たけしはものすごいスピードで走っていた。中国の公安当局に追われてる。北京の街頭で電撃的にフリーチベットTシャツを売っていたら案の定こうなった。
「はぁはぁはぁ」
たけしは、こけた。
「いてえ」
北京警察に捕まりそう。
何くそ!
また駆け出す。
しかし、全然その時は気づいていなかった。
たけしがこけた時、ガラスのハイヒールを片方落としていったことを。
たけしは何とか逃げきった。そして何食わぬ顔でホテルに入っていった。
しかし、案の定というか何というか、ホテルの中に北京警察がいる。
「うわ。あいつらか。しつけえな!」
妙なことをやってる。
「このガラスのハイヒール履いてみるあるよ」
お客たちに威圧的な口調で命令してる。
「ひいいい」
たけしは今気づいた。
や、やべえ。オレ、落としてきちゃったんだ。
どっきどっき。
「ほい。次履くある」
「まったく、何だよお前らは」
ばばばばばばばばばば。
白人の客がマシンガンで撃たれた。
「うぎゃああああああ」
バカめ。ここはヨーロッパじゃないんだぞ。
次々とお客がハイヒールを履いていく。でも、みんななかなかサイズが合わない。
「ひいいい。もうすぐオレの番だ」
来た。次、オレだ。
「履けある」
「はい」
たけしは履いた。
ピッタリ!
「おおお」
回りの客が拍手をした。
すると、上からくす玉が。
「おめでとうある」
「おめでとう」
「おめでとう」
くす玉から飛び出した垂れ幕には「おめでとう、たけしくん」と中国語で書かれてある。
「え。え。ど、どおゆうことおお????」
北京警察の一人は言った。
「お前喜べある。王子様がお前のこと気に入ったある。城まで来いある。お前、今日からお姫さまあるぞ」
「え? え? え?」
回りの人が中国語で口々に祝福する。
「たけしくん。おめでとう」
「いいなぁ。あたしも早く結婚したいなぁ」
「幸せになってね」
みんながたけしの肩を叩いたりしてる。
「え? え? え?」
その後ろで王子さまと思わしき格好をしてるデブなヒゲ面のおっさんが好色そうな目つきでたけしの尻をなめるように見つめていた。(了) |