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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード11『強豪が集いしゲームフィールド』

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エピソード11

2017年2月8日付:加筆調整

 5月下旬ごろ、一連の解散ラッシュを週刊誌が冷静に特集するのだが、やはり売れるわけはなかった。
それ以外で過激な煽り文句も目立つような週刊誌は売れていると言う。
やはり、一部の勢力は超有名アイドルが日本を代表するコンテンツであると世界に向けて拡散したいのだろうか?
一方で迂闊な事を書いて謝罪会見を開いたり、雑誌の回収となれば会社に損害を与える為、迂闊な事を書く事が出来ないのかもしれない。
それを踏まえると、一部週刊誌の行動は本来であればタブーなのかもしれないが――何故、分かっていて出版をするのか?
【あのような発言がされたとしても、それは草加市内のみの話。それ以外のエリアでは、未だに超有名アイドルによる支配は続く】
【一連の解散ラッシュは――事務所の不祥事やアイドル側のトラブル、更には買収と言う話もある】
【正直に言えば、もっと別の何かも絡んでいると考えた方がいい。この件は、あれで決着した訳ではない】
【シリーズ物のヒーロー物、戦隊物でもひとつの巨悪が滅んだとしても――次の新シリーズでは地球が狙われる。それと同じ構図だ】
【結局は繰り返しが続くと言う事だな】
 草加市の外でつぶやかれているつぶやきのタイムライン、そこでは一連の事件が解決したのは草加市内のみあり、根本的な部分で解決はしていないと言う。
ジャパニーズマフィアが一掃されたとしても、超有名アイドルファンが代わりの位置にいる事――それは、根本的な部分が解決していない事の裏返しなのかもしれない。
『次のニュースです。アイドルグループJの解散が――』
 解散ラッシュに関して、ファンは見ているしかなかった。
抗議活動をしたとしても芸能事務所が方針を変えるようなケースはめったにないという事を過去の前例で知っていたからである。
芸能事務所の炎上マーケティングにファンを巻き込み、更には自分達の新人アイドルを売り込む為に――。
『今回の特集はアイドルグループ解散ラッシュについてです』
 こうしたやり方が繰り返される限り、日本では三次元アイドルが天下を取る事は不可能である――そうアカシックレコードでも断言される始末だ。
芸能事務所としては第4の壁と言う存在やオカルトは信じないのだが、ファンとしてはグループの解散を阻止できるのならば手段を選ばない的な心情になっている。
それでは、今までの炎上マーケティングや超有名アイドル商法と変わりないと言うのに。
【歴史を繰り返すな! 今度こそ、あのアイドルグループの悲劇を繰り返さない為にも――】
 だからこそ、別の角度で動くべきと言う趣旨のつぶやきを拡散するユーザーもいるのだが、それが炎上目的の反超有名アイドル勢力ではないという保証はない。
そう言ったやりとりも、数年前で見たような光景であり――結局、悲劇の連鎖を止めるまでには至らなかった。
止めたのは草加市と一部エリアのみであり、他のエリア全体を止めるまでには至っていない。
結局は、一部のマイナー勢力をメジャーに押し上げた程度の宣伝効果を生み出し――倒すべき炎上勢力を増やしてしまったというべきか。


 アイドル解散ラッシュは一週間で落ち着きを取り戻したが、こちらの炎上しかねないような状態は一週間では鎮火する気配がない。
超有名アイドル批判はネット上で炎上し続け、それこそマスコミが視聴率アップの為に取材を命じるほどだった。
しかし、この超有名アイドル批判がテレビで放送される事はなかった。
このような内容で視聴率が取れるわけがないという手のひら返しではなく、芸能事務所側の圧力があったという噂がある。
【まさか、芸能事務所がテレビ局の暴走を止めるとは】
【この系統のニュースを視聴者が求めていると認識される程――超有名アイドルは終わったと言うべきか】
【今となっては、アイドルグループと言ってもアニメやゲームのアイドルがメインになりつつあり、リアルのアイドルは受け入れられないという話もある】
【超有名アイドルの時代は終わる! そして、それで荒稼ぎしようと言う一部投資家や政治家の私利私欲のディストピアも――】
【アイドル投資家を法律で禁止するべき。彼らは、一歩間違えれば超有名アイドルで戦争を起こしかねない】
 つぶやきサイト上ではアイドル批判が続く。
それ程にコンテンツ流通に悲観的になっている勢力が多いのか――と言われると、絶望ばかりではないと。
「繰り返すのか――あの時の過ちを」
 一連のつぶやきを見ていたのは、大和朱音やまと・あかねである。
いつもの普段着と言える白衣にインナースーツと言う姿だが、姿を見せているのは足立区内のコンビニだった。
何故、足立区内に姿を見せていたのか――それは彼女にしか分からないと思われる。


 5月27日、パワードミュージックが新規バージョンアップとして『リズムゲームプラスパルクール』とタイトル変更しての再起動――それが今日である。
数多くのプレイヤーがアンテナショップに集まり、センターモニターにエントリー登録を行う行列も目撃されていた。
しかし、そこには比叡ひえいアスカや日向ひゅうがイオナ、明石零あかし・ぜろと言ったメンバーの姿がない。
あれだけの事件を起こした張本人と言う訳ではないが、比叡に対しての風当たりは最悪と言う訳ではない物の、ネット上の風評被害は想定以上の者があった。
現状のARゲームのガイドラインを変えただけでなく、更にはネット炎上を防いでいた例の部分さえも変えてしまったのである。
ここ数週間のネット炎上は、ガイドラインの変更に伴う物が大半で、このルールを変えなければ炎上を防げたと愚痴をこぼす者もいた。
「いつまでも守られているばかりが――ARゲームとは違うだろう」
 谷塚駅近くのアンテナショップに姿を見せたのは、黒マントに眼帯姿と言う木曾きそアスナである。
木曾の出現にギャラリーは沸く一方で、木曾自身は何か違うと言う感触もあった。
「――超有名アイドルコンテンツを無視し続ける事が可能だった過去は、比叡が打ち砕いた。我々がするべき事は、更なるコンテンツの盛り上がりを他の業界に見せる事。違うのか?」
 木曾の言う事も一理ある。今までは超有名アイドルを無視してても問題はないという位、内輪レベルでARゲームが盛り上がっていた。
しかし、今度はそうしたコンテンツ保護をメインとしたガイドラインはない。
ガーディアンが炎上前に魔女狩りを行う様な保護主義的な時代は――終わらせなければいけないという考えがあったのかもしれないだろう。
今までは拡散前に魔女狩りが行われていたのだが、今度はそうした行動は制限が賭けられる可能性が高い。
これからはARゲームのプレイヤーを題材としたBL本も同人イベントで見かけるかもしれないだろう。
ARゲームが原因のリアルファイト、暴力事件と言った物もニュースで報道される可能性もあるかもしれない。
『ARゲームはフィクションでありノンフィクションではない。フィクションである以上、事件や不祥事などは起こり得ない』
 この大原則は、既に比叡が崩してしまったのである。運営側も一連の鉄則を廃止する事は反対していたのだが――。
しかし、これが影響してARゲームの成長が阻害されているのも事実であり、ネット上でも大原則を緩和すべきと言う声も存在していた。
保護主義的な状況が生み出す物――それは今までのパワードミュージックの運営状況が物語るだろう。
「今度はお前達が、ARゲームの未来を守って行く時だと言える。いつまでも過去の栄光にすがるな! 平和を勝ち取る為に――ARゲームは新たなフィールドへ進出する!」
 木曾の宣言は周囲のギャラリーを含め、プレイヤーも鼓舞させた。
スタッフの中には、木曾の意見に反対する者もいるのだが――。
「なるほど――そう言う路線にシフトするのか」
 この状況を見ていたある勢力の人物がつぶやく。彼はARゲームに関するデータを回収しようとした産業スパイである。
しかし、こんな事をしても高く売れる情報ではないと判断し、既にクライアントには情報の価値がないと報告していた。
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