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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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620/730

620:心を削られよう。

「それじゃ失礼して」

 そっとぴーちゃんの正面から近づいて、目に当てている羽の先に触れるアヤメさん。
 え、自分から寄って行っちゃうの?

「ぴっ!?」

「ひっ、ぁ……」

 あー、やっちゃった。


「アヤメちゃん固まっちゃったけど、大丈夫なん?」

「あー、雪ちゃんに至近距離で遭遇しちゃった人にはよくある事だから」

 エリちゃんの問いかけに、へらへらと答えるお姉ちゃん。
 失礼な。
 いや、事実だから何も言えないんだけどさ。

「ぴぴっ、ぴぅ……?」

 フリーズしてしまったアヤメさんの手から自分の羽を抜き取り、目の上に当て直すぴーちゃん。
 うん、それが良いだろう。
 見ちゃった側は動けなくなってるから、こっちで解放してあげないといけないもんね。


 恐ろしい物を見てしまったという顔のアヤメさんが、その場にへなへなとへたりこむ。
 あー、酷い震え様だし、完全に腰に力が入らなくなってるっぽいな。

 なんか巻き添えで手の上に居たラキまでぷるぷるしてるよ。
 ……これ後で仕返しされるんじゃない?

「まぁそのままだと大丈夫じゃないんだけど、ぴーちゃんが対応してくれたね」

「ダメだったんじゃん」

「反応は何パターンか有るんだけど、今のは一番マズいやつだったかな」

 うん、慌てて目を逸らしたり後ろに跳び退いたり、今の場合だと羽を咄嗟に戻して隠したりできれば良かったんだけどね。


「あのまま固まってたらどうなんの?」

「実際にそこまでになった事は無いんだけど、過呼吸とかでそのまま倒れるかもね」

 ……有り得ないとは言えないなぁ。
 実際、一瞬目が合っただけで呼吸が乱れてる人だって居たくらいだし。

「マジでヤバいやつじゃんそれ」

「多分なんだけど、自分の行動全部に相手の機嫌を損ねる可能性が見えちゃって、そのまま何もできなくなるんだろうね」

 まぁお姉ちゃんは私やお母さんで慣れてるから、憶測でしか言えないよね。
 聞き取り調査したわけでもないだろうし。

「でもそのまま見合ってても、それはそれで怒らせる可能性って有るよね?」

「うん。で、結局何も出来ないまま気絶するまで心がすりおろされ続けるわけだね」

 すり減るとか削れるじゃなくてすりおろすって酷くない?
 いや、まぁ確かにそんな勢いなんだろうけどさ。


「ぴ?」

 あ、ぴーちゃんが心配そうに声かけてる。
 ……まぁうん、心底恐れた相手に声かけられても、ビクッてするだけだよね。

 おや、でも震えはもう止まってるな。

「……ごめん、ぴーちゃん。自分から見といてこのザマなのは、本当に申し訳ない」

「ぴぅー」

 アヤメさんの謝罪に「しかたないよー」と頷きを返すぴーちゃん。
 私たちとしては慣れた反応だし解ってた事だし、むしろこの短時間で直接喋れてるんだから凄いくらいだよ。


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