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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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601/678

601:投げてあげよう。

「おっと危ない、これも出しておかなきゃ」

 何か忘れてたらしい猫さんが、鞄に手を突っ込んでいる。
 取り出したのは…… なんか綺麗な紐やリボンを何種類も束ねた物っぽいな。

「それは?」

「包装用、でしょうか」

「そうそう。こっちも色々有るから、お好きなのを選んでね」

 ああ、そういえば中身が割れ物なのに蓋が固定される箱じゃなかったな。
 なんか金具でも付けておいた方が早いんじゃないかな?

 まぁ何か拘りが有るのかもしれないし、そこはどっちでも良いか。
 鞄に入れておけば、持ち運ぶ分には問題ないだろうし。


 さて、それはそれとして。

「はーい、お待たせー」

 ポチの前まで降下して、持ってきたよーと麺を見せる。
 おお、しっぽの動きが凄い。

 ……しかしどうやって上げたものかな?
 他の子たちは唇が有るから差し込んであげれば良かったけど、わんこの口だとなぁ。
 まぁ舌に乗せてあげれば、ポチの側で何とかしてくれるかな。


「ポチ、あーんしてー」

 よし、正面から近づいて…… ってこれ結構怖いな。
 っていうかポチの息に煽られて【浮遊】の制御が難しいぞ。
 普通の風だとなぜかあまり気にならないから、これも大きい相手からの攻撃みたいな扱いなのかね。

 あと呼吸でへっへって言ってるから、舌がかなり動いてて少し危ないな。

「ポチ、悪いんだけど少しだけ息止めてもらって良いかな?」

 一瞬「ん?」って感じに首を傾げて、すぐに気づいたらしく動きを停止してくれた。
 よし、急いで乗っけてあげないと。

 あ、そうだ。
 乗せるのは一本だけにして、一度下がろう。

 ポチのサイズからだとこの麺一本なんて現実のドライフード一粒分にもならないけど、量の問題じゃないんだろうな。
 すごく嬉しそうだし。


「よーしよし。ポチにはちょっと少ないだろうからおまけだよー」

 ポチの顔の正面から、三メートルほど横に移動して声をかける。
 このくらいなら私の腕力でも全く問題無いだろう。

「正面向いてから、ちょっと首を後ろに引いてみて」

 麺の端を右手で持ってぷらぷら揺らしながら言うと、小さな声でわふっとお返事して伏せたまま首を縮めてくれた。
 あの顔はこれからやる事をちゃんと察してる顔だな。

 いや、まぁ嬉しい楽しいって感情が来るから判るだけだけど。
 まぁあの尻尾見れば、能力が無くたって喜んでるのは誰でも判るか。


「いくよー。それっ」

 手に持った麺を、アンダースローでぽーんとポチの口の前に放る。
 お、ナイスキャッチ。

 まぁ【妖精】の謎仕様のおかげで、ポチからだとものすごくゆっくり飛んできた様に見えるだろうし、パクっと食べるくらい簡単だろうな。
 私が投げたり落としたりした物って、本来の一割くらいのスピードで落ちていくみたいだし。

 ……ん?
 でもお姉ちゃんへのツッコミで頭上に【石弾】を出した時は、そこまで遅くなかったな。
 言われてみればって程度だった様な?
 まぁ攻撃魔法だし、落としてぶつけるためって意識で出してるから、その辺を考慮してもらえたのかな。


「よーしよし、今は手が汚れてるから、なでなでは後でねー」

 ぼふっとポチの首に背中で体当たりして、手を振りつつ上昇していく。
 ……なんかお姉ちゃんが、めっちゃポチ撫でたそうな顔してるな。
 ご飯をキャッチしてるのを見てたんだろうか。

 とりあえず、食べ終わって猫さんとのお話終わってからにしようね。

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