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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード5『炎上マーケティングの始まり』

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エピソード5-2

2017年1月17日付:加筆調整

 4月20日、いつの間にかパワードミュージックの勢力図が変化、その速度は先行稼働やロケテスト組が脱落するような勢いである。
ただし、脱落と言ってもプレイ回数が少なかったプレイヤーに限定され、俗にヘビープレイヤーと言われるようなメンバーは残ったと言う。
「まさか、先行稼働組が次々と脱落するような順位になるとは――」
「未だにこの展開になったのが不思議でならない。一体、何が起こったのか?」
「先行稼働組が慢心していたのは事実かもしれないが、それも憶測の域を出ない。真相は不明のままだ」
「ロケテスト組は仕様の変更などで苦戦しているのもあるかもしれない。しかし、先行稼働組は――慢心と言う一言で済ませられるのか?」
「その辺りはネタバレと言う事で特に言及を避けるだろうな」
「公式ホームページでも載っているような物に対し、ネタバレと言うのも――随分と安売りされる単語になった物だな」
 センターモニターを見ていたギャラリーは、現状の勢力図を見て驚きの声を上げている。
このモニターが置かれている場所は松原団地駅の入口であり、混雑時には多くの通勤客が通るような場所だ。
そこにセンターモニターを置くのには駅側も抵抗感もあったのだが、町おこしと言うのと電気は自家発電方式を使っているという事で導入していた。
自家発電と言っても太陽光発電だけではなく、風力発電や空気中の物質を利用して発電もおこなっている。
空気中の物質で発電する仕組みは機密事項なのだが、これをネタバレと言う単語に変えただけでも大変な事になるだろう。
実際、ネット上では草加市内で魔法が使えると言う冗談のつぶやきが広範囲に拡散、まとめサイトも炎上マーケティングを目的として引用した位だ。
迂闊にも機密事項や企業機密をネタバレと言う単語に変えると、こうした混乱を呼ぶ為、迂闊にネタバレと言う単語を使うのを禁止している。
ARゲームの一部システムは特に軍事転用という観点から外部に情報流出されては――という事情も存在するが。


 ネタバレと言えば、普通は雑誌のフラゲや放送予定のドラマ、実写化等の様な芸能関係の話題で使われるような単語である。
それを炎上マーケティング等で使うべきではない――と言うのはARゲームでガイドラインとして定められていた。
実際、ARゲームで謎解きをメインとしたアドベンチャー系、クイズ系、パズル系の作品は不向きとしてメーカー側もリリースしていない。
家庭用であればARゲームのRPGなどもあるかもしれないが――そちらは発売前日からネタバレ厳禁と言う状態となり、その内容はソフトを買った人物にしか分からないという状態になった。
 その辺りの詳細はネタバレになってしまう為、ここではあえて語らない。知りたければ――というパターンは様式美となりつつあった。
そこまでネタバレに神経を使わなければいけなくなり、次第にコンテンツ流通で超有名アイドル無双を許す結果になったというのは、アカシックレコードでも明言されていたのである。
発売日当日の内にゲームのクライマックスの内容がリークされた――ともなれば、大損害は確実。メーカーとしてもネタバレ対策として――。
特定ワードを拡散したつぶやきを魔女狩りのように凍結、アカウント所持者を機密情報流出の現行犯として逮捕――と言うのはWeb小説上であったフィクションとしてのネタバレ対策だが、ここまで現実でもやりかねない。
それ程に、コンテンツ業界は日々ネタバレとネタバレを拡散するフラゲ勢等と戦っているのだ。
 そのフラゲ勢の正体はゲームメーカーのスタッフであり、マッチポンプをしていたというのもWeb小説で書かれていた話だが。
しかし、これらを実際のネタバレ対策に利用しようと言うメーカーも出始めるのでは――とまでは到達していない。
仮にこうしたネタバレ対策をしているメーカーがあれば、そこは炎上マーケティングのターゲットとなり、超有名アイドルのかませ犬にされるのは目に見えている。
ネタバレを悪用し、超有名アイドル勢はコンテンツ業界で絶対王者になろうとしているのかもしれないが――。 
「まとめサイトは、どこも同じような文章ばかりで工夫がない。いくら削除されようとも――」
 これらのまとめサイトをチェックしていた日向ひゅうがイオナは、まとめサイトに対して憎悪を持っていた。
その理由は他のメンバーが超有名アイドルを嫌うのと事情が同じであるのだが――。
「まるで、再生怪人と言う勢いで復活しているのも気になる。何としても、ARゲームをつまらなくするような存在は排除しなくては――」
 日向はエンドレスで襲撃してくる勢力や一連のまとめサイトを再生怪人と切り捨てる。
そこまでしてARゲームと言うコンテンツを炎上、別のコンテンツで支配しようとする考え方が分からない。下手をすれば、その考え方は――。


 一連のまとめサイトは、予想通りと言うか炎上マーケティング狙いの煽り――テンプレ文章になっていた。
魔女狩り仕様と言う対象は、夢小説勢やフジョシ勢だろう――アイドル投資家も対象かもしれないが、やり玉には上がらない。
彼らにとってはネタバレは些細な物であり、自分の思いを表現する方法の一つとしか考えていないからだ。
そして、それがメーカーにとっても大損害となるのは目に見えており、そこから超有名アイドルファンでない勢力を壊滅させようという魂胆かもしれない。
こうしたまとめサイトでも、これを書いた人物がアイドル投資家等であれば、彼女にとっては壊滅対象となる。
ここでいう『彼女』とは、ARゲームのランカー、ガーディアン勢力、ビスマルクの様な個人――複数が当てはまるかもしれないが。
「ここまでネタバレに神経を使えば――炎上マーケティングと変わりないし、クローズドフィールドや一部特定ユーザー向けで展開しているのと変わりない」
 ARゲームにネタバレ要素を含むようなジャンルの作品を禁止したのは、ARゲームと言う概念が出来上がる前からと言われている。
ただし、ここでいうARゲームとは表向きのゲーム業界で知られているようなVRゲームと変わりないような物ではなく、ARガジェットを用いた裏のゲーム業界で使用される物だ。
この定義を定めたのは、キサラギと言うメーカーとも言われているし、西雲と名乗る人物と言う説もある。
「それに――ここは、あくまでも自分達の預かり知らないような世界ではない。第4の壁の先にある世界でもなければ、アカシックレコードにあるWeb小説の世界でもない」
 しかし、天津風あまつかぜいのりは更に別の人物が関係していると考えていたのだ。
一部で古代ARゲームの時代から決まっているとも言われているのだが、ネット上の住民は現実と架空の区別が付いていないらしい。
考える事は山ほどあるのだが、まずは草加市内のARゲームを扱っているショップへ向かうべきと考え、天津風は準備を始めた。


 5分後、ARゲーム用のインナースーツの上にメイド服を着て、黒髪のロングヘアーにメカクレの素顔を隠すかのようにARバイザーを着用する。
この姿でいても誰から指摘がないのは、天津風が一人暮らしをしているからである。
何故、彼女が独り暮らしをしているのかは――ネタバレと言うよりは彼女が話したがらないと言うべきか。
「ARゲームを守る為にも――戦わなくてはいけない。チートを扱い、超有名アイドルを絶対正義にしようとするような勢力を――」
 彼女にとって、チートは絶対悪とも言っていい存在である。ある意味でも戦争で使われるような大量破壊兵器と同義だと断言するレベルで。
だからこそ、魔法の言葉として拡散するネタバレもチートと認識しているし、アイドル投資家の襲撃事件もチートを使用した犯行と考えていた。
天津風にとって、チートはネット炎上と言う名の戦争に悪用される大量破壊兵器――と言うのかもしれない。
「チートを悪用するARゲームプレイヤーは――大和が動かなくても壊滅させる。ARゲームを一瞬でつまらなくするのも、チートなのだから」
 天津風の言う大和とは、大和朱音やまと・あかねで間違いないだろう。
しかし、大和がチートプレイヤーに対して無策とは考えにくい。果たして、どのような策を取ろうとしているのか?
大和以外にもチート狩りを個人的に行うハンターやガーディアン勢力は存在し、チート人口は減っているはずなのに――ネット上では、それを感じさせるコメントがない。
このからくりの正体は、一体何なのか?
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