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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード10『決戦前夜!』

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エピソード10-7

2017年2月6日付:加筆調整

 アイオワが迫ろうとしたアカシックレコードEだったが、それを発見するには至らなかった。
アンテナショップのパソコンでも試そうとは考えた一方で、検索ログが閲覧できてしまうのでは――という懸念もあったのである。
「検索結果0件と言うのは――記事が存在しないのか、それとも――?」
 アイオワはARゲームに近い位置にあるサーバー経由でも情報が出てこなかった事について、本当に存在しないとも考えるようになる。
アカシックレコードにはA、B、C、Dの存在が確認されていたが、それとは別に更なるアカシックレコードの存在も示唆されていた。
ソレにアクセスした事のある人物が明石零あかし・ぜろとは限らないのだが――。
「アカシックレコードEとは、何だ?」
 長門ながとクリスの言う事も一理あるのだが、アイオワも単語以外は全く知らないという気配らしい。
それを発見できれば――事件の真相に近づける可能性がある、と言うだけであり、切り札になるかは不明だ。


 5月3日午前12時、また一つのアイドルグループの解散報道がニュースで流れた。
これで何組目だろうか――と考えるのを、ファンは既に止めている。
明日は我が身――と言えるかもしれない状況に、変わりはないのだから。
【既に5グループは解散している。理由はリストラと言う止む得ない物から、まとめサイトの炎上による物という物もある】
【何故、まとめサイトは超有名アイドルグループの擁護をしないのか?】
【下手に擁護すれば、芸能事務所から賄賂を受け取っていると言われる可能性も――】
【結局、自分たちの保身を優先すると言うのか】
【噂によると、政府が公認のアイドルグループを作り、そちらに全力を注ぐような話も――?】
【政府は、カジノよりも超有名アイドルで儲けようという考えを持っている可能性が高い】
【ならば、この解散ラッシュを止める方が先じゃないのか?】
【解散ラッシュは、それぞれのグループに不祥事等がある事を意味している。そう言った事がないグループは、そのまま残るはず】
【結局は政府に賄賂を流して――】
 タイムラインの流れの中で、一部の不適切なワードは削除されているのだが――そのやり方にも限界が来ていた。
おそらく、超有名アイドル勢力も証と似たような能力を持っている可能性が否定できない。
『次のニュースです。日本の観光地アンケートで、行きたい場所として埼玉県草加市が1位となりました』
 自分の部屋でニュースを見ていたビスマルクも、このニュースを聞いた時はテレビ画面を二度見した。
理由に関しては、ニュースによるとARゲームが観光客に人気と言う事だが、特にパワードミュージックだけが人気と言う訳ではなかった。
当然と言われれば当然だが、ニュースの映像としてはAR対戦格闘やリズムゲームが使われ、ARパルクールも少しだけ映っていたが、パワードミュージックではない。
ARゲーム以外にもゲーセンやアニメグッズを扱う専門店が映し出されていたので、決してARゲームだけではないようだ。
しかし、電車でも高速鉄道関連がないような場所に――何故、観光客が集まるのか?
交通が不便でも、そこへたどり着いて得られる物が大きいという事かもしれない。
「これが良い方向に傾くのか――」
 ビスマルクは、本当にARゲームが日本経済にとってプラスになるのか――ニュースの報道を見て、改めて考え直そうと思った。
ネット上では超有名アイドルの勢いが完全に失墜したとは言えず、まだ炎上する可能性は否定できない。
果たして、ARゲームはどのような方向へ進化しようと言うのだろうか?


 午後1時、竹ノ塚駅に私服姿で現れたのは、比叡ひえいアスカだった。
「特にゲリラロケテ等もない――のかな?」
 比叡が周囲を見回していたのは、駅近くのARゲームフィールドである。
ここは商店街も併設されており、客足が全くない時は整備などで一部エリアが休業になるときだけだろう。
それでも店舗によっては、その方が行列を作っていたりするので――ARゲームが経済的にプラスとなっているとは限らないケースに当たる。
今回は、フィールドがメンテの際に行列が出来ると言うスイーツ店――そこに50人単位の行列が出来ていた。
このスイーツ店に興味がある訳ではないのだが、せっかくなので列に並ぶ。しばらくすればゲリラロケテ等の方にも動きが出ると考えていたのである。


 10分が経過し、比叡は気が付くと店前に到着した。スマホ操作をしながらではないのだが――あっという間である。
行列は10メートル位だったのだろうか――いまいち感覚がつかめないでいた。
他の店舗と紛れる事はないのだが、並び方としてはマナーが守れているかは疑わしい。
店内に入った比叡は奥のテーブル席が空いているので、そこに座る事にした。それ以外の客は比較的にテイクアウトが多い。
テイクアウト専門店ではないのだが、テーブル数などを踏まえると自然な流れとしてテイクアウトが多く、自宅やアンテナショップで食べると言うケースが多いのだろう。
「ご注文は?」
 そこにいたのは、メイド服姿の身長170位の女性なのだが――比叡には見覚えがないようにも見える。
実は、髪の色なども微妙に違うと言うか――決定的な特徴がない為に気付かないと言うべきだろう。
比叡も最初は誰なのか全く気付かなかった。他のお客も気づいていないので、そう言う事なのだろうか。
「レモネードと、この焼きチョコを――」
 比叡は素で気づかない状態のまま、注文をするのだが――実は、さりげなく1品だけ注文ミスをしている事に気付かない。
メニューに指を指して注文した事もあって、一見すると間違ってはいないようだが、比叡はメニュー名を間違えていたのである。
おそらく、メイド服姿の女性を見て何か思う所があったのだろう。さりげなく、肩で笑っているようにも見える。
しばらくして――比叡は正体に気付いたのだ。何故、あの段階で気づかなかったのか?


 5分後、最初にテーブルへ運ばれて来たのはタンブラーに入った特製レモネード、揚げたてフライドポテトのてりやきソース味である。
ポテトに関してはチョコソース等も存在するのだが、こちらは注文を間違えていない。そして、比叡の方もタブレット端末でネットを閲覧し始めた。
ネット閲覧は禁止されてはいないのだが、混雑状況によっては制限される事もある。今回はテイクアウトが多いので、そう言った流れはないようだが。
「ふむ――悪くない味だな」
 ストローはなく、そのままタンブラーに口を付けてレモネードを飲む比叡は、弱炭酸のレモネードに少し驚きつつも、ネットで情報を探していた。
【今回はゲリラロケテはないのか?】
【西新井でリズムゲームのロケテがあるようだが、特に目新しい物ではない】
【舎人方面でレースゲームのロケテがあるが、これはゲリラではないのか。高速道路も使うと言う事で、200人以上が来ている話も――】
【しかし、今回は竹ノ塚方面のゲリラロケテがないのか】
【ゲーセンの方で格ゲーのロケテが行われているのは知っているが――それ以外でもキッズ向けカードゲームもロケテをしているのを大型スーパーで見た】
 一連のタイムラインを見るが、今回は空振りだったようだ。
ゲリラロケテはARゲームでも毎度恒例となっており、こうしたロケテスト形式でユーザーへのサプライズを行い、ファンを驚かせる――。
しかし、一連の超有名アイドル商法を巡る事件や襲撃者、更にはネット炎上――こうした事件が、ARゲームへの風評被害を広めているのかもしれない。


 更に5分が経過した所で、メイド服を着た女性が何かを持ってきた。湯気が出ている訳ではないが、出来たてと言う事の様である。
この出来たてをテイクアウトするのが、竹ノ塚ではスタンダードになっていると言うべきか。
各所のスイーツレビューでも高いポイントを獲得しており、草加市内でも同じ物を販売している店がいくつか存在するスイーツ、それは――。
「お待たせしました。チョコ焼きです」
 比叡のテーブルに置かれたのは、見た目がたこ焼きである。
ソースがはちみつ、青のりがチョコチップに変わったようだが――湯気が見えるとたこ焼きと間違えるだろう。
普通は割り箸か楊枝で食べるような物だが、ここではフォークが用意されている。
「えっ!?」
 思わず、メイド服の人物に聞き直そうとした所で――比叡は目の前の人物をようやく自覚した。
胸の名札には分かりやすく、名前が平仮名で書かれていたのである。しかも、丸文字風に――。
「まさか――木曾、アスナ?」
 実は、このメイド服のアルバイトは――木曾きそアスナだったのである。
今回は色々と事情があって、このスイーツ店の臨時バイトをしていた。名札の名前も『きそ』と書かれている。
何故、注文のタイミングで気づかなかったのか。木曾と言うとアカシックレコードでも同じ名字を名乗る人物がいた。
それらを踏まえると――コスプレイヤー説もあり得ない訳ではなかったのだが。
「注文した時、指差していたのは――間違いなく、このメニューだ」
 木曾の一言を聞き、メニューを再確認する。どうやら、自分で注文したメニューを微妙にミスしたらしい。
「まぁ――ここでは人気のスイーツだからな。味は保証する。自分も食べた事はあるし」
 その後、木曾は別の客に注文を聞く為、この場を離れる。若干、顔を赤くしていたようだが――。
色々な意味でもその場から逃げたとも考えられるが――あえて気にしては負けだろう。
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