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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード12『次のステージへ、ゴングを鳴らせ!』

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エピソード12-11

2017年2月19日付:加筆調整、サブタイトル修正
 午後2時ごろに報道された超有名アイドルプロデューサーの逮捕。芸能事務所の衰退も、ここまで来たか――と言う展開である。
実は別のアカシックレコードには、このようなテンプレ小説が複数あったという話もあった。
その為か、この状況を見て何か分かった者もいたらしい。そこまで察する事が出来るのは、その炎上案件を目撃した事のある人物辺りの為に――。
結局はテンプレと言う名のレールを走る電車だったのか――そのレールを用意した人物が誰なのかは、今の段階では分からないだろう。
『一連の事件には、東京で行われる予定の国際スポーツ大会との関連も噂されていましたが――』
 テレビの司会男性らしき人物が、コメンテーターと思わしき人物に話題をふる。
その人物の外見は、明らかに異質としか言いようがないような人物だったのだ。
明らかに素顔を隠しているような覆面姿――経常的にはバイクのフルフェイスよりもSFアニメでよく見るノーマルスーツだろうか?
それに軍服と言う事で、あるアニメに登場していた人物を連想させるとネット上でも話題になっていた。
しかし、こうした鉄仮面のような人物はアニメでも多数存在し、どの作品がベースになったと断言するにはデザインが違いすぎて、特定できないだろう。
『そのスポーツ大会も、その他の要因が重なって辞退――ARゲームは無関係と聞いていますが』
『しかし、こうしてプロデューサーが事件を起こしたというのはARゲームに対する逆恨みがあっての事では?』
『逆恨みや個人的な感情――そう言った物で動いているのは、ごくわずかでしょう』
『ここ最近でなくても、個人の独占欲や欲望に忠実――と言えるような事件は起きております。ごくわずかというのはおかしいのでは?』
 司会の男性は、何かの合図をコメンテーターに見えないように指示をする。
どうやら、タブレット型のテロップに細工がしてあるようだ。コメンテーターは表情を読み取れないので、何をされているか分からないと考えての事か?
『確かに――過去に起きた殺人事件や凶悪犯罪の中には、感情のコントロールが出来ずに暴走した事例がありますが――それとARゲームを重ねるのは無粋でしょう』
 コメンテーターの方は、下手にボロを出さないように何とか自分なりの言葉でスルースキルを披露する。
これに対してネット上では色々な反応もあるのだが、それらにかまっている余裕も今の彼にはないだろう。
司会の人物も、彼とは別のコメンテーターにも話題を振り、何とか時間を稼いでいるというのが見え見えだった。
どうやら、仮面のコメンテーターを拘束するのが目的らしい。
「彼もまた便乗犯か――決めつけるのも早計かもしれないが」
 一連の番組を見ていたネット神ヴィザール、彼は自分に似たような外見の人物がテレビに出ていたとしても驚きは感じない。
過去にも自分のまねをして有名になろうとした人物が、逮捕された事例と言うのは数え切れないほどある。
それこそ、テレビ番組の違法アップロードに代表されるような――コンテンツ流通妨害とも言えるような事例で。


 15分経過、別のニュース等をはさむ形で鉄仮面のコメンテーターに、司会が先ほどの話の続きを振って来た。
『一連の炎上マーケティングに関しては政府も問題視をしております。それを踏まえれば、どのジャンルでも起こるでしょう』
 コメンテーターは、司会のいじわるとも言える質問をあっさりとかわした。
質問内容としては――ネット上で反発が相次いでいる。
【炎上商法はARゲーム独自だと? それ以前からもまとめサイトが主導の事例があったのに?】
【自分達の事を棚に上げて――】
【これは、明らかに作為的な構成をしている可能性が高い】
【元々がネット動画サイトのユーザー生放送、こういう事もあり得るのは向こうも分かっていたのではないか?】
【まるで、超有名アイドルが絶対正義――プロデューサーのやっている事は無罪とでもいうのか?】
【自分達が違法ガジェットを流通したと言うのに――】
【証拠も出ている状況で、ここまで言い逃れをするとは】
 司会の人物がどのような悪意を持って、こういう質問を投げたのかは分からない。
後に、この生放送の録画された物はARガーディアンが押収したのだが、この質問内容に関しては音声が切られていた。
その理由は不明だが、動画サイト側のガイドラインに抵触したと考えられるのだが――。
『そうした勢力を悪用し、ビジネスチャンスとしてあぶく銭を稼ぐ――いわゆる便乗商法』
『過去にミリオンセラーを記録した事もあるアイドルを、便乗商法とは――超有名アイドル警察に通報するしか――』
 ある発言を受け、コメンテーター席に座っていた彼は――席を外そうとしていた。 
次の瞬間には、セットを囲むような形で超有名アイドルファンや投資家の残党が彼を取り囲む。
どうやら、全てが罠と言う事だったらしい。罠だと気付いたのは――ここに入った段階で罠だったと言う事で、最初からだった可能性も高いが。
それを百も承知で――彼は敢えて敵の懐に飛び込んでいた。
不幸中の幸いだったのは、この番組がネットのユーザー生放送の形式だった事であり、これが全国放送だったら――。
《ARバトルフィールドオープン》
 彼のARバイザーにフィールド展開をアナウンスするメッセージが表示された。
実は――この場所の正体は、草加市内にある大手動画サイトの支部であり――会員ならば生放送用の施設をレンタルできるという物だったのである。
しかも、ご丁寧にARゲームも各種揃えられており、当然だがリズムゲームプラスパルクールもあるのだが、敢えて彼はARFPSを指定した。
相手側が得意なゲームに合わせたのか、それとも彼に選択権があったのかは不明である。


 午後2時30分、バトルフィールドの戦闘は1分も持たずに終了する。
その理由は簡単だ。彼らは相手にした人物を間違えていた――としか表現できない。
「アイドル投資家ならば、以前に起こった事件等を調べておくべきだったな」
 鉄仮面とも言えるデザインのARメットを脱ぎ、素顔を見せたのは日向ひゅうがイオナだった。
どうやら、別件でアイドル投資家に呼ばれていた事もあり、レースの方は意図的に順位が4位になるように調整したらしい。
何故、ここまでの事をしてまでアイドル投資家の方へ向かったのかは、彼女にしか分からないだろう。
「ARゲームは、もはや個人が私利私欲や金もうけに利用できる程の物ではなくなっている。大型コミュニティになったコンテンツの宿命かもしれないが」
 しかし、彼女は犯罪行為まがいの事でなければARゲームを荒らそうと言う勢力――アイドル投資家やフジョシ勢を許さない。
全力を持って、それを排除するだろう。例え、純粋なファンに魔女狩りと叩かれようとも。
「犯罪行為や不正手段を使ってまでコンテンツを排除するのは――許されざる行為。それは、どのジャンルでも変わらないはずなのに」
 日向の目は、わずかながらに涙が見えるような――悲しい目をしていた。哀しき悪役と言う訳ではないのだが――。
ARゲームを守る為にも動いていた彼女の目的も、終着点が見え始めていた。
それは、ビスマルクやアイオワ、他のARゲームプレイヤーも望んでいた世界である。
「ルールを守って、楽しくプレイ――か」
 あるカードゲームアニメで言われていた事――それが日向を突き動かしていたのかもしれない。
チート等に代表される不正行為のない、それこそ炎上マーケティングや便乗商法等の風評被害を起こすような要素もない――純粋にゲームがプレイ出来る環境、それが彼女の望みでもあった。


 徹仮面の人物が日向と判明しても、ヴィザールの表情が変わる事はなかったと言う。
彼はネット神とは言われているが、コンテンツ流通の為に使用料を支払う等の正当な手順で見逃し配信に代表されるアップロードを行っていたのだ。
「コンテンツ流通を妨害しようと言うのは、週刊誌報道やまとめサイトに代表されるネット炎上でもうけようと言う理屈の勢力――と言うよりも、システムそのものか」
 ヴィザールは日本で根絶すべきシステムとしてネット炎上――超有名アイドルが神コンテンツになる為の賢者の石商法――それを拡散させないように動き出した。
彼の正体は不明のまま、それに有名ランカーも彼とは会った事がないという事も――ヴィザールの都市伝説に貢献している。
一体、彼は何に対して憎悪を持つようになったのか? ARゲームにそう言った物を持ち込む事自体が禁じ手とされている為か、彼がARゲームをプレイしている光景を目撃した人物はいない。
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