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皆様お久しぶりでございます。
新年明けて半月が早くも過ぎてしまいました。
更新を待ち望んでくださった方がいるかどうか不安ではございますが、今後の展開が決まりましたのでまた更新させていただきます。

拙い作品ではありますがどうぞよろしくお願いいたします。
ローゼリア王国内乱編
第2章第1話
異世界召喚63日目【召喚されし者の絶望】その1:

西方大陸北部。
黄砂の吹き荒れるドーシュ砂漠を3人の旅人が進んでいた。
彼らの纏うマントは其の過酷な旅を象徴するかのように薄汚れ擦り切れていた。
彼らの足取りは重い。
「この砂丘の先にミレイシュのオアシスがあるはずです。」
「そこに居るんだな?そいつが・・・」
亮真の目がサーラの指差した砂丘の先へと向けられる。
其の瞳は絶望とほんのわずかな希望の混じった悲しい目をしていた。


「結論から言いましょう。お気の毒ですが貴方が元の世界へ帰る事は不可能です。」
薄暗い部屋の中は黄ばんだ羊皮紙や書籍が所狭しと山積みとなっているこの部屋の主は、椅子に腰掛けながらそう言い放った。。
このかび臭く薄暗い部屋の主は麻の上下を着込んだ女性だった。
年のころは30半ばから40代前半といったところか。
容姿はどこにでも居る普通の女性だ。
取り立てて美しいわけでも醜いわけでもない。
黒髪に黒い目。
あまり特徴のある容姿とはいえない。
服装にしてもそうだ。
どこにでも居る平凡な女性。
だが彼女の真価は見かけではない。
其の脳裏に刻まれた西方大陸で1~2を争うといわれる法術の知識にこそ彼女の真価である。
それゆえに亮真は彼女を訪ねてきたのだ。
ミレイシュの隠者といわれるこの女性。
アナマリアを。

「それは今現在技術が無いって事だろう?」
亮真の目にまたかという嘲りが浮かんだ。
其れはシャルディナ達の追撃を逃れてから今までの2ヶ月間の間に訪ね歩いた法術師達が口を揃えて言った言葉だ。
だが彼女の口から放たれた言葉は亮真を打ちのめした。
「いえ。技術が無いから帰れないのではありません。技術を作れないから帰れないのです。」
「なんだと!」
亮真の口から怒声が飛び出す。
其れはサーラ達姉妹がこの2月の間共に旅をしてきた中で一度も目にした事が無いほどの怒りだった。
この2月の間、亮真達3人はギルドの仕事をしながら、地球へ帰る方法を見つけるために高名な術者を訪ね歩いた。
勿論、帝国領内に住む者を除いてではあったが。
そして其の全ての者達から同じ答えを貰っていた。
すなわち帰る方法などないと。
だがこうも言われていた。
技術を開発していないのだと。
だから亮真は彼らに尋ねたのだ、貴方は其の方法を開発できるのか?と。
そして彼らは一様に言った。
自分達では無理だと。
そして幾人かの開発が出来そうな術者の名前を挙げた。
其の中の一人がアナマリアだったのだ。

「落ち着きなさい。興奮しても結論は変わりません。」
亮真の怒声を聞いてもアナマリアの表情はまったく変わらない。
元はどこかの国の文官を務めていたらしいが、国政に関して大臣と対立した所為で職を辞したといわれるのも頷ける。
「悪かった。・・・大丈夫。落ち着いた。・・・何故帰れないのか理由を説明してもらえるか?」
胸の奥から吹き荒れる憎悪と怒りを必死で押さえ込み、亮真はやっとそれだけを口にした。
「理由ははっきりしています。・・・・其の理由を説明する前に確認したいのですが、貴方は法術というものをどのように理解していますか?」
「法術についての理解・・・・か。」
亮真の脳裏にサーラ達から受けた法術に関しての知識が浮かぶ。

法術とは生命体の持つ生気プラーナを使う技術のことだ。
そしてどのように使うかにより3つの系統に分かれる。
1つは自らの体に宿る生気プラーナを自らの体に作用させる武法術。
詠唱を必要としないこの技術は接近戦では圧倒的な力となる。
そしてもう一つの系統が文法術。
これは神や魔、精霊といった人外の存在に生気プラーナを捧げる事で、力の一部を一時的に借り受けるといったものだ。
詠唱が必要な為、接近戦には向かない。
ただし人外の力を借りるため、火を放ち風を操るといった人間には出来ない現象を起こすことができた。
そして最後が付与法術。
これは剣や槍といった生気プラーナを持たない物質に生気プラーナを纏わせることで強度を上げたりする技術である。

亮真の説明にアナマリアの表情がほころぶ。
「そう。基本は判っているようね・・・では質問するけど。異世界から人を召喚する技術はどの系統に属するか判る?」
アナマリアの質問に亮真はいらだちを込めて答えた。
「文法術だ!」
その答えを聞きアナマリアは大きく頷く。
「その通り。そして異世界へ問題となるのは何に生気プラーナを捧げるかってことなのよ。」
「・・・それはどういう意味だ?。俺はこの世界に居る。俺がここに呼ばれたのはこの世界の法術の所為だ!俺をこの世界に召喚した時に頼んだ神へ祈れば済む話じゃないか!」
亮真の指摘はもっともだ。
だがアナマリアの表情は変わらない。
「この世界からは出れます。確かに。」
「なら!」
勢い込む亮真をアナマリアの口から出た言葉が絶望の底へとたたき落とす。
「しかし永遠に時空の狭間を漂う事になりますが。」









前作ウォルテニア戦記の削除に関してなのですが、サイトのマニュアルには安易に削除はしないでくださいとの記載があるため、このまま残すことにいたしました。
拙い作品でお恥ずかしい限りなのですが・・・・
なので今後も題名はウォルテニア戦記【改訂版】となります。
どうぞよろしくお願いいたします。
< "フェザー文庫" >


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