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☆本編と繋がって見えますが、諸事情でフライングしております(^^;)
12月20日前後のお話かと……
番外編
番外編「プールサイドで愛を教えて(前編)」
 藤原グループの所有するホテル……卓巳が結婚前に、毎夜、万里子を連れ込んだホテルだ。
 多少人聞きは悪いが、悪く聞こえるようにしたのは卓巳である。ホテルの従業員の中でも相当な噂であった。が、今回はそれを遙かに上回ることを卓巳はやってくれた。

「プールを、ですか?」
 秘書の宗は絶句した。
「そうだ。それから、リストの物を全部用意しておいてくれ」
「いえ、でも……平日の昼間でも少し難しいかと。スクールもありますし、イベントで貸切にするケースはありますが、最低でも三ヵ月前には申請しませんと。社長、一般のプールとは違い、元々人も少なめです。とくに貸切にせずとも」
「ダメだ。貸切だ。何も客を追い出せとは言ってない。サウナでも営業は夜十時までだろう。その後でいい。プールサイドに人は不要だ。今週中に開けるように言っておけ」
 宗は諦めながら、リストを持ち上げる。彼は首をひねった。
「あの、社長……これは? いったい何をされるつもりなんでしょうか?」
「宗――私は必要な物を購入するのに、いつからお前の許可が必要になったんだ?」
「失礼致しました。すぐに用意させます」
 
(また、何を考え出したことやら……かすみ草の二の舞にならなきゃいいが)

 リストを眺めながら、ため息をつく宗であった。


~*~*~*~*~


 クリスマス直前、いつもなら大掃除に忙しくしている時期だ。しかし、今年はその必要がなく……。万里子は目下、新婚旅行の順備に奔走していた。
 そんなとき、不意に卓巳にデートに誘われたのである。
「スイートでお食事ですか?」
「それもいいが……たまには店で食べてもいいだろう? フレンチの個室を予約しておいた」
「でも……クリスマスは先だし。どうして?」
「夫婦がデートするのに理由がいるのかい?」
 そう言って卓巳はご機嫌である。
 万里子にはさっぱり判らなかったが……
「いえ、卓巳さんと一緒なら、わたしは何処でもお供いたします」
 ニコッと笑って答える万里子を見て、更にご機嫌になる卓巳であった。


 食事を終え、自宅には戻らずスイートで寛いでいると、ホテルの従業員がやって来た。
「お待たせ致しました、藤原様。準備が整いました。いつでもお越し頂けますよう、案内役を申し付かって参りました」
「ああ、けっこうだ。じゃあ、行こうか、万里子」
「……!?」

 そして万里子が連れて行かれたのが、タワーの三階にある『スパ』であった。
 さっき食事をした実質六階にあたるロビィ階の三つ下だ。感覚的には、地下の印象である。トレーニングジムや温水プールにサウナ、なぜか上の四階は外になり、テニスコートやゴルフの練習場まであった。
 結婚前、卓巳にこのスパに誘われた。でもその時、万里子は断わってしまう。そして、卓巳も二度と誘うことはなく……。

「卓巳さん、わたし、プールはちょっと」
「心配はいらない」
「え? あの」
「さあ、おいで」
 ドアを開け、万里子は中に引っ張り込まれたのだった。

 館内は静かだった。人の気配がない。
「あの、誰もいないんですか?」
「ああ。プールは九時半、サウナも十時で締まるんだ」
「もう十時回ってますよ、入ってきていいんですか?」
 驚いて引き返そうとする万里子を卓巳は引き止めた。

「君と……泳ぎたい」
「あ、わたし、水着になるのは」
 肩を出すのも結婚式では恥ずかしかった。それが水着となると……万里子は怖いのだ。
「それも問題ない。さあ、見てみなさい」
 プールの横にある女性用の更衣室に入った瞬間、万里子は目を丸くした。

 壁に掛かっていたのは水着だ。色もタイプも様々な、それでいて、サイズは全て万里子ピッタリに揃えてある。百着近くはあろうかという水着に、万里子は開いた口が塞がらない。
 一番、万里子の目を惹いたのは、なんと、ダイビング用の青いウェットスーツである。もちろん、他にも見るからに競泳用と判る真っ黒のロングスーツタイプもあった。しかし、インパクトはウェットスーツの比じゃない。
 この一流ホテルのスパで、ウェットスーツを着て泳ぐ人間など、過去一人もいなかっただろう。そう思うと、万里子の中に違う種類の恥ずかしさが込み上げてくる。

「あの、卓巳さん、これって?」
「従業員も誰も来ない。僕たちだけの貸切だ。深夜の十二時まで借りられることになっている。――万里子、僕は君の水着姿が見てみたい!」
「ウェットスーツでも構わないんですか?」
「ああ、構わない! それで君が一緒に入ってくれるなら。だが、どうしてもイヤだと言うなら、無理強いはしないよ」
 と言いつつ、卓巳の瞳は一歩も譲らない懇願モードだ。

「あの、これって……卓巳さんが用意されたんですか?」
「え? ああ、そうだ。カタログを集めて僕が選んだ。だが、実際の注文は宗に頼んだ」
 褒めてくれと言わんばかりの……少年のように屈託のない卓巳の笑顔だ。万里子はどうもそれに弱い。
 迷いながらも恐る恐る尋ねてみる。
「ちなみに……参考までに、ですけど。卓巳さんが、一番気に入ってるのって、どれですか?」
 万里子の気持ちが傾きつつあるのに気付き、卓巳の声は跳ね上がった。
「それは……この白が基調のモノトーンビキニだ! やはり、白は君にピッタリだと思うんだ。二段フリルも胸元のリボンも最高に可愛い! 縁取りの黒がまたセクシーで……」

 布地の量は、ウェットスーツの十分の一もないのではなかろうか? 
 困ったような万里子の表情に卓巳はハッと気付いた。

「す、すまない。そういうつもりじゃ」
「い、いえ……確かに素敵ですね。でも、他にはどれが」
 話を変えるように、万里子は慌てて言った。
 今度は、さすがの卓巳も反省したのか咳払いをして、落ち着いて話し始めた。……はずだったのだが。
「そうだな……君にはピンクも似合うと思う。この花柄のワンピースもキュートなんだが。やっぱりビキニだ! 見てくれこの光沢! ピンク一色のシンプルなデザインで、上下とも紐で結ぶタイプなんだ。フリルは一段なんだが、このひらひら感がなんとも……」

 どうやら卓巳は、ビキニとフリルが好きらしい……と言うことは良く判った。
 頬を赤くして熱弁を振るっていた卓巳だが、万里子の反応に、今度は顔面蒼白になっている。
 万里子は首が折れそうなほど俯き、そして、卓巳に言った。

「本当に、誰もいないんですね?」
「あ、ああ。誰もいない。僕だけだ。あ、いや、僕もいないほうがいいとか言われたら……」
 急にショボンとするので万里子は慌てて付け足した。
「そんなこと、言ってません。……判りました。どれを着るかは自分で決めていいですか?」
「ああ、もちろんだよ! 僕は、君と泳げたらそれでいいんだ」


~*~*~*~*~

 
 ――カタン、とドアが開き、スラリと伸びた足が見えた。
 万里子は、茶色掛かった髪を一本の三つ編みにしている。そして、バスタオルで全身を包み込み、せっかくの水着姿を覆い隠していた。

「――キレイな足だ」
「そんなこと……ないです」
「キスしていいかい?」
「ダメって言ったら、止めてくれますか?」

 一歩ずつ近づく卓巳だが、もう、これ以上前に進めない位置まで来ていた。
 卓巳は万里子を見下ろしながら答える。 

「ああ、もちろんだ。でも、もう一度頼んでみるつもりだよ」
「じゃ、頼んでみてください……」
「キスしていい?」
「……はい」

 二人の、唇の距離はゼロになり……。


御堂です。ご覧頂きありがとうございます!

ここで問題です!万里子が選んだ水着はなんでしょう?
(1)やっぱり卓巳のお気に入り、モノトーンフリルビキニ!
(2)これも卓巳オススメ、ピンクのフリル紐ビキニ!
(3)ちょっと控えめ、ピンクの花柄ワンピース!
(4)これならいいかな?競泳用の黒のロングスーツタイプ!
(5)完璧ガード、ダイビング用青のウェットスーツ!
(6)プールサイドで愛のレッスン?バスタオルの下は何もなし!

答えは明日の後編で(^^)/
この後も番外編で、「愛を待つ桜」の聡&夏海と共演です。(アンケート1・2記念と言うことで…)

ではでは、引き続き、よろしくお願い致しますm(__)m
拍手&メッセージお待ちしております。


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