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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード6『ネット炎上とリアル炎上と――』

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エピソード6

 4月20日、違法ARガジェットの密売者が逮捕されると言うニュースが拡散すると思われた。
しかし、別のアプリゲームの違法ツールを販売した人物が逮捕されたニュースが報道される。
これに関しては重要度を優先し、アプリゲームの方をニュースとして報道した――という建前が存在していた。
実際の所はアプリゲームの風評被害を拡散し、超有名アイドルが絶対である事を――という何時ものテンプレも拡散する。
【密売者のニュース、もみ消されたのか?】
【何処がもみ消す必要がある? ARゲーム運営がもみ消したとしたら、それはそれで大問題だ】
【噂によると、密売者が超有名アイドルのファンだと言う噂がある】
【つまり、芸能事務所側は風評被害を恐れてもみ消したと?】
【それこそあり得ない。日本経済は超有名アイドルが全部を掌握していると言うのか?
【超有名アイドルが日本経済を救ったという事も、赤字国債に関しても――それはフィクションの世界だろう。現実世界と混同してはいけない】
【ここまでの流れはテンプレか――】
 違法ARガジェットの件はネット上には出回っていたが、テレビのニュースで速報される事はなかった。
その理由を巡り、様々な憶測が出回るのだが――それらを信じようと言う勢力は少なかったと言う。
彼らにとって唯一の収穫があるとすれば――別の芸能事務所やアイドルの不祥事であると押し付ける、あるいはこれを利用して芸能界を改変する事を思いついた位だろうか。


 この日は、更にARゲームにとってもトータルバランスが崩壊するような事態が起きたと言う。
しかし、その一部はネタバレと言う名の情報規制でネットに拡散する事はなかった。
『こちらとしては、ネットに拡散や中継でもされると都合が悪すぎる――決着は刹那の――』
 何処の場所かは不明だが、青色のクリスタルをベースにしたSF系アーマーを装備したこの人物は――西雲響にしぐも・ひびきだった。
目の前にいたのはアイドル投資家勢力とは自称しているが、実際はフジョシや夢小説勢と言う可能性が高い。
彼らが使用していたガジェットはチート技術が使われていた為、西雲との戦闘では機能しなかった。
ARゲームとしてスタートしていたバトルも、まさかの幕切れをしていたのである。
『刹那の一撃で決まると思われたが、一撃以前の決着となったか』
 西雲はARアーマーのフルパワーを解放し、常識を超えるようなパワーを発動させたのである。
ネット上ではブーストとも言われているが、それを別の単語で言及していたのは、意外な事にも――。
「アカシックレコードへのフルアクセス――!! まさか、こちらの想定外とも言える事案が?」
 ネット上のまとめサイト削除に動いていた明石零あかし・ぜろだったが、ここで思わぬ衝撃を受ける事になった。
フルアクセスを行えば、その反動は計り知れないともネット上で言われており、アカシックレコードのサイトでもフルアクセスを使い続ければ――と警告されている。
「スケジュールを――前倒しして、あの勢力には退場してもらうか」
 明石は慌てて何かを検索し、その場所をARガジェットに記憶させていく。
その場所は草加市だけでなく足立区内の一部も該当しているが、それが何を示しているのかは分かっていない。


 4月21日、ネット炎上を招きかねなかった事件は予想外の展開で解決する事になる。
それは、チートガジェットの使用者がアイドル投資家だったからだ。
何故に今回の事件が起きたのかは、まだ調査する段階ではあるのだが――。
「この解決速度はおかしい。ビスマルクの仕業なのか?」
 ARガーディアンの一人が、事件の解決速度に関して疑問を持っていた。
警察の介入、防衛隊が招集された訳でもない。だからと言って、特撮ヒーローが現れた訳でもない。
確かにARゲームには特撮ヒーローもののゲームも存在し、そちらでもネット炎上案件が存在するのは事実だ。
それを差し引いても、解決速度が異常だったのである。別勢力がついでに片づけたという理由でも、無理があり過ぎる速度――。
「アカシックレコードのフルアクセスか――やってくれる」
 今回の件をアカシックレコードのフルアクセスと分かり、慌てていたのは比叡ひえいアスカだった。
彼女としても、今回の一件は放置できない物であり、邪魔になるようであれば他の勢力を片づけるつもりだったのである。
「ARゲームの環境を、何としても――」
 しかし、比叡は何かの疑問を持っていた。
本当にARゲームの環境を改善する為に、炎上マーケティングを根絶すれば解決するのか?


 午前10時、謎の呼びかけに答えたアイドル投資家は集中的に特定人物を狙う。
『貴様たちの行っている事は、テロリストと同類――そう思わないのか?』
 メイド服に大型バックパック、脚部にはクリスタルが特徴的なARアーマーという周囲が恐れる外見の人物がいた。
彼女の顔はARメットが隠している。メットの形状も特殊だが、バイザーも特殊な形状をしていた。おそらくはワンオフだったものを更にカスタマイズした可能性も高い。
本来であれば、ARメットでも顔が薄くでも見えるはずなのだが――彼女のメットはマジックミラー形式である。
このカスタマイズは違法ではない。ただし、銀行などのフルフェイスが禁止の場所では使用できないのだが――彼女にとっては問題ではない。
「我々はテロリストとは違う」
「ARゲームで人命を奪う行為やデスゲームが禁止されているのは、貴様も知らない訳ではあるまい!」
「むしろ、貴様の様な場を荒らしていくような勢力こそが――」
 メイド服の人物を取り囲むのは、サバゲで見かけるような重武装兵のモブ達である。
そのリーダー格も肩アーマーが赤色をしているが――どう考えてもフラグなのは明らかだろうか。
持っている銃火器は、明らかに特殊な物であり、下手をすれば違法ガジェットとも言えなくもない。
『黙れ! フィールドを荒らす存在、違法ガジェットにも手を染めるような連中を放置する訳が――』
 メイド服の人物は背中のバックパックに装着された2つのウイングを分離、そのウイングは合体する事でブーメランへと変化した。
そして、そのブーメランが蒼い光を放ち始め、周囲を囲んでいる重武装兵に向けて勢いよく投げつける。
「貴様――ゲームのルールを無視するのか?」
 自分の方向へと飛んできたブーメランを撃ち落とそうとマシンガンで迎撃をするのだが、ブーメランの勢いが削られる事はなかった。
そして、ブーメランが周囲の重武装兵を次々と吹き飛ばし、気絶させていく。
『違法なガジェットやチートツールに手を染めた段階で、ゲームのルールを無視しているとは自覚しないのか? イースポーツ化が進む中で貴様たちがやっている事は――』
 ブーメランが戻ってくるのと同時にキャッチ――ではなく2つのウイングに分離、その後はバックパックと合体する。
どうやら、バックパックのウイングがブーメランとしても使用出来るガジェットらしい。
そして、彼女は周囲を確認して他の敵がいない事を確認する。
《作戦終了》
 ARバイザーに表示されたメッセージを見て、彼女はほっと一息をついた。
『――CDランキングで超有名アイドルがやっているようなグレーゾーンのブーストと変わりない。重要なのは1位と言う結果に囚われれば、1位を取る為に何をしてもよい訳ではない』
 彼女の正体が飛龍丸ひりゅうまると重武装兵が気付いたのは、ネット上で撃破報告がアップされてから1時間後だったという。
しかし、他の勢力が気づく頃には、さまざまな勢力が炎上マーケティングを行う勢力に対し、大規模な作戦を展開していたのだが。
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