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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード12『次のステージへ、ゴングを鳴らせ!』

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エピソード12-10

2017年2月18日:加筆調整、サブタイトル修正
 トーナメントAとBの対戦カードが判明し、ネット上では予想合戦が始まる。
Aに関しては甲乙つけがたいような展開だが――Bに関しては、大体が予測できるという展開だった。
実際、ビスマルクとローマはネット上で知られていないような一部メンバー内でしか――対戦動画の存在を知らない。
その結果を知っている人物からすれば、トーナメントBはビスマルクと島風朱音しまかぜ・あかねが勝ち残ると思っているようだ。
「トーナメントAとBの勝者同士で決勝を行う流れだが、この様子だと――」
 ネット上の動向を見ていた男性スタッフの一人は、あるつぶやきに関して見逃していた。
これによってネットが再炎上するのではないか――とも言われるような致命的な見落としであり、一歩間違えると今までの努力が水の泡になりかねなかった。


 午後1時40分、天津風あまつかぜいのりの一件がネット上で拡散している頃、大和朱音やまと・あかねは草加駅に到着し、バス移動でARゲーム運営本部へ向かおうとしていた。
「まさか――こんな事が起こると言うのか。やはり、こういう事態が起こる事は想定しておくべきだったか――ガイドラインを変えた段階で」
 大和が聖域を作る為に仕掛けたガイドライン、そこにはネット上でも一部で『ネット炎上狩り』や『魔女狩り』と言われる物となっていた。
当然だが、その詳細を全部把握した上で発言している物ではなく、大抵がネット上のまとめサイトで意図的に削られたガイドラインから発言している物ばかり。
実際、大和はこうした勢力に対して『ガイドラインを全て把握した上で、異論があるならば許可を出した運営に要望を出すべき』と言っている。
大和のこうした発言は至極当然の物であり、それを見落としてARゲームをプレイしているようでは――チートプレイヤーやネット炎上勢等が問題視されるのも納得だろう。
それに加えて、ARゲームで適用されるようなルールを別のコンテンツでも適用すべきと言う極論勢力の存在――そちらも考えるべき、と今更だが思った。
「ここまでの勢力が動き出すと分かっていて、運営が放置したと言うのか――」
 大和はバス停でバスの来るのを待っていたのだが、そのバスが来る数分前、ARフィールドが展開された事を把握した。


 ARフィールドが展開されると、ゲームに勝利するか敗北するかしなければ脱出不能となる。
それはジャンルによるところも大きいが、大和が展開されたフィールドはARアクションであり、勝利か敗北か――完全決着が求められる物だ。
「大和――貴様の行おうとしていた事、それは超有名アイドルコンテンツを完全締め出しする事――そうではないのか?」
 重装甲の鎧を装備したプレイヤーが複数人、姿を見せる。その装備を見る限りではチートと言う訳ではない。
仮にチートだとすれば、仕掛けたプレイヤーにペナルティが大きく影響するだろう。仕掛けられた場合だと話は別だが。
「そこまで知っている以上、あのガイドラインを全部見たという事か?」
 大和の方も臨戦態勢を整え、重装甲の戦艦大和型ガジェットを装着する。
その装着時間は、わずか10秒にも満たないだろう。ARインナーは装着済みの為、装着途中で裸になったりはしないが。
それに加えて、弾丸なども補給済みであり――挑むタイミングを間違えた可能性も相手側にはあるのだろう。
「お前がネット上の炎上等を独自研究し、それを100%起きないようなシステムを構築しようとしていた事も――それにアカシックレコードを使用した事も」
『そこも知っているとなると、アカシックレコードEを見たと言うのか?』
「Eに関しては知らないが、既にネット上で該当リンクが公開されている。そこから話を知った」
『アカシックレコードEのリンクは、公開もご法度だったはず――』
「草加市としては太陽光発電、交通整備システム、次世代ふるさと納税――そうしたフィクションの世界にあるような物を、タダ同然で手にした」
『それらは特許を取って独占すべきではない事も、知っているだろう。超有名アイドル投資家――』
「残念ながら、俺は投資家ではない」
 投資家だと否定した人物は、迂闊にもガトリングガンを大和に向ける。
その一方で、大和も両肩の主砲を目の前の人物に向けた。お互いに発射態勢であるのは言うまでもない。
『投資家でないとしたら、あのシステムを特許で独占する等――』
「そうだろうな。あれを簡単に例えれば――有名な魔法少女シリーズの設定みたいなものか」
 予想外とも言える例えに大和は、声を詰まらせる。しかも、その発言に反撃も出来ない。
「大手イラストサイトで同系統の二次オリが増え始め、更にはモラルハザードやネット炎上等が――」
 その人物はガトリングの引き金を引こうとしたが、その直前で何者かの攻撃を受けてガトリングガンは封じられた。
そして、その方向を振り向いた人物の目の前にいたのは――5階建て位のビルの屋上にいた3人の人物だった。
「そこにいるのは誰だ!」
 相手勢力の別の男性がビルの屋上にいる人物に対して叫ぶ。
そして、そちらに向けて発砲をしようとしたのだが――。
「止めろ! それは明らかなフラグ行動だ――」
 ガトリングを構えた人物が別の男性に対して忠告した事で、何とか引き金を引く寸前で止める事には成功した。
どうやら、向こうもお約束やフラグに関して研究してきたようである。


 ビルの屋上にいた人物、それは天津風、飛龍丸ひりゅうまる明石零あかし・ぜろの3人であった。
今回の明石はアイオワから受け取ったアガートラームの技術を使用したSF北欧神話チックなブラックアーマーを装備している。
「まさか、超有名アイドルプロデューサー本人が来るとは――自らの超有名アイドルがデウス・エクス・マキナを超える存在と認めさせるために」
 天津風が展開したのはシールドビットであり、飛龍丸も同様の攻撃を展開――どうやら、今回は使用する武装を変えている可能性もあった。
その攻撃に気を取られている隙に、明石はブラックアーマーのブースターを展開、何と5階建てのビルから飛び降り――。
「馬鹿な――そんな事をすれば、怪我では済まないはずだ!」
 プロデューサーはARアーマーの能力を完全把握していない。それが、彼の決定的な敗北フラグを確定させた。
周囲の人物が迂闊にも立てようとしたフラグを一度クラッシュしたのに――また戻してしまったのである。
「テンプレフラグは――破る為にある!」
 明石の放った拳の一撃は、プロデューサーを気絶させるほどの衝撃波を発生させた。
そして、ある意味でも全ての決着はついたのかもしれない。


 アイドルプロデューサーの逮捕は、午後2時ごろの番組で一斉に報道される事となった。
しかし、このニュースでARゲームが中止に追い込まれる可能性もあるのでは――とネット上では、炎上寸前の阿鼻叫喚な展開が起ころうとして――。
『何も起こりはしないよ。壮大に何も始まらない――全ては超有名アイドルファンが自分達の欲望や利益を優先して、コンテンツを炎上させた段階で』
 センターモニターに時限装置でも付いていたかのように流れだしたメッセージ動画、そこに映し出されていた人物は何とビスマルクだった。
『あのときにも言ったはず。今度は同じことの繰り返しにならないように――我々が正さないといけないのかもしれない――と』
 あの時のメッセージ動画、ARゲームについて語った動画でビスマルクは確かに言っていた。
それを、あの動画を見た人間は思い出していた――かつての警告動画を見た人物達は。
彼女は同じ事を繰り返さないように――その元凶を断ち切ろうと大博打を仕掛けていたのである。
『こちらとしては、その役目を比叡アスカが別の目的で行おうとしていたのも、正直言うと驚きだったが』
 ビスマルクの一言、それは比叡ひえいアスカが何かの目的でネットを炎上させた事――それにも触れていた。


 一連の事件は加速度的に解決していくだろうが、一度起こってしまった事を取り消す事は出来ない。
「ネット神を迂闊に名乗り、その結果として――更にコンテンツ流通のガイドラインを閉鎖的にする」
 草加市内にあるビルのエントランス、そこで一連の動画を一挙視聴していたのは覆面をした人物だった。
彼はドラゴンの覆面をした議員等とは違い、別の事情で覆面をしている。彼の声も――実際には機械的なノイズが混ざっているようにも聞こえた。
「宣伝行為としてネット神の名前を広めようとした結果、自分達が犯罪を起こしていると自覚しない――全く、何をやっているのか」
 彼の名はネット神なのだが、コードネームとしてヴィザールを名乗っている。これに関してはネット上の一部の人間しか知らない。
それこそ、ビスマルクやアイオワ辺りしか認識していない可能性も高いだろう。
「この私がこれ以上かかわるのも、事態を悪化させる可能性があるかもしれないか」
 ヴィザールは覆面に手を賭ける事もなく、動画の視聴が終わった後にエントランスを後にした。
一連の事件を起こしたのは『良かれと思って宣伝をした』事が『大きなネット炎上を呼び込んだ』事――そう彼は結論を急いでいた様子である。
ネット炎上のないようなゲーム環境、それを構築するのは神運営でも難しいのだろう。
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