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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード4『大和、出撃!』

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エピソード4-4

2017年1月15日付:加筆調整
 4月15日午後5時、周囲は暗くないのだがARゲームフィールドにはLEDライトが当てられる。
暗闇では周囲を認識しにくいという事で、周囲を照らす為に使用されているのだが――時にはストーカー対策や不審者発見などのも役に立っているようだ。
このLEDライトは昼間の太陽光発電で生み出した電気を利用した物であり、他の電力を使用する訳ではない。
ある種のエコ技術と言えるのかもしれないが、この技術自体がARゲームと言う存在が異質なのかを語るのには重要な要素となる。
LEDライトに関しては、ドローンが周囲を飛行して飛行範囲でライトを照らすと言う案も出されたのだが、ドローンの場合は墜落事故が起こると被害が大きくなる可能性も――という観点で断念された経緯がある。
【こうした技術が、街の為にもなるとは――】
【この他にも特殊水力発電システムは、大雨や台風時の水を利用した発電手段だが――あれもARゲームで使用される技術を応用した物だ】
【その大元が、バックパックの発電システムだ。アーマーのクリスタル部分が太陽光パネルの役割を行い、エネルギーを生み出しているという話もある】
【まさかと思うが、あの技術は異世界の物ではないのか? あるいはファンタジー的な】
【それこそ、Web小説の世界だろう。アレらの技術は全て科学的な物であって、オカルト的な技術ではない】
【これらの技術が全てタダで提供――どう考えても話が出来過ぎているだろう?】
【彼らとしてはARゲームに使用出来るかと言う部分に関して、一定のデータを集めている。WIN―WINの関係なのかもしれない】
 これらのつぶやきを見ていたのは、アンテナショップでガジェットの修理を行っていたビスマルクだった。
その後、別のARゲームをプレイしていたのだが、まさかのアンノウンに襲撃を受け、使用していたARTPS用のガジェットは大破――。
それ以外のガジェットも中破している物もあり、しばらくはパワードミュージックのみになるだろうか。
「あの襲撃者――手際が良いとは思えなかった。まるで、ARゲームに慣れていないような感覚もあった」
 ビスマルクを襲撃したのは複数規模のグループなのは間違いない。
その装備は最新鋭とまではいかないが、ショップでは来週以降に流通するであろうタイプ――しかし、扱うプレイヤーの腕は初心者以下だった。
まるで、適当に裏サイト等で集められたような人間をプレイヤーに仕立て、ネットを炎上させる目的だけに――。


 午後7時、国営のニュース番組でも草加市で発生した一連の襲撃事件は取り扱っていない。
怪我人が出ていない点でローカルニュース扱いなのかと言われると――そちらも疑問が残る。
『日本政府は、新たなコンテンツ流通の為に――』
 ニュースで取り上げない理由、ネット上では芸能事務所から報道制限がかけられている、芸能事務所が買収、芸能事務所が政治家へ報告して圧力――中には無茶苦茶な物もあった。
案の定、トップニュースは超有名アイドルに関係するニュースで始まった。重大事故などであればトップニュースは変更されるだろうが――。
【あのニュース、何故に取り上げない?】
【超有名アイドルを神コンテンツにする為に、芸能事務所側に不利なニュースは報じないのだろう】
【逆に芸能事務所が不利になっている時は、都合よくファンマナーに関するニュースや事実を捻じ曲げたニュースを報じて、超有名アイドル以外は悪の存在と言う事を植えつける――】
【ある意味でもマインドコントロールと言う事か?】
【過去に問題視されたカルト集団があるだろう? それの超有名アイドル版は言いすぎかもしれないが、過去の事例は――】
 このつぶやきでさえも、ある台本小説の筋書きをコピペして適当に切り取っている――まるで夢小説等を思わせるような気配もあった。
ネット上の動きに対し、ため息交じりにチェックしていたのは、自室でテレビを視聴していた長門ながとクリスである。
「一連の襲撃事件、それがパワードミュージックの登録制限に繋がっていると――」
 長門は、あの時に男性スタッフから話のあった事を思い出した。
彼が言うには『ARガジェットを使用した襲撃事件の影響で、類似ガジェットを使うARゲームに登録制限がかかっている』と。
ARゲームと言っても、アクション系やサバゲ系、リズムゲームや格闘ゲームなどもある位だ。
使用するガジェットもジャンルによっては異なるのは当然だが、それらもひとくくりでARゲームと言う事で制限をかけるように指示したのか?
色々と疑問が出てくるかもしれないが、報道されない以上は問題なしと政府は思っているのだろう。
「どちらにしても――芸能事務所側は何が狙いなのか」
 長門は芸能事務所の狙いが分からずじまいと言うよりも――あまりにも過去事例のテンプレ過ぎる所に疑問を持った。
もしかすると、ARゲームで大規模なストーリーモード、あるいはイベントでも行うと言うのか?


 午後10時、ここまで来ると民放でもニュース番組が放送される。
しかし、そこでも一連の襲撃事件のニュースを取り上げる事はなかった。
国営放送が取り上げない理由は、別にあるかもしれないが――民放の場合は極めて異例である。
スポンサーや広告会社の指示で報道できない可能性も指摘されるだけに、どう考えても報道の自由が形骸化しているとしか思えない。
『芸能事務所は、一体何を考えているのでしょうか?』
 ある民放ニュースのコメンテーターも、芸能事務所の暴走に関しては疑問を持っている。
しかし、そうした発言を炎上させようと言うアイドルファンが束になって炎上させた結果、この10分後には謝罪をする羽目になった。
炎上させようと主導したのは、特定芸能事務所のアイドルファンと言う事になっているが、明らかにアイドル投資家か芸能事務所Aのスタッフだろう。
こうしたネット炎上マーケティングを禁止しようと言う法案も提出されるような話も出ているのだが、実際に誰たと言う話はない。
その理由に政府を陰で操っているのが芸能事務所Aであり、全てのネット炎上を主導している人物である――とまとめサイトで言われているが、詳細は不明だ。
「ここまで来ると――物の見事としか言いようがない。報道機関や広告会社、それに一部のアイドル投資家が国会を掌握すると言う展開は――」
 パソコンの画面を見ながら、私服姿でつぶやきサイトのタイムラインを見ているのは、天津風あまつかぜいのりである。
さすがに自宅でもメイド服と言う訳ではなく、メイド服は出かけるとき限定のようだ。それに、ARバイザーも家の中では装着していない。
1日中装着していると、それだけで虚構の世界に居続ける事になる。時々だが現実空間に戻らないと、架空とリアルの区別もつかなくなるだろう。
それこそ、ゲームが風評被害を受ける原因となっている――あの事例につながるのだが、天津風にとっては、あまり言及されたくない部分のようだ。
「この世界における絶対悪、それは超有名アイドルコンテンツなのか――」
 天津風は、ふとつぶやく。ARゲームだけではなく、他のコンテンツも超有名アイドルの売り上げを異常と考えている勢力は多い。
中には、彼らの売り方等に対して批判的な発言をしたり、それらを反面教師として様々な展開を行うジャンルも存在する。
それだけに、天津風にとっては気になる話題でもあった。
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