイプではなく、5つのボタンが確認出来る為、ギター演奏を体感できるリズムゲームで使用する方だろう。
「その勝負――乗った!」
 ビスマルクは自分のタブレット端末に表示された日向からの挑戦状――そのボタンを指でタッチし、パワードミュージックのフィールドは展開されていく。
これによって第3者の乱入が不可能となったのだが、万が一にもチートプレイヤーが乱入してくる可能性は否定できない。


 フィールドの広さは400メートルトラックではなく、それよりも広めの800メートルトラック――このフィールドの限界ギリギリの広さで行われる事になった。
それ以外のARゲームは別フィールドで行われる為、特に妨害をされる事もないし、攻撃などが干渉される事はないだろう。
「楽曲は既に決めている。1曲目の選曲件は、そちらに譲ろう。どうせ、あの曲だろうが」
 ビスマルクの方は楽曲の選曲をしている途中だが、それは2曲目に回される――。
1曲目は日向がタブレット端末で見せたレベル10の楽曲だからだ。
「楽曲名は――禁忌の魔笛か。このステージにはお似合いの楽曲だろう。こちらの楽曲は、後で選択になるだろうな」
 息を整えるビスマルクだが――1曲目の楽曲はプレイ経験もない。レベル10の楽曲その物をプレイした事がないからだ。
それに、この曲は裏譜面ではない。表譜面の最大レベルは10であり――これが最大レベルの曲でもある。
逆に言えば、日向のプレイレベル等を踏まえると、彼女が演奏失敗して玉砕する可能性も0ではない。
しかし、日向の表情を見る限りでは、明らかに気迫の違いがあった。向こうのペースに乗ったら負けである。
「このフィールド――ARゲームその物を異世界等と想定すれば、ARガジェットの能力は魔法と言われても違和感はないが――」
 日向とビスマルクのレースが始まるのを遠目で見ていたのは、黒いマントに眼帯と言う人物――木曾きそアスナだった。
木曾は一連のARゲームに関係する一件に関して、違和感を持っていた部分もあったのだが――。
「それ以上に、ARガジェットに使われている技術が――魔法と認定される可能性は否定できないか」
 木曾はARガジェットの技術や太陽光発電システム、それ以外のシステムを含めて――魔法とも受け取られそうな部分がある事を認めた。
しかし、今の時期に魔法と言っても信じるような人間がいるのかどうか――それは全く分からない。
さすがに魔法と言う事で小馬鹿にしようと言う人物は出ないと思うが、問題は更なる禁断の魔法をアカシックレコードから発見し、それを破壊兵器へ転用しようと言う勢力の存在だ。
ARゲームは「あくまでもゲームであり、政治の道具やアイドルの広告塔や宣伝道具でもない」とネット上では有名な話である。
要するに「スポーツを政治の道具」にしようという勢力を否定と言う意味かもしれない。
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