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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード2『ビスマルク、始動』

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エピソード2

2017年1月6日付:加筆調整
 4月11日、その日は様々な動きがあった。
ARゲームの方でも賞金制度に関して調整を行うという趣旨の発表があり、それ以外にもネット上では炎上の火種になりそうな案件が存在している。
かつて解散したアイドルグループの楽曲を購入すると言う購買運動の再燃――それらの事件は、まるで第四の壁の先で起こっている事件を再現しているような気配さえ感じた。
【繰り返してはいけない。悪しき超有名アイドル商法を――それこそ広告会社や富裕層、アイドル投資家が無限の利益を得ると言う法則を】
【彼らにはデウス・エクス・マキナを持つ資格等ない。彼らは賢者の石を大量に量産し、日本経済を地獄絵図にしようとしている勢力――】
【超有名アイドルの芸能事務所こそ――国会を影で操る存在なのだ。彼らの行動を許しておくわけにはいかない】
 一連のメッセージは、アカシックレコードにも記載されたメッセージである。しかし、これはフィクションの世界の出来事であり、この世界での出来事ではない。
それこそ、ARゲームの世界とリアルの世界を区別出来ないのと同義だ。結局は負の連鎖が繰り返されるだけなのか?
「ARゲームを守る為にも――不可侵領域が存在する事を証明しなくてはいけない。その舞台が、パワードミュージックなのよ」
 大和朱音やまと・あかね、弱冠20歳と言う年齢でパワードミュージックの原案に関わった人物――彼女も過去にはARゲームのプレイヤーでもあったのである。
彼女が唐突にARゲームを開発する側に回った理由、それは明らかにはなっていない。
一部スタッフしか知らないという訳でも、ネット上で公開された訳でもなく――本当にトップシークレットになっており、その真相は本人にしか分からないのだ。
ネット上では偽の情報が拡散され、風評被害とも呼ばれた時期もあったのだが、それを彼女が気にする事はなかった。


 4月12日午前9時55分、既にオープンしていたアンテナショップ前でやきそばパンを食べながら私服で待機していたのはアイオワだった。
今回はARゲームのアカウントを一時停止する為にショップに訪れていた。どのような事情で休止を決めたのかは、本人にしか分からないが。
「イースポーツ化か……」
 アイオワが見ていた電光掲示板、そこにはARゲームのイースポーツ化に関する部分での細部調整案等が書かれており、そこには――。
【イースポーツ対応ARゲームは現段階で数種類に絞り込む。そこでのテストケース等を踏まえ、正式採用とする】
【ARFPS、ARTPS、ARサバゲ―、AR対戦格闘の一部タイトル、ARカードデュエルとARリズムゲームは2タイトルのみ――】
 他にも様々な項目があるが、アイオワが気にしていたのは対応タイトルの部分だけである。
「自分がプレイした事のある作品は――対応しているのか。安易な賞金目当てプレイヤーが増えない事を祈りたいが」
 アイオワは賞金に目がくらんで安易な気持ちでARゲームに参戦、更には違法ドーピングに手を出すかのように不正ツールやチートに手を染めると言う構図に頭を痛めていたのである。
賞金に関してはその金額が非常に安い物になっているのを、この段階のアイオワは気づかなかった。
実際、賞金の項目は未チェックというミスをしているからである。
「どちらにしても、賞金目当てであるならば――違う分野の方で楽な方法があれば、そちらへ移動するか」
 しかし、ARゲームの敷居の高さやルールが厳しい箇所も、実は悪意あるネット炎上屋等が容易にプレイできないようにする為とも言われている。
そう言った事情もあり、アイオワは少し様子を見る事にした。


 午前10時、アイオワはアンテナショップでARガジェットの一時停止を申請しようと書類をタブレット端末で打ち込む。
外付けキーボードで打ち込む訳ではないので、画面のタッチで手際よく書類を作っている。
「何か騒がしいが――」
 書類を作っている途中、アイオワが超えのする方向を振り向くと数人の男性が言い争いをしている場面を目撃した。
「賞金が10万円以下? 今時、宝くじでも1億は出ると言うのに――」
「優勝賞金が10万と言う事だろう。上位に残りさえすれば、宝くじの当選割合よりは上になると思うが」
「もっと賞金を出せるのであれば、更に賞金をあげろと言う事だ。これでは競馬の方がマシに見える」
「ARゲームはギャンブルとは違う! そんな気持ちでプレイをされても、超有名アイドル勢力にネット炎上のネタに利用されるだけだ」
 他にも色々と言っているのかもしれないが、アイオワが把握しているのは2人の男性がARゲームのイースポーツ化ではなく、賞金制度に関しての口論らしい。
そこでは10万円と言う話も出たのだが、アイオワには聞こえていなかったようだ。


 午前10時5分、口論はさらにエスカレートし、遂には――。
「結局、超有名アイドルの芸能事務所とタイアップすれば――賞金額も上がると言う事じゃないのか?」
「ARゲームが特定芸能事務所のタイアップなどを禁止している事、知らない訳ではないだろう!」
 遂には超有名アイドルの芸能事務所の名前を出しての口論になる。
これではネット炎上案件がリアルで行われているような物であり、結局は悲劇の連鎖とも言える繰り返しが繰り広げられる事にもなりかねない。
これにしびれを切らせたアイオワは、2人が遂に殴りかかろうとしていた場面で両者の拳を受け止めたのである。
「お前は――ARゲームのイースポーツ反対派か? いつから過激派組織に鞍替えしたのか」
 アイオワは口論をしていた別の男性に関して顔を知っていた。
その正体は、ARゲームのイースポーツ化反対運動のメンバーだったのである。
ちなみに、賞金額に関して文句を言っていたのは単純にARゲームを知らない男性であり、競馬等よりも儲かるかどうか聞いていた所――今回の口論に発展したらしい。
もう片方の男性は、裏バイト感覚でARゲームを始めようと考えていた可能性も否定できないが――。
「貴様はアイオワだと――」
 いつものウィッグをしていなかったのだが、それでも反対派の人物はアイオワだと分かったのは――彼女がARガジェットを持ったままこの場に現れたからのようだ。
そして、反対派の人物が持っていたガジェットにアイオワが現れた事を知らせるメッセージが表示され、そこで分かったのである。
「よりにもよってアイオワだと――ここは引き上げるしかないか」
 反対派の人物だけでなく、周囲の男性や口論相手も姿を消した。どうやら、一連の行為はサクラ――と言うよりもやらせに近い物だったようである。
彼らのやり口を見て、アイオワはARゲームを汚すのはマナーを守らないプレイヤーの方であるとも考えざるを得なくなった。


 その後、反対派のサクラを行っていた人物に関してはARガーディアンが検挙したという速報が拡散し、大きな騒動になる事はなかった。
しかし、これは一部のマスコミやテレビ局、芸能事務所等に炎上案件を握られたくない為の先手打ちとも言われており、その真相は不明のまま。
ネット上でも議論がされているのだが――第3者が見ても平行線をたどっているのが分かる程に、ネタ切れと言う可能性も否定できない。
挙句の果てには、この世界が『超有名アイドル以外は有名ではない世界』とまで言い出す始末であり――。
「検挙のニュースが大きく取り上げられないのは、何か意図があるのか?」
 ある場所でARバイザーを操作していた飛龍丸ひりゅうまるは、早速例のニュースを目撃する事になった。
しかし、その内容は本当に起きた事なのか――疑問が残るような内容である。
更に言えば、記事の内容もWeb小説サイトの二次創作物でありそうな会話文だけの作品と似ているかもしれない。
それを踏まえると――何もかもがおかしいと飛龍丸は考えた。
「運営側が大きく報道される前に火消しをする一方で、一部勢力はネットを炎上させたがっている」
 飛龍丸の懸念、それは別の場所で的中する事になるのだが――。
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