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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード11『強豪が集いしゲームフィールド』

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エピソード11-8

2017年2月10日付:加筆調整
 6月5日、あるつぶやきがネット炎上を更に加速させていくという流れを生み出してしまった。
【超有名アイドルこそ、ネット炎上と言う名の戦争を終結させるのだ!】
 このつぶやきは草加市全体だけでなく、関東全域や周辺エリアにも拡散していく事になり――事態は悪化の一途をたどる。
それこそ、下手をすれば国会を取り囲んだデモを超えるような大事件になるだろう。
現状の政治は芸能事務所AとBが影で操っているとアカシックレコード上で書かれ、更には芸能事務所Aのアイドルをメアリー・スーにした二次創作も拡散している。
それ程に、日本の現状はディストピア化していると言えるのかもしれない。
ネットを炎上させる事が事故欲求を満足させる――という展開は、やはり繰り返されてしまうのか?
「繰り返すのか――あの時の悲劇――」
 一連のタイムラインを確認して運営に通報していたのは、今までネット上にも大きな動きを見せていなかった明石零あかし・ぜろである。
彼女に関してはアカシックレコードEにアクセス出来ると言う疑惑もあるのだが、それはネット上の捏造とも言われており、真相は不明のままだ。
「やはり、実力行使しか現状を変える手段がないのか?」
 明石としてはこのカードを切りたくはなかった物、それは実力行使である。
既にアカシックレコードを使用している段階で、今更言えるような物なのか――と言う可能性もあるのだが、あれは物理的手段ではない。
物理的手段、それはARガジェットを使用した掃討作戦――それこそ、飛龍丸や天津風あまつかぜいのりに代表されるメンバーの取っている手段だ。


 午後2時、ある人物が竹ノ塚と谷塚近辺に展開されたARフィールドで戦闘を続けていた。
相手は数十人単位で1人の人物を集中砲火しているような構図だが、それさえも彼女に関しては関係がない。
相手の実力は、到底だが彼女に追いつけるようなレベルに到達しているとは言えないだろう。
相手側は、複数人が集まればレベルの差は関係ないと考えていたのかもしれないが。
「繰り返させない――血の惨劇にも似た、憎悪とも言える感情のぶつかり合うネット炎上を!」
 ARフィールドで戦っていた単独の人物、それは飛龍丸ひりゅうまるである。
彼女が以前に心当たりのあると考えていた勢力とは、悪目立ち勢力の残党やネット炎上予備軍――。
かつてローマが倒したと思われていた神と言う存在、過去に摘発されたネット神等の考えを唯一とし、超有名アイドルが自分達の都合よく操れるコンテンツと思っている。
その証拠が、実在アイドルをメアリー・スーとした夢小説等であり、小説サイトでは上位ランキングを独占している。
さすがに一次創作をメインにしている場所では実在アイドル物は二次創作と判定され、権利者削除されている現状だが――それさえも芸能事務所権力で変更というのは出来ない。
芸能事務所AとBのカリスマ性が失われ、海外からは芸能事務所2社を名指しして自由貿易の障害になっているとまで言われ、それがニュースになる事もある。
もはや、芸能事務所や悪目立ち勢力は世界中からも吐き気を催す邪悪として認定されていたと断言出来るのだ。
「しかし、比叡もだが――飛龍丸の情報も出てこないとは、どういう事なの?」
 飛龍丸の情報を拾おうとアカシックレコードにアクセスを試みたアイオワは、スパムと言えるようなデータばかりが検出される事に驚いていた。
その情報の中には飛龍丸の情報は存在しない。つまり、ネットを炎上させる為に飛龍丸の名前を隠しているとも感じられる状態にある。
「飛龍丸――彼女がアカシックレコードにアクセスできる人間の可能性も――?」
 飛龍丸の一件は一部の目撃者にしか確認されていないらしく、ネット上で正確な情報を拾う事は困難となっていた。
情報を披露と言う点ではつぶやきサイトやまとめサイトは論外だが、セキュリティが高い事でも知られる大手ウィキでも無理な状況である。
極めつけとしては、アカシックレコードでもスパムデータを拾ってくると言う状態になっていた。
 その理由として超有名アイドルファンやアイドル投資家が懸命に情報を改ざんし、それを拡散、更にはまとめサイトも情報を歪めている事も――原因の一つだった。
こうした情報工作がセキュリティの高い情報サイト等でも誤情報を拾ってくる原因となったのだが、その方法はネタバレと言う事でサイトには記されていない。
飛龍丸が何処に姿を見せ、どのような行動をしたのかさえも確認が困難――まとめサイト等に頼り切ると言う事の弊害と言うべきなのか?
しかし、今回行われた情報工作は、思わぬ逆効果を生む事になる。それが明確化したのが――。


 6月6日、芸能事務所AとBは揃って記者会見を行い、今後は埼玉県内でライブを含めたイベントを行わない事を発表した。
理由の詳細は言及しなかったが、悪質なチケットの転売屋や不正な手段で得た利益でCDを購入する集団が活動していた事を理由に挙げている。
彼らの言う不正な集団とは、言わずと知れたアイドル投資家の事なのだが――彼らは投資家とは言わなかった。
ここで投資家と言う単語を使うと、日本全体で目撃されている同種事件も同じ勢力の仕業と断定しかねないからである。
アイドル投資家の中には、芸能事務所を守るという理由で100億円規模のCD購入による買い支えをしている人物もいる為――そうした人物も犯罪者としない為による物らしい。
【今更一部の投資家を守ったとしても、結局は――それが実は政治家であるという事をネタバレしているような物】
【連中は自分達で本来守るべき物を自らネタバレしてしまったのだ。ある意味で自滅と言える】
【炎上させるエリアを埼玉県内辺りに絞り込めば、ここまでの事にならなかったが――今回ばかりはアイドル投資家の計算ミスだな】
【これで、超有名アイドルは商業的に失敗すると言う事を海外に発信した事になる】
【時代は加速度的に流行も変化していく。いつまでも過去の栄光に頼り続ける――それが芸能事務所が広告会社と組み、唯一神化を計画して失敗する――】
【それが政治家を巻き込み、更には個人ユーザーが自分の欲望を思うままに配信できる――そういう認識を与えてしまったのも失敗だな】
【日本のコンテンツ業界は気がつかない間に超有名アイドルが掌握する保護主義的な世界になっていたのだろう】
 各所のつぶやきでは、芸能事務所の失敗に関してがつぶやかれている。
失敗の原因は、大体がファン個人が自分の思うままに出来るコンテンツを求め、それが――と言う事なのだろう。
「まさか、ネタバレの正体が芸能事務所とは――別の意味でも笑い物だな」
 ある情報を探っていた大和朱音やまと・あかねは、谷塚駅近くのアンテナショップでコーラを片手に記者会見をセンターモニターで見ていた。
同じ記者会見を見ていたギャラリーからは芸能事務所が可哀想という意見もあった。
しかし、半数以上は欲望を爆発させたファンの暴走がクールジャパン戦略を根底から揺るがした事の罪は大きいと――ファンのモラルを問う意見が大多数だったのである。
「悪質なネット炎上勢の動きを止める為、どのような手段を取ったとしても解釈を歪めて拡散する人間がいる限りは、ネット炎上と言う名の争いは終わらない――」
 大和は周囲の人間に対して予想外の宣言を行う。これが別所のコピペなのかは置いておくとしても――その内容は間違いなく、芸能事務所だけに責任を押し付けるつぶやきユーザー等にも罪があると言わんばかりだ。
当然だが、この発言を行った大和も同じような罪に問われる可能性がある――とも補足した。
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