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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード4『大和、出撃!』

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エピソード4-10



 4月17日午後1時、ネット上には予想外のつぶやきが拡散していたのである。
【パワードミュージックに日向参戦か? それ以外にもウォースパイト、金剛、霧島、榛名、武蔵等も――】
 このメッセージを見て驚いたのは、別件で草加市へ来ていた(あかし・ぜろ)である。
昨日は色々と振り回されつつも何とか目的は達成できた。既にパワードミュージック用のARガジェットは発注済である。
しかし、提出書類の関係でエントリー手続きが今日になってしまったが――こればかりは仕方がないだろう。
本来であれば事前登録や対応のアンテナショップでやった方が早かったが、昨日もアンテナショップでパワードミュージックには対応していないショップだった為、更に遅れた。
「まさか、今日から対応開始の店舗だったとは」
 実際に書類を受け取ったアンテナショップは明日から対応予定だったのである。
その為、別店舗向けのエントリー書類を受け取った。その為にエントリーが遅れたのが真相である。
本日からは対応している為、書類の方は無駄になった訳でもなく――必要事項は書き終わっているのでエントリーは受け付けてくれた。
「パワードミュージックは対応し始めた場所が増えてはいます。しかし、今の状況だと様子見しているアンテナショップが多いのが現状ですね」
 明石から書類を受け取った男性スタッフは、アンテナショップによっては扱うARゲームも異なる事を説明する。
全てのアンテナショップで全機種を取り扱っている訳ではない。中には、一部地方限定のARゲームが稼働していたり、ロケテスト中の機種があったりする。
草加市内でも全機種を扱っている店舗はない。しかし、3店舗を合わせれば全機種が揃うというエリアは存在する。
そのエリアとは、草加市役所を起点とした3つのアンテナショップだ。
1箇所は大型ショッピングモールの為、かなりの機種をフォローしていたのが理由の一つだろう。


 日向参戦のつぶやきは瞬く間に拡散し、予想外の人物の目にも触れていた。
「コピペ改変のつぶやきとしては、かなり雑なパターンと言うべきか」
 タブレット端末を片手に、昼食を草加市内のアンテナショップで取っていたのは、意外な事に私服姿のビスマルクである。
私服のセンスは――あえて言及を避けるが、改造軍服でも何もツッコミが入らないようなアンテナショップ内なので、衣装に細かく突っ込む人物もいないのだろう。
【パワードミュージックに日向参戦か? それ以外にも金剛、霧島、榛名、武蔵等も――】
【パワードミュージックに日向参戦か? それ以外にもウォースパイト、金剛、大和も――】
【パワードミュージックに日向参戦か? それ以外にも複数人が参戦示唆】
【パワードミュージックに日向参戦か? ローマも続く可能性あり――】
【パワードミュージックに日向参戦? ウォースパイト等も続く可能性も?】
 これが、一連のコピペ改変と切り捨てたつぶやきの一例である。これでも氷山の一角なので、彼女の苦労は容易に想像出来るだろう。
「日向の参戦は確実と言うべきなのか――」
 ここまで多数のコピペつぶやきを見ていれば、嫌でも分かるのだが――。
「しかし、正式に参戦する事が決まっていないネタでも、ここまでやると言う事か」
 こうなってくると、他のメンバーが参戦した際も同じような事が起こるのは明白だ。
それに加え、アフィリエイト目的でつぶやきを拡散するような連中も出てくる可能性が高い。
「倒すべき相手、それはつぶやきサイトを悪用して人心掌握をしようとしている勢力と言う事なのか――」
 ビスマルクも強大な敵に関して、存在に気付きつつあった。
ネット神とは違う空気を持つ、強大な敵と言えば――アカシックレコードにも警告されているあの勢力しかいない。


 4月18日、つぶやきサイトで炎上を誘発しているアカウント、コピペサイトやアフィリエイト系まとめサイトへ誘導しているアカウントが次々と凍結されていた。
それも、明石のような人物が手を下した訳ではない。だからと言って運営側がユーザーのクレームなどを受けての対応でもない。では、一体誰が――?
「ここまで炎上をしていれば、ガーディアン等も黙ってはいないと言うべきか」
 この動きを見て、ARゲームガーディアンも動きだした事を思ったのは、アイオワである。
彼女も一連の動きに関して違和感を持っていた。ARゲームに関しては引退も頭をよぎる程の――。
「ネット炎上は――戦場と言うべきなのか。それとも、つぶやきサイトが戦争の舞台に移行したのか」
 アイオワは思う。つぶやきサイトがいつの間にか戦争の道具となっていたのか、それとも――と。
「つぶやきサイトのアカウントを所持しようと言うユーザーも、アンケートでは5割を下回る所もあるとか」
 一連の超有名アイドル商法に関する部分とは異なるかもしれないが、つぶやきサイトのアカウントを持つ事に慎重になるユーザーもいる。
慎重になっているユーザーにはネット炎上に対するリスクだろう。下手をすれば、人の命さえも――というネット炎上事件は、SNS疲れ以上に社会問題化しようとしていた。
しかし、こうした報道が表面化する事はない。その理由は芸能事務所側がつぶやきサイトの宣伝を行っている為、と言うのもあるのだが。


 今回のつぶやきサイトの大量とも言えるアカウント凍結――これは、運営側も考えていた。
クレーム対応と言われれば当たらずも遠からずであるが、事前に凍結する事は告知済みだった。
それを踏まえると、今回の運営対応は素早かったと言えるかもしれない。
「対応が早すぎても周囲から違和感を持たれるが、ここまで手早く行うとは――」
 一連の対応に関して、素早すぎると感じたのは明石だった。
自分が手を下す予定はなかったのだが、一部のアカウントは消滅させようとも考えていた。
その理由として『彼らはやり過ぎた』と――いわゆる『知り過ぎた』と言うタイプの理由である。
今回の件は周囲にプライバシーに関係する情報が漏れない内に凍結したとも言えるが、今となっては探る事も不可能だろう。
「壁に耳あり障子に目あり――と言うべきか、それとも――」
 せっかくなので、明石は運営が凍結していないであろう一部の炎上ブログの告知アカウント等を凍結ではなく、白紙化したのである。
ここまでやっても、おそらくは何度も復活する可能性は否定できないが。
「このような手法が何度も使えるような勢力であれば、こちらとしては楽になるのだが――」
 明石としてはまとめサイトを含めたアカウントを洗い出し、そこから運営や警察へ通報する――これが続けられれば、楽であると。
しかし、それで簡単に炎上を阻止できれば――同じような事が何度も繰り返される事はない。
ネット炎上を自分の利益を得る為だけに行う様な芸能事務所等がいる限り、全てが終わる事はないのである。
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