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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード6『ネット炎上とリアル炎上と――』

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エピソード6-3

2017年1月21日付:加筆調整
 午前10時50分、アイドル投資家事件は思わぬ所で決着する事になった。
しかし、その顛末はネット上で拡散する事はなく――わずかな勢力によって闇に封印されたと言ってもいいような状況である。
この解決方法に関して、ガーディアンは遺憾の意を述べた。警察が強制介入し、解決した物ではないのはニュースで報道されていない事から判明している。
一体、誰が何のために強制的な決着を付けたのか――この段階では誰にも分からない。
「まさか、先手を打たれるとは――」
 この現場を一足遅い状態で発見したのは、改造軍服姿のビスマルクである。
彼女もアイドル投資家の事件に関しては怪しいと思う個所があり、独自調査をしていたのだが――後手に回った格好だ。
周囲を見回しても証拠となりそうな物は落ちておらず、道路に亀裂や穴があいている訳でもない。
実際、アスファルトの道路をARガジェットで破壊しようと言うのであれば、それは建造物破壊に該当し、ガジェットの没収もあり得る事案なのだが。
それに加えて、投資家の人物が倒れている姿もない。既に逮捕された後なのか、それとも――逃走中なのか?
ARゲームをプレイ中であれば、ARガジェットで逆探知などを行う事も可能だろう。ただし、一部ジャンルに限る手段だが。
「一体、誰が指示をしているのか――」
 周囲に何かある可能性を信じ、ARバイザーの高性能レーダーを展開するのだが、そちらにも引っかかるような反応はない。
反応があっても、別のフィールドでARゲームをしているプレイヤーの反応のみである。
そう簡単に犯人が見つかるはずもないだろう。チートプレイヤーであれば、反応を消す位は余裕かもしれない。


 午前10時52分、アイドル投資家事件に関して疑問を持っていた人物は更に一人いた。
「これが、ネット上で都市伝説と言われていた新日常――」
 アイドル投資家事件に関してはテレビのニュースで見た訳ではなく、ネットのつぶやきサイトで偶然拾った物である。
タブレット端末に表示されたタイムライン、それは極秘裏にやり取りされているようなネタバレ情報と言える物だった。
その内容を見て衝撃を受けていたのは、メイド服姿のローマだった。
今回はツインテールではなく、セミショートに近い髪型だが――ぽっちゃり気味の体格にメイド服は変わらないので、周囲からは目立っている。
「ARゲームを町おこしにと考えている日常に対し、超有名アイドルの野望に対抗しようと言う非日常――」
 一連のタイムラインを眺めていたローマは、とある結論に到達する事になる。
ネット神が逮捕された事で、秘密にされていた情報はネタバレと書きかえられ、大量に拡散する事になった。
何故にネタバレと言う単語が使われたのかは不明だが、それが魔法の単語と思っているような人間が拡散でもしたのだろう。
その情報の中には、今の段階で知られれば大パニックは避けられないクラスの機密情報等も存在する。
それらを拡散させないようにガーディアンが動いている事はローマも把握済みな一方、アイドル投資家事件がそれに該当するとは全く気付かなかった。
「もしも、それらにデスゲーム的な要素が加えられたとしたら、日本は一瞬にして血の海と――」
 ローマは何としても懸念する最悪の展開を避けるべきと考えるのだが、どうすれば回避できるのか?
結局は現段階で自分に出来る事も限られており、それをギャラリーとして観戦することしかできないだろう。
それが分かったローマは、現状では様子見するしか出来なかったのである。
「これが、ネット上でも都市伝説とされていたリアル炎上とでもいうのか?」
 ローマは頭を抱え、苦悩していた。ネット上でもリアルで炎上するとは考えておらず、遊び半分でネット炎上をさせようと言う人間もいるのだろう。
しかし、一部勢力は今回のネット炎上が、リアルの日本で首都炎上という非常事態に発展するのでは――そう懸念していたのだ。
実際にネット上の動画で警告をしていたビスマルクも、そんな事を言っていたのかもしれない。
アカシックレコードにもチート等を使用したリアル炎上は、世界を滅亡させるだけの力が存在するとも書かれていた。


 午前10時55分、比叡ひえいアスカは――あるデータを発見した。
発見と言うよりは、偶然展示していた電子書籍で見つけたのだが。
「太陽光発電を更に進化させたエネルギー、それがソーラーフォース――」
 比叡が見ていた電子書籍は、株式投資の本である。
何故、このような本を見ていたのかと言うと、それはアイドル投資家の一件があった。
「ARゲームに使用されているARアーマー、バックパックユニットにはソーラーフォースが――実装されている?」
 更に驚く記述を比叡は発見する。それは、太陽光発電システムがARゲームには実装されているというのだ。
アンテナショップ、ARゲーム専用施設、ARガジェットにも使用されているソーラーフォースは、次期エネルギー問題を解決できる程のシステムを持っていると言う。
日本では火力発電と言う物が存在していたが、次第に施設が老朽化して言った事で原子力にシフトしたと言う。
しかし、原子力もある年代を境にして廃炉を決めたのだと言う話があった。その後に導入したのが太陽光と『とある発電手段』だったと言うが――。
その詳細は一切明記されていない。それでも信用する理由として、ソーラーフォースの存在がARゲームの電力消費問題を解消していた事にある。
このシステムがなければ、ARゲームを起動するのに莫大なエネルギーを消費する事が議論された事があった。
そして、草加市をエネルギー消費が多い市にする事を回避する為に開発されたのがソーラーフォースとも言われている。
「草加市の風力発電施設、太陽光発電施設は――周辺エリアに電気を売っているという話があったが、それも――」
 草加市の自家発電能力は100%に近い物を持っていた。それに加え、周辺の埼玉県内の自家発電能力も上昇している情報もあった。
家庭用太陽光発電も普及率が50%を超えているのを踏まえると――。
「この資金が――それは考え過ぎか」
 比叡はエネルギー関係の利益を何処かへ投資しているのではないか、とも考えた。
しかし、それは考え過ぎであるのと同時にアカシックレコードのシナリオ通りになる可能性もあったのである。


 午前11時、ワイドショーが早速アイドル投資家事件に関して触れ始めた。
しかし、大体が投資家グループの逮捕や数日前のインサイダー取引までしか取り上げておらず、メインであると思われる違法ARガジェットは未言及。
周囲がARガジェットに関して取り上げない理由として、芸能事務所側がARゲームをタイアップに利用する為、あえて言及させないとしているのか――。
ネット上の反応は、さまざまであるが――当てには出来ないとする反応が相次いだ。
その根拠に関しては不明だが、あまりにもあっという間に解決したのが逆に不気味だと言う反応が多いのも――反応を当てに出来ないという意見が多い理由の一つだろう。
【事件の解決が早すぎる】
【まるで、次のステージには超有名アイドルが不要と言う様な切り捨て方だ】
【政府も超有名アイドルに莫大な投資をしていたと聞く。どちらにしてもブーメランと言うべきか】
【超有名アイドル自体が、オンラインゲームにおける外部ツールや不正チートなのはアカシックレコードでも言われていた】
【結局は――繰り返すという事か】
 事件のスピード解決は、超有名アイドルに対しての風評被害と別の事件への序章だと言うつぶやきが多かった。
次の事件が何を示すのかは憶測ばかりで当てにならない可能性が大きいのだが。
「やはり、このスピード解決はおかしいとしか思えない」
 ガーディアンでも下の人間である磯風いそかぜには、スピード解決の情報が伝わっていなかった。
ネット上のまとめサイトでも、一部記述が歪められている等の関係で真実には程遠い。
それに、アカシックレコードと言う単語も拡散しつつあり、それがカギを握っている可能性さえネット上では有名になりつつあった。
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