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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード3『比叡、出撃へ』

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エピソード3-3

2017年1月12日付:加筆調整
 4月15日午前10時25分、比叡ひえいアスカは書類を提出完了し、後はARガジェットのシステムインストール作業を残すのみとなっている。
その一方で、外の方が若干騒がしくなっていたのだが、それを鎮圧したのは意外な事に――。
「マスコミが揃いも揃ってARゲームを潰すというのであれば、一人になっても元凶の全てを一掃する!」
 身長168センチ、体重は不明だが――見た目的にはぽっちゃりに近いだろうか?
髪型は黒髪のツインテールだが、前髪は何故かぱっつんである。
Cカップの巨乳を持つが本人に自覚が全くなく、周囲に突っ込まれても言及する気なし。さすがに胸を触ろうとすると速攻で逮捕だが。
彼女の服装と言うよりも、今の恰好はARサバゲ―のスニーキングスーツを装備していた。
しかも、彼女が使用しているのは明らかに近接戦闘には不向きなスナイパーライフルである。
「馬鹿な――狙撃銃で近接戦闘が出来ると言うのか?」
 気絶しかけている1人のプレイヤーに対し、彼女はハンドガンを突きつける。あくまでもARゲーム内での行動である為、違法ではない。
しかし、彼女が銃の引き金を引く事はなかった。手加減でもしたのだろうか?
実際に引き金を引こうとすれば、おそらくは迷いもなく引き金を引くだろう。それをあえて行わない理由、それは――。
「私はあくまでも、ARゲームがプレイ出来ればいい――それを脅かす存在は、ARゲームで徹底的に潰す」
 彼女の目は本気だった。一歩間違えれば、本気でハンドガンの引き金を引きかねない。
その後、彼女が戦っていた勢力は超有名アイドルグループの宣伝をするために雇われたフラッシュモブである事が判明した。
当然のことだが、ARゲーム内で運営が認めていないような宣伝行為、政治的活動は全て禁止されており、そうした行為をしたプレイヤーに対してはライセンスはく奪も辞さない。
それ程にARゲームという環境は、敷居が低いように見せかけて別の部分で上げ過ぎているという意見もネット上で散見される。
「しかし、貴様たちはこちらで引導を渡す必要性も感じない。つまり――そう言う事だ」
 そして、彼女はハンドガンを収納する。おそらくゲームの決着はついたのだろう。
彼女にとって彼らは戦うに値しないという事なのだろうか? それは、本人にしか分からないのかもしれない。


 先ほどの人物が日向ひゅうがイオナだと言う事は、スタッフからの話で判明した。
「彼女はARゲームに賭ける情熱は本物だと思うのですが――それ以外の部分で問題行動があって、一部運営は警戒対象人物としています」
「そうした事もあって、彼女に関しては敵対勢力が非常に多いのです。ARゲームに無関係なジャンルだけでなく、ARゲームファンやガーディアンからも」
「――彼女自身は必要悪と言っているような節もあるようですが、それを裏付け出来るようなソースはないそうです」
 他にも男性スタッフは言っていたような気配がするが、それは流しで聞いていたので覚えていない。
しかし、彼女の様な問題行動を起こせばイエローカードを突きつけられる事だけは覚えた。
レッドカードを一発でもらうとしたら、他のARゲームと同じで不正ガジェットやチートツールの使用――。
「スポーツ系では怪我人も日常茶飯事なジャンルもありますが、悪質な物はチート行為でなくても一発レッドカードです」
「具体的に言えば、プロレスにおける凶器攻撃やレフェリーへの攻撃、レースゲームにおける八百長や進路妨害、ドーピングが分かりやすい例でしょうか」
 ドーピングと言われて、まさか――と考えたのだが、スポーツ系では記録更新の為にARガジェットの違法ツールとは別に使われているケースもあるらしい。
新記録が更新されれば、それが公式でも残り続けるのだが――その記録が超有名アイドルの宣伝等に利用されているとしたら?
それを踏まえると、どのような手を使ってでも記録を残す事がどのような事なのか、想像が出来るだろう。
「――本当に、そのドーピングですか? 国際大会等でも問題化した?」
 比叡はARゲームとは関係ないかもしれないが、興味本位で聞いてみる。
「残念だが、それは本当の話だ」
 男性スタッフに変わって回答したのは、ガーディアン組織のスタッフであるあきつまるだった。
丁度、日向の起こした行為に関しての現場調査もあってアンテナショップに事情説明をしてもらう為に入った所で、比叡に遭遇したのである。
「ここで使用されたドーピングを他の国際スポーツ大会で売りさばく――というブラックマーケットがあると言う噂もあるが、こちらはARゲームとは無関係の管轄外と言えるだろう」
「しかし、管轄外でもARゲーム内で起こった事はARゲーム内で解決するべきでは?」
 あきつ丸の回答に対し、比叡はブーメランとも言える質問で返す。
確かに、管轄外でもARゲームで起きている以上はARゲームで解決すべき問題である。
「告発等をするにしてもネット上のまとめサイトや炎上したつぶやき等を証拠として提出するのか? それこそ、アイドル投資家等の思うつぼだろう。現実的な証拠でないと、向こうは動かないのは明白なのに」
 あきつ丸の回答に対して、どういう事なのか――と首をかしげる比叡。
その後、あきつ丸は別の作業もあるので比叡の前からは姿を消す。あきつ丸は何を伝えようとしたのだろうか。疑問が残るようなメッセージなのは間違いない。


 外に出たあきつ丸は、天津風あまつかぜいのりにそっくりなARアーマーの人物に遭遇した。
「紛らわしい装備だ。何処かのコスプレイヤーか?」
 あきつ丸の方はガーディアンの変装とばかり思っていたらしい。しかし、ARメットを脱いで素顔を見せる事はしなかった。
数秒後には、メットにあるタッチパネルと思わしき部分を⇒の人差し指と中指でタッチし、次の瞬間にバイザーが変形する。
「あきつ丸――ガーディアンが、ここにまで来ているとは」
 その人物の正体は、天津風本人だった。これにはあきつ丸の方も少し驚いた表情になる。
そっくりなアーマーだったのは、彼女自身がアーマーに少し細工をしたからでもあった。
この辺りはガーディアンでも定期的にアーマーのカラーリングを変えるので、お互いさまなのだろう。
「日向も動きだしている。おそらくは、近い内に大きな騒動が起きるだろう」
 あきつ丸の方は、一言だけ忠告し、別の通信で連絡のあった場所へと向かう事にした。その際は脚部に装着したブースターで現場へと急ぐ。
その姿に対して手を振って見送る訳でもなく、天津風は別のエリアへとバイザーを再変形させ、周囲に素顔が見えないようにする。
「ガーディアンが動いているのは知っているが、日向まで動くとは――ARゲームを取り巻く環境が激変すると言うのか?」
 超有名アイドルがARゲームのメーカーを買収と言うような過激な行動を取る訳ではないが、急ぐ必要性はあると考えていた。
つぶやきサイトでも大きな動きがあるかどうかを確認しようにも、つぶやきに鍵をかけている状態や身内コミュニティで情報交換をされていたら、逆に不利になるのはガーディアンの方である。
それでも情報を仕入れ、このような忠告を伝えられるという事は――。
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