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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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516/728

516:迎撃しよう。

「と、とりあえず出来るだけ結界から離れようか」

「そうですわね」

 今の位置のままじゃ、私たちが死んだらあの勢いで町の入り口に殺到しそうだし、距離と方向を少しでもずらしておいた方が良いだろう。
 別に迷惑をかけたくて表に出たわけじゃないんだ。
 ……もう少しかかってるけど、不可抗力だよ。うん。


 そういえばこのゲームのスライム、どろっとした奴かと思ったら意外と弾力があるらしく、兎ほどじゃないけど結構素早くぽよぽよ跳ねてこっちに来てる。
 なんかちょっと可愛いな。
 あと弱点っぽい核がちゃんとあるタイプでもある。

 あ、でも敵を取り込めるって事は、別にゼリー系ってわけでもないのか?
 ある程度ゆるくなったり固まったり出来る感じなのかな。
 いや、今はそれどころじゃないな。


「聞こえないかもしれないけどごめんなさーい!」

 とりあえず空をぐるっと見回して異常が無いのを確認してから、逃げた兎を追いかけてる人たちに全力で謝っておく。
 わざとやったわけじゃないとはいえ、これ完全に横取りだもんなぁ。

 あ、でも遠距離攻撃を持ってる人には逆にありがたかったのかも。
 なんか何体か、背中に矢とかが刺さった兎の死体が落ちてるし。
 とはいえ迷惑行為には違いないから、だったら良いじゃんとは言えないな。



「ふっ」

「だわぁっ!?」

 下げた頭を上げた瞬間、突然の横からの衝撃に弾き飛ばされた。
 直前にカトリーヌさんの掛け声っぽいのが聞こえたから、思いっきり突き飛ばされたんだろうか。
 ちょっと首がグキってなったけど、流石にそこは仕方なかったんだろう。


「えっなにぅわまぶぁっつぁぅっ!?」

 ……自分でも何言ってんだって感じだけど、別にふざけてるわけではない。
 吹き飛ばされながらカトリーヌさんの方に向き直った瞬間、至近距離からの光を浴びて驚いて、次の瞬間に熱波が押し寄せたんだよ。

 私が熱いと叫んじゃうって事は、これカトリーヌさんが至近距離に火の球でも浮かべた感じか?
 あの距離で眩しいって思うくらいの火だと、魔法じゃなかったらもう焼き上がって死んでるだろうし。


 とにかくいつまでも目を塞いでいられるほど安全な場所ではないので、落ち着いて顔の前に掲げていた手を下ろそう。

「え? あ?」

 取り戻した視界に映ったのは、みぞおちの辺りから下が消失したカトリーヌさんの姿だった。

「な、何? 何が?」

 状況について行けずに、意味が無い疑問の声しか出てこない。
 うえ、なんか下からはみ出てきた……

「燕がぁぃぎゃっひぃぃぁがぁあぁぁあっはぁぁぁぁ……」

 それに答えようとした瞬間に遅れて快楽(いたみ)が襲ってきたのか、カトリーヌさんは満面の笑みを浮かべて嬌声(ひめい)を上げながら、殺虫剤を浴びたデカい虫の様に短くなった翅をバタつかせ、いろいろな物を撒き散らしておかしな軌道で墜落していった。

 ……うん、ありがとうカトリーヌさん。
 なんか引き過ぎて冷静になれた。

 多分だけど私が接近を見逃してた燕が飛んで来て、カトリーヌさんが私をかばいつつ火の魔法で迎撃しようとしたんだろう。
 小回りが利くはずなのに追撃が来ないって事は、相打ちになったのかな……?


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