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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード10『決戦前夜!』

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エピソード10-6

2017年2月6日付:加筆調整
 午前11時40分――改めて記者会見の場面へ戻る。
ニュース番組等では、その詳細が語られる事がなかったのには理由があった。
その理由とは――特殊ジャミングを何者かに展開されていた事にある。
記者会見場にいるのは、一部のカメラマンと正体を見せた西雲響にしぐも・ひびき、記者会見の司会のみ。
既に社長と思われていた人物の姿は消えている。隠れている訳ではなく、文字通り消えているのだ。
どうやら、西雲の言う通りにARアバターを表示していただけらしい。
しかし、あの謝罪会見の台詞はどうやって――と思われるが、おそらくは想定していたシナリオをベースに人工知能で考えさせた結果なのだろう。
「あのシナリオを考えていたのは――貴様か」
 西雲が遂にはARガジェットを展開し、チェーンソーブレードを構える。
チェーンソーと言っても工業的に使用されるような物ではなく、SFチックな仕様になっているように見えた。
チェーンソー刃の部分はビームのようにも見えるが――これはARゲーム的な仕様である。
『こちらとしては――あの事務所だけが注目されるのがおかしいのだ!』
 司会進行の人物は、ここぞとばかりにARアバターを召喚して西雲を取り囲むのだが――動じる事はない。
「芸能事務所が永久不変で、全世界を掌握し続ける――それこそ苦痛だ。守られるべきルールも平気で破るような勢力に――」
 次の瞬間、西雲のチェーンソーブレードが回転、瞬時にして周囲のARアバターモブを消滅させた。
『超有名アイドルこそ日本が誇るコンテンツ――唯一無二の存在だと言うのに! そして、超有名アイドル以外の――』
 司会の人物は他にも何かを言おうとしていたのだが、西雲のチェーンソーブレードの一閃で沈黙する。
この場合の沈黙とは、ARデュエルでの敗北であり――いわゆるデスゲーム的な決着ではない。
「守られるべきルールを簡単に破るようなルールブレイカーがARゲームを語るなど――片腹痛いわ」
 西雲は周囲に誰もいなくなっている事を確認し、会見会場を後にした。
その数分後には警察が駆けつけるのだが、その際は司会進行の人物と一部スタッフしかいなかったのである。
警察が駆けつける前にガーディアンが証拠隠滅を行った訳ではなく、実際に警察が先に到着をしたのだ。
ガーディアンは、警察が去った後に調査をしたという情報があるのだが――詳細は定かではない。
「この私、ヴェールヌイがいる限りは――ルールブレイカーを認めない」
 西雲響、その正体はヴェールヌイと言う一人の女性だった。しかし、彼女の本当の職業は明らかではない。
ニートの様な職業ではないようだが――ネット上では元アイドル説なども存在している。、
おそらく、アカシックレコードに書かれている同名人物――そちらと同一人物の可能性を考えているのだろうか?


 その後、この一部スタッフが超有名アイドル競争自体がマッチポンプである事を公表し、芸能事務所AとB以外の事務所に所属するアイドルは次々と解散する流れとなった。
その中には声優アイドルは含まれておらず、それ以外にも歌い手や踊り手等も対象外だったと言う。
あくまでもマッチポンプに加担した芸能事務所に限定されていた。
『ARゲームコンテンツが海外進出する為、超有名アイドルをかませ犬にしようとしている。その手始めに超有名アイドルを強制的に解散させている』
 この報道が流れるようになったのは、一連の検挙から2日経過した辺りである。
しかし、この事件はARゲーム運営等の耳には入っていなかった。
それだけ上手く情報が伝達しないように裏工作をしていたと思われる。
「マッチポンプ騒動が大きな山場と言う訳ではない」
「こちらとしても、連中に任せすぎるのは問題か」
「ガーディアン、ARゲーム運営、アイドル投資家――どちらもやりすぎたのだ」
「何としても、海外に輸出できるようなコンテンツを生み出すのが必須――」
「向こうも一部勢力の仕業と考えている。こちらの足が付く事はないだろう」
 ある料亭、そこでは大物政治家の秘密会談が行われていた。
その内容は――コンテンツ業界に関する事だったのである。
改めて話が書き記された事で、今回の事実が判明したのか――それは不明だが、ある出来事をきっかけに事情が変わったのかもしれない。
「襲撃事件の時は、どうなるかと思いましたが――」
 政治家の一人がヴェールヌイのの襲撃事件に触れる。周囲がざわつく事はなかったが、触れられてはいけない事に変わりはなかった様子。
その後の会談は黙り込む訳ではなかったが、周囲を警戒しての会談となったようだ。
「我々としては、賢者の石に変わるビジネススタイルを確立しなくては――生き残れないのです」
 最後に、眼鏡をかけた政治家の一人がつぶやく。賢者の石とは超有名アイドル商法の事のようだが、それに代わるビジネススタイルが見つかるのか?
疑問符が残るような秘密会談は1時間で終了したという。


 5月3日、一連の報道が流れる前になるが、アイオワがある人物の謎に迫ろうとしていた。
「明石零――本当に彼女はアカシックレコードへアクセス出来るのか?」
 ネットカフェではデータ検索をするのは間違いなく別の勢力に探られる可能性が高い。
アンテナショップでもアカシックレコード関係を探れない関係があり、彼女がパソコンを使用している場所は――。
「今回はお前の言う事を信じるが――何をする気だ?」
 草加駅の某所にあるシークレットサーバールーム――そこに立ち会っていたのは提督服姿の長門ながとクリスである。
シークレットサーバールームはARFPSで使用するフィールドを生成する為に用意したフィールドでもあり、この場所は一部メンバー以外には秘密となっていた。
アイオワは、事前に長門とコンタクトを取って――この場所を借りる事に成功したのである。
ARFPSに関してはサーバー管理もプレイヤーが担当する事もあり、こうした離れ業が可能だったと言えるのだが――。
「アカシックレコードは複数存在する。それはネット上でも何度も言及されているし、その内の3つはARゲームでも利用されている」
 アイオワは明石の使用している物がネットで知られているアカシックレコードとは別の物――そう考えていた。
そうでなければ、ネット炎上を瞬時で消火するのは不可能だと考えていたからである。
ここは現実世界――魔法技術が発展しているような世界でもなければ、ファンタジー技術が流通しているような日本でもない。
その為、どう転んでも明石がやっているネット炎症の鎮火は、アカシックレコードを使っていると明らかだ。
「確かに、いくらなんでも魔法が使われているような状況ではなかった。それに、この世界で魔法とか――あり得ないだろう」
 長門はファンタジー的な魔法を全く信じないわけではないが、明石の行っている行動には、そうした概念とは別の存在が働いていると――そう考えていた。
そのトリックを破る事こそ、一連の事件が解決に向かう為に必要――とアイオワに説得されたのである。
最初は馬鹿馬鹿しいと長門は考えた。しかし、最終的にはアイオワの話を聞き入れて――今回のサーバーを貸す事になったのだろう。
【アカシックレコードE】
 アイオワがブラウザの検索ワードに入れたのは、アカシックレコードEと言う名のアカシックレコードだった。
それがコードネームなのか、サーバーネームなのかは分からない。未知の単語であるのは間違いないだろうか。
「これが発見できれば、明石の正体も――!?」
 パソコンのエンターキーを静かに押したアイオワが画面で見た物、それは衝撃的な結果だった。
「検索結果0だと?」
 その結果には長門の方も驚いていた。
何と、検索結果は0と表示され、この世界には存在しない事が証明されてしまったのである。
アカシックレコードE、それは本当に存在しないのか? 疑問は深まるばかりだ。
「別のワードを組み合わせる必要性があるのか?」
 その後もアイオワは考えられる単語を組み合わせてアカシックレコードEを探った。
しかし、結果は変わらない。検索の結果としては0件のままだったのである。
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