挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード10『決戦前夜!』

104/137

エピソード10-8

2017年2月6日付:加筆調整

 比叡ひえいアスカの目の前にあるスイーツ、それは見た目こそはたこ焼きに見えるのだが――実際は違う食べ物だった。
これはチョコ焼きといい、たこ焼きの生地に当たる部分はパンケーキらしい。中にはチョコが入っていると言うらしいが――。
「まさか、こういうスイーツがあるなんて」
 比叡は驚くのだが、中にはうどんやラーメンなどの様なスイーツに見えないような物もスイーツ化したりするので、その辺りは諦めている。
しかし、見た目はたこ焼きと思わなければ――そこそこいけるのだろう、と考えて――。
「熱っ」
 フォークで1個をすくい口に入れたのは良いが、中に入っていたチョコが熱く――どうやら、比叡は猫舌のようだ。
熱いと言っても、熱湯レベルのような物ではないのでやけどはしないのだが――。
その辺りは食べる前に注意事項がメニューに書かれていたりする。それを見なかった比叡が悪いのかもしれないが。


 一連の解散ラッシュに関しては、ネット上で言及されている芸能事務所の不祥事等が本当の原因なのか――それに対し、疑問を思う人物もいた。
【本当に芸能事務所の不祥事が原因なのか?】
【特定の事務所の圧力と考える人物もいるが、それは尚更あり得ないだろう】
【第4の壁で言及されている事案が、こちらに影響したと拡散しているつぶやきもあるが、それの信ぴょう性は非常に薄い】
【第4の壁は――いくらなんでも違うだろう。それは、フィクションの作品で言及された事件がノンフィクションとしてこちらの世界で起こっている事を意味する】
【第4の壁を認識など出来るはずがない。それが出来るのは――】
 つぶやきサイトの方も相変わらずだが、ある人物のつぶやきが数個あった。
第4の壁を認識出来る人物について言及したとされるつぶやきが、何とまるごと削除されていたのである。
まるごと削除と言うのは、あまり良い話ではない。これが一種の監視社会等を連想するからだ。
その為、コメントの一部が読み取れない部分が出るのが一般的なパターンである。それでもつぶやきが削られるのは、何かの陰謀を感じるだろう。
「第4の壁か。それを認識出来る人物がいると、一時期は話題になった事もあるが」
 そのタイムラインを見ていたのは、大和朱音やまと・あかねである。今回は、何故か眼鏡をかけているが――。
彼女もアカシックレコードEを検索していたのだが、その結果はアイオワと同様に0件である。
「アカシックレコードE、こちらも知らないようなシークレットコードがあると言うのか――ARゲームに」
 アカシックレコードを起動すればARゲームを掌握できる――と言う訳ではない。
しかし、ARゲームも元はアカシックレコードに記載されたデータが元になっている。
未確認のプログラムで掌握されるような懸念は存在するのだが、それがアカシックレコードEとは限らない。
大和もため息のひとつやふたつ出るほどに、この件は難航している。
それはARゲームに関係する人物で、アカシックレコードに関わっていれば――。


 その一方で、別のルートで真実にたどり着こうと考えている人物もいた。
「現実とは非情な物だが――これも、受け入れるべきか」
 ARアクションのフィールドに入る前の飛龍丸ひりゅうまるは、ARメットを被らずに準備をしている。
本来であればARメットを被り、正体を他人に見せないような人物――と思われたが、彼女の控室には1人しかいない。
「影の黒幕――そう思われていた存在が、最初からいないというのは」
 飛龍丸も最初は、この事実を目撃した時には言葉にならなかった。
今まで超有名アイドル勢力が黒幕と考えていた彼女にとっては、この事実を受け入れるのには非常に難しい物がある。
まさか、そう言う風に誘導されていた――ネット炎上ではよくあるような錯覚が、全ての元凶だったと言えるかもしれない。
こんな事が可能な人物と言えば、明石零あかし・ぜろと考えるのだが、それも違うと意外な人物から連絡を受けたのだ。
【黒幕と言う概念自体、最初から存在はしなかった。大手ウィキサイトにあるような編集合戦やネタバレ――そうした物が、全てを歪めていたのだろう】
【一部勢力が悪目立ちをしている現状を、あたかもその勢力がコンテンツ業界を崩壊させる元凶と言う風に仕向けた人物がいる】
【おそらくは、悪目立ち勢力と超有名アイドル投資家を同時に一掃し――ARゲームを守ろうとしている人物が、犯人かもしれない】
 このメッセージは比叡から送られて来たものだ。一体、どのような意図があって送ったのかは不明だが。
しかし、比叡も肝心な事を飛龍丸には伝えていない。それを伝えればこちらの意図を読まれてしまうからである。
「しかし、こうしたネットの情報を鵜呑みにして危険な行動をとるような人物がいる限り――」
 全ての元凶が人物ではなかったとしても、それを行うのは人間である。
最終的には情報が偽物であるかどうかは関係なく、ネットを炎上させてストレスを発散したり、自分の存在を周囲に知らせたり、悪目立ちをしてテレビに映ろうと考えるのだ。
「そして、コンテンツ流通で様々な障害が出るのは――避けられないか」
 テレビ番組の違法アップロード、それを違法と知らずに行う人間が多い。これも闇のアルバイトだろうか?
中には、超有名アイドルばかりが目立ち、解散してしまう様なアイドルの動画を芸能事務所に無断でアップロードする事例もある。
こうした犯罪行為をガーディアンは黙っていない。彼らは容赦なく、該当するような人間を逮捕していくだろう。
しかも、2次元以外のアイドルコンテンツは一掃すると言わんばかりの魔女狩りに悪用する勢力もいるのだ。
「様々な解釈を持つのは、個人の自由かもしれないが――それが風評被害を呼び込んだり、ネット炎上に加担する事も気づかなくてはいけない」
 飛龍丸は一連の啓発CMも一部勢力がコンテンツ狩りをする為に悪用し、それこそ超有名アイドルの芸能事務所と同じ事の繰り返しを行う――それを恐れていた。
それを踏まえれば、とあるCMのインパクトは想像を絶したのかもしれない。


 午後1時、比叡はアンテナショップに到着する。そこには自分の知っているような人物はいない。
逆に言えば、それが彼女にとっても都合がよかったのかもしれないだろう。
「ネット炎上勢力は――光と闇の闇にはなりえない。あれは、チートその物」
 自分が今まで見てきた物、自分が受けた妨害工作等――それを踏まえれば、ARゲームにも結局は自分だけが良ければよいというプレイヤーがいると言う事だ。
こうした悪質プレイヤーの排除、ルールを守って正しくゲームをプレイする人間が現れる事――それが彼女にとっての理想のゲームフィールドである。
【ルールを守ってこそ、正しいゲームは成立する。そのプレイに観客が声援を送る――それが理想のARゲーム】
【ルール無用のチートでも何でもありのゲームは、ゲームとは言えない。それは単なるWEB小説のメアリー・スーやチート無双に近いだろう】
【それに、ルールを無理やり作り変えてドヤ顔をするような勢力は――非BL作品をBL掠るような勢力と同じ――】
【正しい意味でコンテンツ流通を広めるためには、間違った広め方を改めなくてはいけない。それを主導するのは一部の芸能事務所や政府、私利私欲の塊ではない】
【だからと言って、ネット炎上や混乱を目的とした一部の悪目立ち勢力の無双を許す程――我々は甘くない】
 これらのコメントは、比叡が突き動かされるきっかけとなった物だが――何者かが書き変えた痕跡が存在する。
「ゲームはルールを守って、正しくプレイする物! ゲームで命を奪うのも――間違っている!」
 比叡のこの一言は、後に大きな流れを生み出すきっかけとなるとは――この段階では本人も知る由もなかった。
どんな事にもルールが存在し、それが守られるべきと比叡は考える。だからこそ――彼女は悩みつつも決断をしたのだ。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ