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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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520/677

520:楽にしてもらおう。

「ん? あぁ、開いてるよー」

 ベッドに仰向けで伸びたまま考えていたら控えめなノックが聞こえてきたので、起き上がって端に座りながら入室を許可する。

「失礼します」

「いやー、さっきはありがとう。全然気づかなかったよー」

「いえいえ。当然の事をしたまでですわ」

 軽く頭を下げながら入ってくるカトリーヌさんに、燕から守ってもらったお礼を言っておく。
 突き飛ばされてなかったら、何が起きたかも解らずにここに戻ってきてただろうしね。

 ……しかし当然って言うのは、『先に気付いた人』と『外に誘った人』と『しもべとして』のどれなんだろうか。
 この人の場合、三番目の可能性が高いのが気になるんだよなぁ。
 まぁそうだとしても実害は無いから、そこまで気にする必要は無いんだけどさ。


「しかし私とした事が、迂闊でしたわ」

「あれって結局、倒した燕の残骸を浴びちゃってたって事なの?」

 確かにちょっとおかしい所以外は変にハイスペックなカトリーヌさんにしては、少しうっかりな死因かもしれないな。
 とは言っても、私を守るために対処の幅が狭まった可能性も有るから、どうこう言える事じゃないんだけどさ。
 そもそも私は気付いてすらいなかったんだし。


「視認できたわけではありませんが、状況と感触からして恐らくそういう事ですわね」

「いやいやいや、感触って判るものなの?」

「そこは長年の経験が有りますので」

 なんで自慢気なの。
 いや、確かに本当に判るんなら無駄に凄すぎるけどさ。
 無駄に。


「……まぁ普通は積むことが無い経験だよね」

 当たらなかった上半身が取り残されるほどの勢いで衝突した物が何かなんて、どんな人生を歩んでたら判るんだよ。

「わたくし別のゲームのお話になりますが、目と耳をふさがれている状態でも、被弾の感触からどの散弾銃で撃たれたかを当てる事が出来ますわ」

「カトリーヌさんは一体何を目指してるの……」

 ほんとなんなんだ。
 詳しくないけど使う弾の種類は同じなんだろうし、銃ごとに散らばり方に特徴でもあるのか。
 別に知りたくはないし、味わいたくもないけど。

「私の目標ですか?」

「いやごめん、やっぱり言わなくて良い」

 聞いておいてなんだけど、どうせロクな答えが返ってこないのは判り切ってるし。



「まぁ良いや。ずっと立ってるのもなんだし、適当に楽にしてよ」

 私はベッドに座ったままだったのに、入ってきてからずっと立たせてたよ。
 いや、別に立ってろって言ったわけでは無いけど。

「では失礼して」

「いやいやいやいや」

 その場に膝をついたから床に座っちゃうのかなって思ったら、仰向けに転がってから私の両足を掴んで持ち上げて、床の上をスライドして顔を足の下に持ってきたぞこの人。
 あんまり自然に動くから、そのまま踏んじゃうまでツッコめなかった。


「楽にしてよいと仰ったではありませんか」

「いや言ったけど。私は椅子とか隣とかに座りなよって言ったつもりだったんだけど」

 ぶーって拗ねる感じに抗議してくるカトリーヌさんに、更にツッコんでいく。
 ていうか土踏まずの端辺りに唇が当たって、くすぐったいんだけど。

「今の私にとって、これが一番楽な姿勢なのです」

「……そう」

 両手を私の足の甲に乗せ、むにむにと人の足で顔を揉むカトリーヌさん。
 それ地味にくすぐったいから、気持ちよさそうにむふーって鼻息荒くするのは勘弁してほしい。

 くそう、さっき命がけで守ってもらった手前、あんまり強く出られない。
 本人としては望んだ痛みだったとしても、守られたって事に変わりはないからなぁ。

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