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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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542/678

542:控える理由を聞こう。

 職員さんはこっちの声が聞こえてないっぽいけど理解はしてくれている様なので、ぴーちゃんとラキに手を振って受付を離れる。
 なんか奥で事務作業っぽい事をしてるお姉様がたがそわそわしてる気がするけど、まぁ悪い様にはされないだろう。


「しかしそれにしてもカトリーヌさん、あの子のこと苦手なの?」

 裏庭に行く途中、ふと気になって訊いてみる。

「いえ、苦手というわけでは無いのですが」

「あれ、そうなんだ。なんかいつも以上に静かだったし面識有るみたいだったから、何か有ったのかなって思ったんだけど」

 カトリーヌさんに挨拶する時、「見覚えの有る妖精さん」って言われてたしね。
 【鬼人】だった時から有名なプレイヤーだったみたいだから、向こうが知ってただけかもしれないけど。


「前世で数度お話したことは有りますが、特別な出来事は何も。ただ……」

「ただ?」

 言い淀むカトリーヌさんに先を促す。

「その、少々失礼な物言いなのですが」

「ん?」

「あの方、通報慣れしていそうで恐ろしいのです」

「いやいやいや」

 何を言ってるんだこの人は。
 ていうかそれ、苦手って言うんじゃない?
 いや、別に良いけどさ。


「なんと言いますか、些細な粗相で通報されてしまいそうで」

「いやカトリーヌさんの粗相は些細じゃないからね」

 そこはスルーしないぞ。
 普通なら通報されて当然の事も何回かやってるからね?


「つい無意識に、一歩引いてしまうのです」

「いや、普通に接すれば通報される様な事にはならないはずなんだけどね……」

「そこはほら、私ですので」

「開き直られても反応に困るんだけど。自覚してるならそれを出さない様にすれば良いでしょ」

「それは解っているのですが、ついという事も有りますから。長年の経験から、問題が起こりそうな相手には本能が近づくなと警告を出してくれるのです」

「そんなところのレベルが上がってもなぁ……」

 なんていうか、もっと我慢するとかいう方向に経験値を振ってほしいんだけど。
 カトリーヌさん、自分に正直すぎるんだよ。

 ていうかそんな能力が有るのに私にはあれだけ絡んでくるって事は、私はどれだけガバガバな防御だって判断されてるのか。
 いや、割と自覚有るけどさ。
 シルクに対しても、なんだかんだで仕方ないなぁってどんどん甘くなってるし。



「にしても、どういう基準で判断してるの?」

「それはもう、勘としか言えないのですが……」

 訊いておいてなんだけど、まぁそれはそうだろうね。

「ただ、あの方は特別ですわね」

「ん? あー、まぁその、見た目がちょっと幼い感じだもんね」

 正直な事を言うならちょっとでは無いんだけど。
 というか別に言い淀む必要は無いのか。
 本人がむしろ気に入ってるって言ってたくらいだし。


「それもあると言いますか、それゆえなのですが……」

「ん?」

「私が迂闊に近づくと、防犯ブザーを鳴らされそうな気がしてしまうのです」

「ん゛っ」

 ……くそぅ、ちょっと吹き出しそうになってしまった。
 いやうん、別に防犯ブザーって子供用ってわけじゃないしね。
 大人だって用心のために持ち歩く物だからね。

 うん、勝手に頭の中で言い訳してるけどまず浮かんだのは、肩の前に防犯ブザーが付いたランドセルを背負ったあの子の姿だった。
 なんていうか、ごめんなさい。

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