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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード3『比叡、出撃へ』

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エピソード3-7

2017年1月13日付:加筆調整
 4月15日午前10時49分、コース説明の画面をARガジェットで見ていたのはビスマルクだった。
「なるほど。コース的には障害物は存在しない初心者コースと言うべきか――」
 コースに関してはトラックコース形式だが、信号機で止められるような状況にはならない様子。
ARパルクールでは信号機で止められるようなコースの場合、信号機を止めた状態でレースを行うと言う。
過去には電車を止める事が出来ず、踏切で足止めとなる駅伝も存在したが――警察の協力がなければ、ここまでの事は出来ない。
信号機を止めると交通渋滞が怒るようなエリアでは迂回路を通る必要性があるが、そこまでの状態になった作品は現段階では指折り数える程度である。
「しかし、ARリズムゲームの場合は周回で競う物ではなく、あくまでも楽曲の演奏で決まる――」
 そろそろレースが始まるのだが、その頃には注文した春雨サンドが来たので、それを食べながら観戦する。
一方で、ビスマルクの様子を見ていたマスコミらしき人物もいたのだが、そちらはガーディアン側の人間が現れ、強制連行の末路をたどった。
その理由に関しては明らかにされていないのだが、まとめサイトではARゲームのスキャンダルをトップ記事で扱い、超有名アイドルグループの解散疑惑をガセであるとアピールしたいのだろう。
ちなみに、ビスマルク自身はマスコミの存在には気づいていないような様子を見せているが、アンテナショップ等ではマスコミ御断りの場所も存在する。
こうした場所にマスコミが入った場合、立ち入り禁止エリアへの侵入と認識され、逮捕されるケースがあると言う。


 午前10時50分、最初の楽曲はレベル4の楽曲――銀色のアーマーの人物が選択した楽曲である。
ジャンルは和風ロックとの事だが――どの辺が和風なのかは周囲も理解に困っている様子だった。
それに加え、周囲に楽曲が流れていないのにリズムゲームが出来るわけがない――と考えている通行人もいる。
通行人の中にはARゲームには興味がなく、コンビニへ向かったり、駅の方へと歩いていく通行人もいた。
俗にいう選挙カーの街頭演説などでも騒音だと感じるような人たちにとって、ARゲームは常時騒がしいライブ会場を歩いているようなものかもしれない。
「公道で爆音演奏なんてやっていたら、歩行者天国であったとしても大混乱になる可能性があるだろう。ましてや、それが有名バンドやアイドルだったらなおさらだ」
 この様子を見ていたビスマルクがつぶやく。彼らの持っているARガジェット、それは特殊なスピーカーが内蔵された特殊なタイプである。
ARゲームに対応した物であれば、ヘッドフォンやイヤフォン等でも楽曲を聞く事は出来る。
しかし、その場合は周囲の音が聞こえずに通行人とぶつかる可能性も否定できないだろう。
これに関しては、近年に起こった歩きスマホと似たような事例と言うべきか。
そうした事例を回避する為、このようなシステムをARリズムゲームでは実装したのかもしれない。
「逆に言えば、超有名アイドル側もゲリラライブやむ予告の宣伝活動で――パニックを起こさせる暴挙に出る事はないと言う事か」
 一方で、こうしたシステムの導入は超有名アイドル側が予告なしの宣伝活動を行い、周囲をパニックにした結果――ネットで批判を浴びると言う流れを生み出す。
芸能事務所側も草加市が暴走ファンによる風評被害を問題視し、アイドルグループの宣伝活動などを大幅に制限しているのは承知しているだろう。
解散覚悟で地下アイドル等がゲリラライブを行う可能性もあるかもしれないが、こうしたグループはマスコミにもマークされており、炎上記事の為に騒動を起こしてくれるのを待つという――。
【芸能事務所の暴走は、あの程度で済むわけがないだろう】
【向こうもマスコミが芸能事務所Aの手駒なのは――】
【結局、草加市で芸能活動が認められているのは二次元作品のアイドルだけと言う事か?】
【いわゆるナマモノ夢小説が――】
【芸能事務所Aは神にでもなったつもりか? あるいは元寇でも起こすつもりか?】
 ネット上のとあるつぶやきを見て、ビスマルクはサクラである可能性を考えた。
しかし、こうも簡単に『見つけてくれ』とアピールするようなサクラがいるだろうか?
これは単純にバイト感覚でサクラを行っている人物が、素人演技をしているという可能性も高い。
「芸能事務所Aの名前を出せば、魔女狩りに会う事を知らない訳ではないだろう」
 ビスマルクがネット上のつぶやきに関するタイムラインをチェックしている合間に、最初のレースは終わった。
結果として演奏失敗は出なかったが、3人ともニアミスが目立つ結果となっているらしく――。


 午前10時52分、レースの方は比叡が一着でゴールしたのだが、歓声と言うよりは若干のブーイングも混ざる。
レース内容としては満足いくような出来ではないとしても、ブーイングと言うのはひどい話だろう。
【白銀がスコアでリードしている。しかし、コンボ数は比叡が上だが――】
【フルコンボは該当なし。出来レースや八百長を考えたくはないが、ランカーのレース目当てだと肩透かしか?】
【初心者同士のレースではないだろう。比叡は初プレイかもしれないが、2人が手を抜いたとは思えない】
【そうなると、疑われるのは2人がチートガジェットを使っている路線か?】
【チートガジェットを使っていれば、スタート前に失格判定だろう。特殊なツールを使えば、チートを持ちこめる話もあるが】
 ダイジェスト風味であれば――既にまとめが上がっている。
動画の方は3曲目が終了してから、公式でアップされるだろう。実況入りのタイプは、午後にでも入るか?
「このブーイングは、自分に対しての物――?」
 比叡は動画で見て覚えた動きを再現できなかった事を悔しがる一方で、次で挽回するべきであるとも開き直っていた。
スーパープレイ動画通りにあっさりとプレイを完コピと言うのは――ARゲームでも不可能に近い。
プレイを覚えるにも、数回のプレイを繰り返す等の練習が必要になるのは、どのジャンルのARゲームでも一緒だ。
「しかし、まだ――諦めない!」
 スコア的には1位に圧倒的な差が出来た訳ではない為、まだまだ逆転は可能である。
一連の勝負は、まだ始まったばかりだ。ここで諦めれば――ARゲームで行うべきでないと言われている捨てゲーと思われてしまう。
捨てゲーをARゲームでタブーとしているのは、チートガジェットが流行り出してからと言われていた。
チートプレイヤーに勝てるはずがない――と正攻法で挑んでいるプレイヤーが怒りの矛先をゲームのシステムにぶつけるようになっていく。
次第に、こうした行為がエスカレートしていき、遂にはゲームその物をプレイの1ミスだけでサレンダーするようになったと言う。
1ミスだけでチートプレイヤーには勝てるはずがない、と言う状態だと言うのを分かっている為に発生した出来事だろうが。
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