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FBIから来た女:4〜清流・青の章
作:ユーリ



ファイル375:消えない傷跡(トラウマ)『後編』


それから、どのくらいの時間がたったのだろうか?

刃はようやく、目が覚めようとしていた。


「ん・・・」

刃はゆっくりと目を覚ました。


「(ここはどこ・・・?アタシ、一体・・・)!!」

刃は体を動かそうとしたが、体は動かなかった。

なぜなら、彼女の手足はロープでキツく縛られていたからだ。


「(ど、どうなってるのこれ!?)ん、んんっ・・・!!」

叫ぼうとした刃だったが、口に何か粘着性の物が貼りつけられているようで、声が出なかった。


「ん、んんっ!!(こ、この粘着性はガムテープ・・・!!これのせいで声が出ないんだわ・・・ちょっと待って!手足が縛られていて、口も塞がれているって事は・・・まさか、アタシ・・・)」

「ん?お嬢ちゃんが起きたようだな。」


「(えっ?)」

刃が前を見ると、助手席から1人の男が彼女を見ていた。

それと、運転席側からも男がチラチラ見ている。

どうやら刃は、車の後部座席に寝かされているようだ。

「お目覚めか?お嬢ちゃん。」


「ん〜、ん〜!!(あなた達、何者よ!?)」

刃はもがいた。

「オレ達か?オレ達は、借金しちまった2人組さ。」


「ん、んん!?(しゃ、借金・・・?じゃあ、まさかアタシは・・・)」

「察しがついたようだね。そうだよ。お嬢ちゃんはオレ達にさらわれたんだ。」

刃の予想は的中である。


「ん、んん・・・!!(や、やっぱり〜!!アタシ、この人達に誘拐されたんだわ・・・!!)」

「しかし今回はうまくいきましたね、兄貴!」

「バカ野郎!オレ達はいつも一時は成功しているんだよ!運が少し悪いだけの事だ!」

実はこの2人組、『ハヤテのごとく!』でおなじみの誘拐犯コンビだった。

毎回一時は誘拐に成功するのだが、必ず毎回誰かに倒され逮捕されるのである。

そして、脱獄に成功しては性懲りもなくまた誘拐を実行しようとする・・・

要するに、学習能力が全くない2人組なのだ。

「とりあえず、アジトに着いたらお嬢ちゃんから親の電話番号を聞き出して、身代金の要求だ!」

「へい!」


「ん〜、ん〜!!(だ・・・誰か助けて!!)」





同じ頃、ユリは必死に走っていた。

ユリ
「ハァハァ、ハァハァ・・・」

ユリは懸命に走る。

大切な親友を救うために。

ユリ
「ハァハァ・・・(急がなきゃ!リアンが危ない・・・)」

しばらく走ったユリは、路上に何かが落ちているのを見つけた。

ユリ
「ん?」

ユリはそれを拾い上げる。

ユリ
「こ、これって・・・リアンのESPリミッター!!じゃあ、リアンはここから誰かに連れ去られて・・・!?」

ユリは顔が真っ青になった。

ユリ
「急がなきゃ!!」

そう思って走り出した瞬間、ユリは誰かにぶつかった。

ドカッ!!

ユリ
「キャッ!!」

「あっ・・・」

ユリ
「アイタタタ・・・すいません、前方不注意で・・・」

「いえいえ、こちらこそ・・・あら?ユリさん?」

ユリ
「その声は・・・伊澄さん!?」

そう、ユリにぶつかったのは、鷺之宮伊澄であった・・・

ちなみにユリは伊澄と面識がなかったが、伊澄はハヤテからユリの情報は得ており、ユリもハヤテから伊澄の事を聞いていたのである。

ユリ
「ここで何してるんですか、伊澄さん・・・?」

伊澄
「チョウチョを追いかけていたら、いつの間にかこの場所に・・・」

ユリ
「え・・・」

ユリは目が点になった。

ユリ
「きょ、驚異的方向音痴・・・って、それどころじゃなかった!実は、私の親友がさらわれてしまって・・・」

伊澄
「まぁ、それは大変・・・では、私も協力いたします。行きましょう。」

そう言うと、伊澄はお札を取り出した。

伊澄
「八葉六式・・・絨毯(カーペット)召還。」

伊澄が唱えると、お札が大きなカーペットになった。

ボゥン!!

伊澄
「さぁ、乗ってください。」

ユリ
「あ、はい!」

伊澄とユリはカーペットに飛び乗った。

伊澄
「行きますよ!」

カーペットは急発進した。





伊澄とユリは、カーペットで空を飛んでいる。

ユリ
「スゴいですね、この術・・・どうやって覚えたんですか?」

伊澄
「大おばあ様に習いました。私がよく道に迷うので。ところで、さらわれた刃さんは今どこに?」

ユリは追跡メガネのスイッチを入れていた。

ユリ
「ここから南東の方角です!」

伊澄
「南東ですね・・・飛ばしますよ!!」





誘拐犯の2人組は、上機嫌状態であった。

縛られた刃は、まだもがいている。


「ん〜、ん〜・・・」

その時、上空から声が聞こえた。

伊澄
「収束・撃破滅却!!」

集中したエネルギー波が、車のボンネットを貫いた。

ドス!!

「な、何だぁ!?」

あわてふためいている2人組の目の前に、スッと伊澄が現れた。

スッ・・・

その手には木刀・正宗が握られている。

伊澄
「この私に斬り捨てられたくなければ・・・おとなしく投降してください♪」

「は、はい・・・」

こうして誘拐犯の2人組は逮捕され、刃も無事に助け出されたのでした・・・












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