挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

489/678

489:邪魔はしないでおこう。

 よいしょよいしょと荷車を動かす二人に、【妖精吐息】を吹いて手伝えない事を謝っておく。
 いや、そもそも私部外者だし別に手伝わなきゃいけないわけじゃないから、謝られても反応に困りそうではあるけど。

「いやー、私も押せれば良かったんですけど。こんな大きさなもんで申し訳ないです」

「大丈夫。重いけど二人で十分だよ」

「大丈夫。応援してくれるだけで嬉しいから」

 あははー、と手を振って言ってくれるレイトちゃん。
 ここからじゃ見えないけど、レストくんも同じ動きをしてるんだろうな。


 まあ二人だけでここまで引っ張ってきて、これだけ元気が有るんだから必要無いんだろうけど、大変そうに見えるからせめて癒させてもらおう。
 しかしこれを子供二人で動かしてるっていうんだから、やっぱり隠密さん達はとんでもない高レベルなんだろうなぁ。

 こんなシングルベッドくらいのサイズの荷車に、何かは判らないけど荷物が山盛りに積まれてるし、多分総重量は一トン超えてるんじゃないかな。
 ていうか荷車だけで相当重そうだし。
 いくら車輪がついてるからって、普通はそう簡単に動かせる物じゃないだろう。



 元々そう離れてない場所で会ったのもあって、そこまで時間もかからずに研究所前に着いた。
 なんかジルさんがじっと見てるけど、あれって子供を心配するお母さんみたいな顔なんだろうか。
 表情が無いから殆ど判らないよ。

「ただいまー。買って来たよー」

「ただいまー。門開けてー」

 無言でレイトちゃんを撫でて、頷いてから門を開けるジルさん。
 あ、レストくんも撫でに行った。


「お疲れ様でしたー」

 門の中までは良いかな、と仕上げの【妖精吐息】をふーっと吹きかけておく。
 カトリーヌさんもこっちの意図を察してか、同じ様にしてるっぽいな。

「ありがとう。助かったよ」

「ありがとう。気持ち良かったよ」

「いえいえ。こんな事くらいしか出来ませんから」

 手を振ってお礼の言葉に答えると、二人揃って「じゃあねー」と言いながら門の奥へ進んで行った。
 相変わらず寸分の狂いもなく同時だなぁ。


 ……なんかジルさんが無表情のまま、唇に人差し指を当ててこっちを見てる。
 うん、あれはなんとなく解るぞ。
 いいなーって顔だ。

「はいはい、じっとしててくださいねー」

「では私も」

 カトリーヌさんも一緒に来てくれたのでジルさんを挟む様に顔の両側に引っ付いて、せーので一緒に【妖精吐息】。
 別に密着する必要は無かったけど、まぁ良いか。
 この人なら気持ち良くなってもふらついたりはしないだろうし。


 吹き終えた私たちが離れると深々とお辞儀して、ばいばいと手を振って門の横に戻るジルさん。
 あ、気を付けの姿勢のままフッと消えた。
 いや、見えなくなっただけで動いてはいないんだろうけどさ。

「ぴゃ?」

 なんかぴーちゃんが見えないジルさんの所に飛んで行って、羽をぱたぱた振って探り始めた。
 あれ、空振りしてる。
 消えたままで回避してるのか、実はぺちぺち当たってるけどそれすら感知できなくされてるのか。
 あれくらいなら、当たっても別に痛くもないっていうか逆に気持ちよさそうだし。
 ってどっちにしろダメだろう。

「いやぴーちゃん、お仕事の邪魔しちゃダメだよ」

「ぴぅ」

 釈然としない顔のぴーちゃんを連れ戻し、一緒に頭を下げておく。
 うん、すみませんでした。

+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ