挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード11『強豪が集いしゲームフィールド』

110/137

エピソード11-4

2017年2月8日付:加筆調整
 午前11時5分、店の外から出てきたのはネット上でも有名なアイドル投資家である。
投資家セミナーを開いている事でも有名で、それが度々雑誌やテレビなどでも取り上げられていた。
その為、名前を知らなくても彼の顔は意外と知っている物である。ARゲームランカーの中には、目の敵にしている人物もいる位だ。
ただし、超有名アイドルの純粋なファンの中には、彼の存在を同じアイドルファンとして恥と思う者もいる――と補足しておく。
彼に関しては良い噂と言う物が存在しない。まとめサイトの管理人として敵視しているコンテンツを潰したり、超有名アイドルファン以外は――と言う様な過激発言もある。
こうした発言はつぶやきサイトで配信されているが、それらも即座に削除されるレベルの過激なものだ。
「誰かと思えば、あの魔女狩りでも有名な日向――」
 投資家の声を聞き、日向ひゅうがイオナがそちらの方を振り向く。
日向としては何としても彼の息の根を止めようとも考えているのだが、物理的に息の根を止めてしまっては命のやりとりやデスゲームを否定しているARゲームその物を否定しかねない。
「詐欺まがいの投資セミナーで莫大な金を稼ぎ、それを超有名アイドルに貢いでいるという噂も――」
 日向も投資家に対抗するかのように口を開く。何かを察した長門ながとクリスは日向から若干離れる事に。
「こちらとしては、こういう物もあるが」
 投資家がカバンから取り出したのは、何とARガジェットである。形状は違法ガジェットとは違う為、見た目こそは――。
しかし、そこから放たれた光線は――日向の頬を掠め、その背後で想像を絶するような爆発のエフェクト演出が発生する。
そのガジェットは、専用のチートプログラムがインストールされたARガジェットだった。これには、思わず遠くへ離れた長門も驚くしかない。
日向の頬に傷はない為、ARガジェットをリアル武器にする類のプログラムが入っている訳ではないのだが――それに匹敵するようなチートなのは間違いないだろう。
「それに加えて、こういう物もある」
 投資家が指をパチンと鳴らしたと同時に、日向の周囲に発生していたARフィールドが突如として爆発する。
これも爆発エフェクトの為、ARゲームに無関係な人間には見えないだけでなく、直接被害もない。
しかし、視覚的なプレッシャーを与える事は可能であり、一部のギャラリーが逃げまどう姿も――。
まるで、見えない爆弾が設置されているかのような光景には――日向も戦慄を覚える。
「何処かの軍事国家が採用しそうな装備を――悪趣味ね」
 これだけのARガジェットをどのように運用するのか、日向には大体の察しが付いている。
ARガジェットは、あくまでシミュレーションの一環として扱い、需要のある国に軍事技術として売り込もうと言う事なのだろう。
それで得た利益を超有名アイドルに貢ぐ――アカシックレコードに書かれているWEB小説には、このようなパターンの作品が異世界転生や異世界転移並に存在している。
「海外ではARゲームは、ゲーム以上の価値を見出していない。技術の売り込みなど、ゲームメーカー以外には交渉出来ないだろうな」
 投資家の方は、せっかく手に入れた技術も海外では高値で売れると言う事はない、とはっきり切り捨てる。
では、どういう運用を彼は行おうとしているのか?
「海外に売り込む訳ではないとすると、行うのは――」
「お察しの通りだ。この力を利用し、日本を裏で動かす! 超有名アイドルによる唯一神――デウス・エクス・マキナ構想を――」
 投資家が何かを言おうとした矢先、何者かに狙撃されたかのように投資家が倒れた。狙撃者も、おそらくは――。
日向が周囲をサーチするのだが、その反応にもない。一体、何が起こったのか?


 午前11時15分、2人の会話がかなり進んだ辺りでスナイパーは催眠弾の狙撃銃でピンポイント射撃を成功させる。
何故に催眠弾を使うのかは理由が不明だが――警察に投資家が尾行されていたのだろうか?
「結局、投資家連中は超有名アイドルによる世界征服と言うよりも、超有名アイドルを主役に――世界の巨悪を倒すようなシナリオを望んでいるのかもしれない」
 スナイパーライフルを折り畳み、日向の目の前に姿を見せた人物――それは、何と比叡ひえいアスカだった。
今回の比叡は別のARゲームで使用するガジェットを装備している。その為、アーマーのデザイン等はリズムゲームプラスパルクールとは大きく異なる。
余談ではあるが、彼女の狙撃銃はガーディアンが使用するタイプの物であり、市販品等ではない。
一体、何の目的で日向の目の前に姿を見せたのか? 日向も疑問に思う部分があった。
「それこそ、なおさら夢小説や二次創作の世界――あり得ない。それに、ARゲームで命のやりとりは禁止されているはず」
 日向は比叡の発言を無視するわけではないが、速攻で否定をする。
ただし、それを彼女に悟らせないように何とか言葉を選ぶ。おそらくはネット炎上を防ぐ意味合いがあるのだろう。
「その通りね。超有名アイドルが神となってこの世界を自在に操るなんて――二次創作や夢小説、それこそ妄想の世界。現実化するはずはない」
 比叡の方も言葉を選び、超有名アイドルのやろうとしている事を否定する。
彼女は今まで自分のやってきた事――今までの罪が消えるような事は思っていない。しかし、一部勢力に今までの行為が神化される位なら――とも考えている。
「超有名アイドルは、一部の自己満足勢力や私利私欲――それこそ政治家に利用され、世界征服の為のコマに利用される。だからこそ、そうした思想の連中はせん滅するべきだ」
「だからと言って強引に連中を駆逐するような事を行えば、ネット炎上勢力と同じ末路をたどる。だからこそ、私はガイドライン改訂を含めての提案をしたのよ」
「ガイドラインを変えた事で、ガーディアンや一部勢力にゆがみが生じ、それこそ新たな勢力を生み出すきっかけとなった。変えなければ、投資家連中を一掃できた」
「光と闇があるとすれば、光だけの世界や闇だけの世界はあり得ない――ネット炎上は、形を変えた戦争だったのかもしれない。意見の対立はあったとしても、それを悪化させれば――」
 2人の意見は似たような物だが、やり方に関しては対立している。
意見の対立自体は必ずと言っていいほどに起こるのだが、それを完全に無視して自分の意見だけを通そうと言う事は――あってはいけない。
「ネット炎上が悪化し、それをきっかけに命のやりとりをするデスゲームが起きれば、それこそ地球だけでなく銀河系は消滅する」
 比叡は何かを伝えようとも考えたが、それを伝えても今の日向では本来のメッセージの意味を変えてしまうだろう。
それを踏まえ、比叡は何も伝えずに別の場所へと向かった。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ