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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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488/730

488:押すのを手伝おう。

 ジルさんにお礼を言って、開かれた門を通って表へ出る。

 あ、ジルさんも出るんだ。
 ってそりゃそうか。
 元々表で門番してたところを、私たちのために入ってきてくれたんだろうし。

 いや、外から開ければ済んだ様な……?
 まぁ別に良いか。
 こっちとしては開けてさえもらえれば、それで文句は何も無いんだから。


 ジルさんに手を振って研究所を離れ、特に当ては無いけどとりあえず来た方へ戻るべく北上する。

「んー、何かする事有ったかなー」

「まだ除草作業を始めるには少し早いですわね」

「そうなんだよねー。まぁ別に早くて悪い事は無いんだけどさ」

「作業は進みますし、結晶の在庫も増やせますものね。……おや、あれは大変そうですね」

「ん?」

 私の後ろを見てカトリーヌさんが発した言葉に振り向いてみると、巨大な荷車を引いてこちらに来る子供の姿が。
 山になってる荷物の上に布がかぶせてあって何が積んであるのかはわからないけど、でっかい木の車輪が軋んでるくらいだしかなりの重量なんだろうな。


「あれ、双子さんだ」

 小さいのに凄いなーと思ったら、よく見れば見覚えの有る人だった。
 女の子の方だから…… レイトちゃんだったかな?

「あら、お知り合いの方ですか?」

「まぁ一応。さっきの研究所の隠密さんだよ」

「なるほど。双子さんという事は、同じ見た目の方がもう一人?」

「うん。そっちは男の子だけどね。いや、服で判断しただけだから多分なんだけど」

 聞けば良いだけなんだけど聞いてないし。
 ていうか性別が合ってたとしても、服を逆にするだけで判らなくなるしどっちでも同じ気もする。


「そうそう、僕はちゃんと男だよ」

「そうそう、私はちゃんと女だよ」

「おおぅ!? あー、まぁ聞こえてますよね」

 突然斜め下から聞こえてきた声に驚いたけど、すぐに立ち直る。
 聞こえてるのも、もう一人が潜んでるのも想像は出来た事だし。


「レスト、離れないでちゃんと押してよ。重いんだから」

「ごめんごめん、すぐに戻るよ。重いんだしね」

 レイトちゃんに文句を言われて、慌てて荷車の後ろに走って行くレストくん。
 二人で運んでたのに、わざわざあれを言うためだけに離れたのか。



 一緒に押したりは出来ないので、レイトちゃんに【妖精吐息】を吹きかけて応援しながら並走してみる。
 カトリーヌさんはレストくんの方に行ってくれたみたいだな。
 研究所を出てすぐに戻って行ってるけど、まぁ特に予定も無いし。

「こんなに一杯、何を買ってきたんです?」

「えーとね、いろいろたくさん」

「えーとね、中からのお願い」

 私の質問に目の前に居るレイトちゃんが答え、それに続いて荷車の後ろからレイト君も答えてくる。
 中からってことは研究所のお仕事か。


「ああ、研究用の資材とかそういうのですか」

「たぶんね。何に使うか知らないけど」

「たぶんね。お昼に急に頼まれたんだよね」

「おや、これは予定外の仕入れなのですか?」

「そうだよ。いつもは前の晩にまとめて申請してくるからね」

「そうだよ。どうせ暇だから、別に良いんだけどね」

 カトリーヌさんの問いかけにはレストくんが先に応えて、レイトちゃんが後に続いた。
 これは単に、近い方が先に返事してるだけかな?



「ていうかそういうの、言っちゃって良いんですか?」

「いいのいいの。隠す事じゃないからね」

「いいのいいの。やましくないとは言えないけどね」

「あー、まぁ欲しがってるのがあの人たちですしね……」

 買ってきた物が普通でも、何が出来上がるんだか判ったもんじゃないし。
 まぁディーさんの場合は比較的まともだけどさ。
 ……比較的だし、私が知ってる限りはだけど。


「隠さねばならない様な品なら、この様に人に見える形では仕入れませんものね」

「そうだねえ。仕入れてる事も知られない様にするね」

「そうだねえ。知られちゃったら、どうするかは解るよね」

 カトリーヌさんの言葉に物騒な言葉を返す双子さん。
 見た目は子供でも、やっぱりプロの隠密さんなんだよなぁ。


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