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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード12『次のステージへ、ゴングを鳴らせ!』

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エピソード12-5

2017年2月14日付:加筆調整、サブタイトル変更

 午前12時、大体のエリアが昼食休憩になっているのだが――とあるトラブルの影響で、17位~24位の上位戦が遅れていた。
下位戦の際、そのレースをトップで走っていたローマにアクシデントが発生、ゴールはしたものの2位通過となったのである。
2位通過と言う事で予選は通過し、決勝には進めるのだが――彼女は別の何かを疑っていた。
この審議をしている関係で、本来であれば11時30分頃には行われるはずだった上位戦が遅れている。
上位戦には比叡ひえいアスカが出場するのが決まっている為、この遅れに関してクレームが入ると思われたが――時間通り行われない事に関するクレームは少ない。
『先ほどのアクシデントに関して、違法なガジェットが使用されたという報告があり、審議を行っております』
 まさかの展開だった。アナウンスでも流れている通り、何と不正なガジェットが使用されたというのである。
不正ガジェットはレース前の段階で調べているが、それでも100%で発見出来る訳ではない。
精度自体は強化されている一方で、確実に取り締まる事は不可能である事も露呈した形だ。
「案の定か――やはり、緩和案を受け入れるべきではなかったのだ」
 ある黒服の一人がつぶやく。彼はスタッフと言う訳ではなく、ARゲーム運営のメンバーである。
彼は緩和案に関して反対の意見を述べていたが――それが受け入れられる事はなかった。
いつまでも保護的主義に走るべきではない――という案が圧倒的となり、現在の状態に至る。


 10分後、長い審議が終了し結果が報告された。その結果は、使用されたガジェットに不正アプリがインストールされていたという事らしい。
これによって1位となった選手が失格扱い、ローマは繰り上げ首位となる。しかし、それでローマが納得するかと言うと――。
「結局、不正アプリや違法ツールは使う人物がいる限りはなくならない――と言う事ね」
 不正アプリに関しては認められたが、それを他のレースや予選にさかのぼって調査する事は――ほぼ不可能と言ってもいい。
つまり、本来であれば順位としては下位のプレイヤーが不正アプリを使用して上位へ進出しているという可能性もある。
ローマの不満は、そこから来ていたと言ってもいいだろう。
「不正を行うプレイヤーは、どの世界にも存在し、頂点にたって優越感に浸る――どの世界でも同じ事は繰り返される」
 そして、ローマは決勝の準備をする為にアンテナショップのガレージへと向かった。
最終的に彼女が審議結果のアナウンスを全て聞く事はなかったと言う。
不正ガジェットを使用して失格となったプレイヤーは、案の定というか超有名アイドルファンだったという情報があるが――真相は不明だ。


 午前12時20分、他の会場でもローマが申告した不正アプリの一件が報告されたのだが、判断はそれぞれの会場に任せることとなった。
その後、リベッチオとヴェールヌイが参加していた会場では、決勝前に不正アプリの調査を行うと放送が入り、検査の結果――まさかの展開となる。
【予想通りと言うべきか――】
【例の不正アプリがネット上で噂になっていたが、ここまでとは】
【そこまでして、ARゲームで勝ったとしても何が残る?】
【イースポーツ化が言われていた際に賞金制度の話があった。それをにらんでの不正アプリだろう】
【それで、超有名アイドルに流れる資金源を確保しようと? それこそ馬鹿馬鹿しいと思わないのか】
【不正をして得た栄光なんて、化けの皮が剥がれれば地獄へ落ちる――CD大賞の買収疑惑のあった某芸能事務所も解散になった一件、忘れた訳ではないだろう?】
【結局、どのジャンルでも同じような事件は繰り返されると言う事か】
 つぶやきサイトの反応もテンプレ過ぎて、逆に言うと新鮮味がない。
まるで、まとめサイト等が意図的に何かを誘う為にマッチポンプを仕掛けているのがばれているようでもあった。
マッチポンプを疑う動きや自作自演のような流れが疑われたのは、今に始まった事ではないのだが――。


 午前12時30分、リベッチオとヴェールヌイが参加していた会場での結果が、予想外だった事に驚きを感じているのは――。
「やはり、アイドル投資家やまとめサイト勢力の様な存在を根絶するのは難しいという事か」
 タブレット端末で事の顛末を目撃していたのは、新交通で移動中の大和朱音やまと・あかねだった。
新交通でも草加まではいけない為、途中でバスに乗り換える必要性があるのだが――。
ちなみに、新交通と言っても電車に似たような物であり、立ち乗り専用ではなく座席もある。
大和は次の駅で降りる関係上もあって、座席に座らずに立っているのだが。
「あの時、彼女に遭遇するとは――」
 大和は駅で遭遇した人物の事を思い出していた。
彼女は、近くにあるゲーセンに用事があったようで――その際に大和と遭遇したと言うべきである。
「どちらにしても、急ぐべきなのはARゲーム全体の改革なのか――」
 AR全体の改革はプレイヤー自身も望んでいる事だろう。しかし、それは全員が思っている事ではない。
一部では現状の保護主義的なガイドラインがあってこその繁栄があった――と言う様な人物もいる。
運営サイドでも同じような意見を持っていた人間は存在し、ガイドラインの緩和は全体の3分の2の賛成意見で成立したと言ってもいい。
結局は100%の賛成で変えられるような事ではなかったのである。賛成する人間がいれば、反対する人間がいるのは――宿命なのか?


 大和が駅で新交通に乗ろうとエスカレーターへ向かう直前、そこで彼女が遭遇した人物はあきつまるだったのだ。
服装は別のガーディアンが使用している白い提督服と言う事もあり、最初は誰なのか分からなかったが――顔を見て何となく分かるレベルである。
「超有名アイドルファンは特定の芸能事務所が消滅したとしても――別のアイドルが生まれる事で、同じようなマナーを守らないファンが――そのループが続くでしょう」
 あきつ丸は大和に遭遇したと同時に、彼女に向かって何かを進言する。
忠告や警告の類なのかは分からないが――何かを察する事は可能だろうか?
「一つの事件が解決しても、また再び事件が起こると言う繰り返しはコンテンツ流通でも当然ある事。それらの意見を強制的に統一させる為に取った手段――それはディストピアと言うべきもの」
「あきつ丸――何が言いたい?」
 あきつ丸の言葉に対し、大和も思い当たる節を感じ取り――。
「過去にあった超有名アイドル商法に絡む事件――それと似たような事を行おうとしたのが、ARゲーム運営と言う事だ」
 それ以上の事を彼女が言う事はない。残りは自分で考えろ――と言わんばかりである。
ARゲームを出世の道具に見ている事は大和に限って言えばないのだが、他の運営スタッフも同じ事を思っているのかは分からない。
一体、あきつ丸は何を伝えようとしていたのか?
その後のあきつ丸はゲーセン方面へと去っていくのだが――大和がそれを引き留める事はしなかった。
他のARゲーマーもあきつ丸を目撃するが、それを引き止めなかったので――そう言う事なのかもしれない。
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