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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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491/672

491:招かれてしまおう。

「よし行こうカトリーヌさん。うん、見つかっちゃったし行くしかないね」

 相手が手を振っているのに無視して行くわけにもいかないので、こんにちはーと腕を振り返しつつカトリーヌさんに出発を促す。
 関わったらマズそうなものからは早めに逃げるに限るよ。

 ……そういう意味ではカトリーヌさんも、かなりの高ランクではあるんだけど。
 まぁ、そっちはもう仕方ない。


「しかし白雪さん、私達を呼んでいらっしゃる様ですが?」

「えっ? うえぇ……」

 しまった、つい嫌そうな声が漏れてしまった。

 カトリーヌさんの言葉で再度お姉さんを見てみると、こちらに向けた目を更に細めて口角を引き上げ、おいでおいでと手招きをしていた。
 「ニコニコ」とか「うふふ」って感じじゃなくて、「ニィィ……」って表現したくなる笑顔だな……

 なんていうか狐って言うより、だんだん蛇っぽく見えてきたよ。
 口がパカッて耳の近くまで裂けそうで怖い。

 あの目、もう細すぎて閉じてる様にしか見えないけど、多分あの僅かな隙間からじぃっとこっちを見てるんだろうなぁ。
 うぅ、逃げてしまいたい。
 でも逃げたら逃げたで後が怖い気がする。



「行くしかないか……」

「ぴゃぁ……」

 逃走を諦めた私の言葉に、心底嫌そうな声を出すぴーちゃん。
 うん、その気持ちは良く解る。

 でももう完全にロックオンされてるし、どうしようも無いよ。
 多分今から逃げたら、次に会った時に更に怖くなってると思うし。


「そうですわね。では表に回りましょう」

 そんなぴーちゃんとは対照的に、嬉々としてお姉さんに今行きますとジェスチャーを送るカトリーヌさん。
 くそう、本当に楽しそうな顔だな。

 ……ぴーちゃん、そんな「一人で行ってよー」みたいな顔しないの。
 あれ、多分狙われてるの私の方だし。
 いや狙われてるわけじゃないと思うけどさ。


 塀の上は結界が張られていて通る事が出来ないので、ぐるっと回って表の入口へ。
 突き破って入る事も可能ではあるかもしれないけど、そんな事する意味は無いし本気で怒られるだろうし。
 まぁ怒られるっていうか、普通に捕まって処罰されるよね。

 というわけで入り口まで来たけど、そういえばここは【妖精】用のドアが無いから、私達だけじゃ入れないじゃないか。

「どうしよう?」

「困りましたわね。【跳躍】しますか?」

「あっと、開けてくれるみたいだね」

 どうするか話をし始めてすぐにドアが動いた。
 まぁ来るのが解ってるんだし、開けられないのも解ってるだろうからおかしな事では無いか。


「ありがとうございますー」

「んもう、逃げようとしなくても良いじゃないの」

 ドアを開けてくれたお姉さんは、あらあらと困った感じではあるけど、普通の笑顔になっていた。
 そういう普通の笑顔が出来るんだったら、その顔で呼んでくれれば素直に来たんですけど。

 いや、こないだ見た時は普通だったし、出来るのは解ってたけどさ。
 はいそこ、ちょっと残念そうな顔にならない。


「いや、あんな顔されたら逃げたくもなりますよ……」

「そうですか?」

「そりゃカトリーヌさんは釣れるだろうけどさ」

「ぴっ」

「さ、閉めちゃうから入って入って。開けっぱなしは良くないからね」

 あれ?
 私の言葉に無反応だ。

 ……ってちょっと待った。
 そういえばこの人、私達の声聞こえないんじゃないの?


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