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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード12『次のステージへ、ゴングを鳴らせ!』

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エピソード12-14

2017年2月21日付:加筆調整、サブタイトル修正

 午後2時50分、運命の100メートル走がスタートした。両者ともフライング判定はなく、そのまま突っ走る。
スタートダッシュはお互いに譲らない物があるのは間違いないだろう。
リベッチオはホバー等は使用せずに、そのままアスファルトの道路に足を付けるような感じで走り続けた。
比叡ひえいアスカは、走るフォルムは陸上選手のそれとは全く異なる。
最初にスタートした際に足を道路に付けたのはリベッチオと同じなのだが――明らかに助走を付けてからはブースターで滑ったと言うべきか。
この100メートル走は基本的に飛行をしなければ問題はない。スケートの様に滑っても、ホバー移動を使っても問題はない。
いかにして100メートル先のゴールへ早く辿り着くのか――そこがメインなのだ。さすがに、選手妨害は失格となるが――。
要するに相手を妨害する事、チートや不正を行う事以外は問題なしと判定される――スポーツマンシップが放り投げられている気配もするが、ARゲームなので問題ない。


 20メートルをお互いに通過した辺りでは、ほぼ互角であり――試合の結果は分からないと言うべき展開だった。
ARアスリートではトラックに乱入者が現れないようにARゲームではお約束と言うべきバリアが作動する。
こうした事もあり、スナイパーが妨害をするような展開もない。それを考慮して、ジャンルを選択したのかは不明だ。
それを知らずにスナイパーが妨害するような展開はなく、引き上げていくようにも見えた。気のせいであって欲しいのだが。
「ARアスリートでは、妨害工作防止でバリアを含めて――ありとあらゆるセーフティー機能が存在する」
 この状況を中継映像で見ていたのは、別所にいた大和朱音やまと・あかねである。
大和は様々な所へ向かいながら、妨害をしている人物の割り出しを急ぐ。
運営本部に伝えると言う事も可能だが、それでは――こちらの目的も探られてしまうだろう。
「もしも、アカシックレコードに書かれていた事例をなぞっている事件だとすれば、運営本部にも動きを察知している人物がいるのか」
 大和が運営にも連絡しない理由、それはアカシックレコードを知る人物の存在である。
おそらくは、今回の事件を起こした本当の黒幕は超有名アイドルという唯一神信仰が無意味であると知らしめるために――あるいは、別の目的の為にARゲームを利用した節があった。
超有名アイドル商法が国内で時代遅れだと言う事を証明できれば、海外進出するコンテンツを見直す可能性も高い。
大和は、ARゲームの海外進出を望んでいないのだが――海外からの観光客にも反応が良い為、ある程度の事業展開の見直しは必要だろう。
海外へ進出するのであれば、それにふさわしいコンテンツを育てる必要性がある。アカシックレコードでも、その辺りを踏まえた論文と言う物が存在していた。
「何としても――悪質な炎上勢力を締め出さないと」
 これを思っているのは他の人物も同じだが、大和に関してはより一層強い決意を持っている。
同じ事の繰り返し――それも自分達が億万長者になるまで繰り返される無限増殖にも似た――苦痛の繰り返し、それを大和は懸念していた。


 50メートルでも全くの互角――どちらがゴールしてもおかしくはない。
ここまでくると、ARゲームの経験値的な部分で比叡が有利の可能性は高いのだが、視聴者は圧倒的に比叡が有利とは思っていないようだ。
【タイムは既に3秒――まさかな】
【同着でゴールと言うパターンもあるのか?】
【おそらく、同着はない。あの状況だと――コースを読み切った方が勝つだろう】
 ネット上のつぶやきは、どちらが勝ってもおかしくないという流れだった。
しかし、両者同着ではなくどちらかが確実に勝つという事は揺るぎないという事らしい。
【同着と言う事例もあったが、それが成立するのは稀だ。大抵はチートや不正、八百長等で始まれるケースが多い】
【それほど真剣勝負を望むと言う事か】
【ARゲームはガチ勝負が標準だと言う話もある。超有名アイドルによる出来レース的なレースが横行すれば、ガイドラインの変更も当然の動きだ】
【VRでもARでも――真剣なバトルが見られれば、どちらでも変わらないという意見もある】
 状況が一変したのは80メートルを過ぎて、ゴール目前と言う所である。
「敗北する訳には、いかない!」
 比叡にも負けられない理由があった。コンテンツ流通の未来の為にも――。
「負けられない理由があるのは、誰でも同じ! でも、ARゲームは個人の思想や一部企業の私物化を望まない――そのはずだから!」
 リベッチオは単純にゲームを楽しむ為に――走り続けていた。
イライラしたら負け――ネット炎上等も気にすればするほど、相手の思う壺だろう。
ある意味でもリベッチオは開き直っていると言ってもいい。


 結果は7秒台でのゴールと速報として表示されている。
そして、センターモニターには1位のプレイヤーとして表示していたのは――。
【リベッチオ】
 この状況を見た比叡は、別の意味でも頭を抱えていた。
自分が負けてしまったら、これからのコンテンツ流通はどうなる?
超有名アイドルの様な炎上マーケティング上等な勢力を無双させてしまえば――悲劇は繰り返される。
下手をすれば、芸能事務所同士の争いやファンの炎上行為が大規模なテロに発展する事さえ――。
それを止める事が出来るのは――コンテンツ流通の事情を知っている人物でなければ、同じ事が繰り返すだろう。
「賞レースである以上、確実に勝てるという保証はない。それは分かっているはずじゃないのか?」
 落ち込んでいる比叡の前に姿を見せたリベッチオは、ARバイザーを脱いでいた。
彼女の顔には汗がびっしょり――と言う状態である。ARゲームが単なるゲームではない事が、ある意味でも証明されたと言ってもいい。
「言われなくても分かってる! だからこそ――芸能事務所に今の商法がマインドコントロールに――」
 リベッチオは比叡が何かを言おうとしていたのだが、それを遮るかのように彼女のARメットにデコピンを一発――。
それが命中して吹き飛ばされると言う訳ではなく、比叡は何も動じなかった。
「お前は何も分かっていない。コンテンツ流通の裏事情を知った気でいる。それこそが、一部勢力に悪用される――違うのか?」
 リベッチオが比叡に対して反論をするのだが、彼女も疲れているのか大声は出ない。先ほどのデコピンも、本来であれば――。
「超有名アイドルも、あの方法は褒められたものではないが――ある程度の反応はあった。だからこそ、一部勢力が違和感を持ち始めた」
 リベッチオの反論は続く。息が切れているような所もあるが、それでも彼女は非絵に伝えたい事があると言う事なのかもしれない。
「賛同する人間もいれば、そのやり方に反対する人間が現れるのは――どのコンテンツでも一緒だ」
 そして、リベッチオは何処かへと向かおうとするのだが――。


 午後3時30分、最終的なトーナメントが決定し、メンバーが草加駅より少し離れたアンテナショップに集合した。
そのメンバーは、ビスマルク、アイオワ、ヴェールヌイ、リベッチオの4名である。リザーバーとして、木曾きそアスナ、ローマの姿もある。
「長門に関しては棄権らしいが――何があった?」
 ヴェールヌイはARメットを被ったままで、ボイスチェンジャーもそのままである。その為、男性声となっていた。
アーマーの方は装備している状態の為、さすがに誰も姿に違和感はもたないだろうが。
「長門は二重エントリーではないが、それに近い状況で棄権したという話を聞いている」
 長門ながとクリスが棄権した事に言及したのは、木曾の方だった。
相変わらずの眼帯に黒マントだが、不審者として指を指す人物はいない。
「それならば、こちらから言う事はない。了解した」
 ヴェールヌイはチート疑惑で棄権したのかと思ったが、そうではないという回答に納得する事にした。
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