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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

プロローグ

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プロローグ

12月19日付:加筆バージョンに変更いたしました。
 西暦2019年4月9日、動画サイトにある動画がアップされた。
この動画はある種の問題提起をしているのではないか――とネット上では言及されている。
その内容を巡っては賛否両論あり――これがネット炎上の火種になる可能性も懸念していた。
その動画内容は、以下の通りだが――この動画を若干短縮したバージョンも出回っている噂もある。
しかし、それでは内容が伝わらない可能性は高いだろう。
下手に一部をカットすれば、発言を歪めたとしてネットが炎上するのも否定できない。
それを踏まえ、ここでは本家動画を流す事にする。


 私の名前はビスマルク――あるARゲームに関して調査をしている。
それ以外にもARゲームを正しい方向へ向かわせる為の活動もしているが――そちらは別の機会にでも語ろう。


 西暦2019年4月9日、ARゲームのアンテナショップである作品の情報が解禁された。
その作品の名は『パワードミュージック』、名称だけは知っていたユーザーもいたのだが、その詳細が判明したのはこの日である。
自分も4月1日の段階ではシステム解説を見てもARゲームのソレとは大きく趣向が違っていた。
システムとしてはARパルクールと言うパルクールにも似た競技にリズムゲーム――要するに音楽ゲームを足した物と言える。


 ARパルクールのシステムは、基本的に市街地を舞台にスタートラインからゴールへ辿り着く事が目標とされている。
コースに関しては大まかな物しか存在せず、中には駅の構内や商店街、ショッピングモールの中を走る物だってある位だ。
こうしたコースに関してはパルクールの基本理念からするとアクロバットとして認められていないケースが多いだろう。
しかし、それでもARゲームの場合はARアーマーと言う特殊素材を使用し、拡張現実技術を最大限に利用した安全対策が施されている――。
ARゲームの専用インナースーツを装着し、データを読み込ませる事で特撮ヒーローや魔法少女、西洋の騎士等に変身する事が可能で、それらの映像がそのままアーマーとしてプレイヤーを守る仕組みだ。
これほどの装備がゲームに必要なのかと言われると疑問を抱くゲーマーもいるかもしれないが、安全対策の為にも止む得ないのかもしれない。
遊園地やテーマパークでも事故が確実に起こらないとは言えないだろう。それを考慮しての対策――と言えるかもしれない。


 これだけの重装備がプレイする際に必要なARゲーム、それを科学の力を超えた代物と表現するネット住民もいるだろう。
どう考えても、これを魔法と言うユーザーは多いのは明白である。しかし、ARゲームの技術は、それを可能に――してしまったのだ。
フィクションの世界の存在だったヒーローに誰もがなれる――という触れ込みでARゲームは爆発的にとは言わないが、それなりにヒットした。
そうした技術の発展がさまざまな分野に還元され、ARゲームも市民権を得ているのが――この世界の現状。
それを踏まえてARゲームを町おこしやコンテンツ流通等に利用しようと言う関係者は多いだろう。


 話を元に戻す。『パワードミュージック』のシステムでリズムゲームを思わせる要素は、使用するコントローラーでゲームフィールドに出現するノーツを叩くことだ。
叩くだけではなく、撃破する、接触する、通過する――と言った行動でも可能らしいが、よくは分かっていない。
ゲームフィールドの外ではノーツが発生しないので、一時期問題化した某作品の様な事はないと思うが――筺体クラッシャーが心配だな。
肝心の筺体に関して調べようとしたら、その画像は何処にもなかった。受付代わりのセンターモニターとなる筺体写真は確認出来るが――どういう事なのか?
簡単に言えば、エイプリルフールのネタとして一時期的なブームだけで終わるのを恐れたというのもあるだろうか?
一見しただけで内容を理解しろと言うのは酷なのかもしれない。


 その一方で、さまざまなARゲームが草加市周辺で正式稼働され、リリースラッシュとなった。
ARゲームでは一般的なFPS、TPS、更にはイースポーツ化の話がある格ゲーもそうだな。
リズムゲームも『パワードミュージック』以外で複数確認出来るが――どれも敷居は低くされており、『パワードミュージック』よりはユーザーが集まりそうだ。
しかし、ARゲームに関しては過去に様々な事件もあっただけに、ネット炎上を含めてコントロールが出来ていない現状も――ゼロではないが、存在したのは事実だろう。
その中で唯一コントロールを可能にしていたのが草加市、そのノウハウを得ようと各都道府県から職員が派遣される事態にもなっていた。
実際、2月や3月には多くの職員の姿を草加市で目撃したという事例があって、不正行為が減ったというニュースもある。
こうした部分からすると、職員が大量に押し寄せたのはマイナスではなかったという事かもしれない。


 その草加市なのだが、実は2019年よりも以前から準備を行っており、情報のコントロールも容易でなかったと当時のニュースでは書かれている。
自分もさまざまな媒体から情報を仕入れているが、ネット上のニュースが大半で、テレビや雑誌と言った物では取り上げられた事例は少数しかない。
こうした噂などもネット上の情報と言う事もあり、あっさりと受け入れられるかどうかは――今回の一件とは別の話だろう。
自分も正確なソースがないニュースは信じない。それ程、ネット炎上事件が起こした悲劇は計り知れない。
水面下でARゲームに関してのガイドラインや整備を行っていたエリアとしては、竹ノ塚、西新井、秋葉原、北千住等――皆無という訳でもなかったが、これらの事実は知っているユーザーが少ないのが現実だ。


 これらの事例がニュースで大きく取り上げられたという事は報告されていない――。
その理由は別の勢力が情報操作をしていた可能性も言われていて、自分も調査をしている所だ。
理由の一つとしてネット上で取り上げられているのは、政府が超有名アイドルコンテンツを大々的に宣伝する為、東京で行う予定の国際スポーツ大会とタイアップしようと言う計画書が存在した事である。
この計画自体は別の所から流出したとも言われているのだが――週刊誌報道でも出所まで報道している物は、確認できていない。
このニュースが大きく報道され、一部テレビ局以外ではARゲームの話題を取り上げることはなく――報道バラエティー番組は、このニュース一色と言ってもいいような状態になった。
それこそ、まとめサイトや炎上サイト等が堂々と動いて世論を誘導する位には――と言うのは、あくまでも憶測でしかない。
残念ながら、その証拠をこちらも掴んでいない以上、自分も下手に話事は出来ない。さっきの事は忘れてくれ。
そうした事情もあって、ARゲームの話題はニュースと言ってもネット上をにぎわせる位程度に終わった――という記事もあるらしい。


 そう言った日本のコンテンツ流通の背景もあってか、草加市の行ったARゲームによる町おこしは周囲から大注目されている。
過去にもVRゲーム等で町おこしを考えようと言う動きはあり、一定の評価を得た地域もあったが、周辺住民から理解される事はなかった。
だからこそ、今回の事例は成功させるべきなのだと思う。


 自分が話せることは全てだ。
全ては繰り返されるのか――アカシックレコードというレールの上で。
だからこそ、今度は同じことの繰り返しにならないように――我々が正さないといけないのかもしれない。
ARゲームは――本来であれば過去にはグレーゾーンと言われていたようなゲーム技術を利用したもん度得あり、それに罪悪感を持つ人物もいる。
こうした議論はネット上で炎上の種として、既にアフィリエイト系まとめサイト等で悪用されてしまっている――。
繰り返しになるのだが、我々がARゲームを利用して悪しきコンテンツ流通や超有名アイドル商法を止めなくてはいけないのだ。


 動画は、ここで終了している。再生されている間に流れたコメントは大抵が、彼女の発言を半信半疑で考えている物ばかり。
彼女の発言を鵜呑みにして拡散しようと言う人間はいない。そんな事をすれば――ネット炎上をする事が避けられないからだ。
鵜呑みにしたとしても、被害妄想と言う事で片づけられてしまう可能性は非常に高いだろう。
実際、ネット上でも似たような扱いで片づけ――。
そんな繰り返しが展開されているのが、この世界なのかもしれない。


 動画の投稿者の名前はビスマルク――ネット上では何かの偶然を懸念していた。
【鉄血のビスマルクか?】
【まさか? それは偶然の一致だ】
【動画のキャプション文にも――ただのビスマルクと書かれている】
【創作作品でもビスマルクの名前は多く目撃されている以上、偶然と言うべき可能性は高いが】
【本当に偶然なのか――?】
 ネット上では、ビスマルクと言うハンドルネームにも疑問を思う個所があった。


 西暦2019年、技術革新があったとしても1980年代等の漫画にあった二十一世紀は訪れなかった。
日本でも同じような物であるが、唯一の違いがあるとすれば耐震等を含めた自然災害対策が劇的進歩を遂げている部分だろうか。
そうした技術革新は歴史の教科書でも学ぶ事が出来るだろうが――今は、その話題とは違う話題に触れる事にする。
「ARゲーム――ここまでの物になるとは、我々も予想外だ」
 都内某所の芸能事務所、その会議室では何かの戦略会議を行っているようでもあった。
「2、3年前であれば我々アイドルの方が売れると断言できますが、今となっては――」
 複数の芸能事務所から担当のプロデューサーが、この芸能事務所に集まっているようであった。
全員が同じような背広姿ではないが――服装によって芸能事務所の善し悪しが分かる訳ではないだろう。
「いっそのこと、金の力で潰しますか?」
 ある男性プロデューサーの一言を聞き、周囲が凍りついた。
それ程に彼の発言が地雷になっているのは言うまでもないのだが、逆に言えば逆転の一手でもある。
「今となってはアイドルが出過ぎた為に、活動が目立たないようなアイドルも存在している。何とか、活動出来る場所があれば――」
「そこで、ARゲームですよ」
「我々が敵視していたジャンルに――アイドルを派遣すると言うのか?」
「その通りです。我々は、日本でテロを起こそうと言う訳ではありません。あくまでも――芸能活動をするだけです」
 会議はその後も続くのだが――あるプロデューサー1人に主導権を握られているのは、誰の目から見ても明らかなのは言うまでもない。
この会議での決定事項はネット上に漏れる事はなかった。そんな事をすれば、今や国家予算匹敵するようなビジネスチャンスを捨てるような物である。
しかし、仮にそうした情報が週刊誌で報道されたとしても『三文小説』と切り捨てられるのは、目に見えているようなレベルの計画であり、芸能人の不倫等と比べると注目度は低い。
こうした事情も――超有名アイドル商法を悪だと断罪しようとしても、切り捨てが出来ないという現状である。


 一方で、ARガジェットに関しては憶測で多数の噂が存在する。
ネット上の都市伝説として言及されている古代ARゲーム、人には扱えないようなスペックを持ったガジェット――そう言った話は目撃例が多い。
「不正ガジェットか――」
 草加駅に姿を見せたのは、黒い提督を思わせるARガーディアン――その辺りを知らない観光客はコスプレイヤーと勘違いし、写真をスマホで取ろうとするが――。
「写真が撮れない?」
 ある観光客が驚きのあまりに声を出す。
草加市内では一部のARゲームを展開しているエリアでは不具合発生を防ぐという理由で、携帯電話の電波が県外になる場所が存在している。
それを知らない人物がスマホで写真を取ろうとしたら、撮影に失敗したのだ。
しかし、ガーディアンは写真を取ろうとした観光客よりも、別の場所で検出された不正データの方に興味を持っていた。
「どうやら、草加駅の近辺で不正データが反応されたらしい。まずは、そちらへ向かう」
 既に複数の部隊で姿を見せており、その何人かが指示された場所へと向かった。
彼女たちの目的は不正ガジェットの摘発である。不正ガジェットには賞金がかけられており、そうしたガジェットを専門にハントしているゲーマーもいる程。


 舞台は埼玉県草加市――ARゲームのコンテンツ流通を正常化しようと動きだす勢力は複数存在している。
彼女達による行動は、過激派のソレともネット上では言及されていた。
こうした動きに対してARゲーム運営は頭を痛めている。他の地域の迷惑になるとも考えている可能性が高い。
「ARゲームねぇ――」
 メイド服姿でも、メイドカフェのスタッフと認識され、ここでは特に注意されない。
髪型は黒のロングでメカクレ。身長は170センチ、貧乳という気配のする体格の女性は草加駅前の電光掲示板を見つめていた。
「やっぱり、ゲームにトラブルはつきもの――これだけは避けられないのかなぁ」
 彼女が頭を抱えたくなったのは、今まで自分が見てきたゲームのトラブルの数々だった。
それだけでも列挙しきれないほどのレベルであり、両手の指で数えるのも困難かもしれない。
「これから、どうしようか――?」
 天津風あまつかぜいのり、彼女が電光掲示板を見つめていた際に何か大きな爆音がした。
その方向を振り向くと、そこにはARゲームが行われていたのである。
しかも、周辺の住民からすれば騒音で警察を呼ばれそうな――リズムゲームだ。
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