挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

459/677

459:赤っ恥をかこう。

 むぅ、下がれない……
 これ無理に下がったら、引っかかってる翅がひん曲がってペキッていっちゃいそうだな。
 いや、そこまで行く前に痛くて諦めそうだけど。

「白雪さん、どうされました?」

 どうにか翅が上手いこと元の位置に戻らないかなとごそごそしてたら、カトリーヌさんが疑問に思ったらしい。
 まぁスッと入って戻ってくると思ってただろうし、私もそのつもりだったからなぁ。


「いや、なんか戻ろうとしたら翅が引っかかって……」

「あら」

「ちょっと後ろから引っ張ってみてくれない?」

「引っ張るのは構いませんが、無理をすると危険ですし前に進まれた方が良いのでは?」

「前? あー、頑張れば中で向き変えられるかな」

 確かに無理に戻らなくても、狭いけど真ん中の部屋に一度完全に入って、くるっと反転して出てくれば良いのか。
 もっと狭かったら太郎でスペースが埋まって、それも出来なくなってたな。


「いえ、そうではなく」

「え?」

「蓋が開く様になっているのですし、開けて頂けば良いのではないでしょうか?」

「……うん、そうだね。上から出れば良いんだよね」

 ヤバい、これ恥ずかしいにもほどがある。
 そういえば開きそうな形してたし、そもそも掃除や床材を敷いたり交換したりする事を考えると、開いて当然じゃないか……



「ありがとうございます」

「あら、どこかぶつけましたか?」

 ライサさんに開けてもらった箱から顔を両手で覆って出てきた私を見て、カトリーヌさんが心配そうに声をかけてくる。

「大丈夫。何も問題無いから気にしないで。大丈夫」

 むしろそっとしておいて。
 顔が赤くなってそうで隠してるだけだから。


 なんか背後でカリカリ聞こえたなと思って振り向いてみると、太郎がなぜか壁をよじ登って上から出ようとしていた。
 普通に穴から出れば良いのに。

 ……あ。
 壁のてっぺんにお腹を乗せたと思ったらバランスを崩したのか、前に傾いてそのまま前転する様に壁から落ちて行った。
 おお、ボテッと背中から落ちたけど、回転の勢いを利用してそのまま転がることで受け身を取ったな。

 なんか「よし」って顔してるけど、落ちるところから計画通りなんだろうか?
 まぁ他の召喚獣()たちの妙に高い性能を考えると太郎も地味に凄そうだし、トロくて落ちたわけでは無いか。



「そうだカトリーヌさん、その石」

 まだ少し熱い顔を覆った手でぐにぐに揉みつつ、カトリーヌさんに声をかける。

「あ、そうでしたわね。ライサ様、どうぞお受け取りください」

「大変嬉しいのですが、その、よろしいのですか?」

 ん?
 あー、ぴーちゃんが気に入って遊んでたの、ここから見てたのか。


「大丈夫ですよー。ね、ぴーちゃん」

「ぴゃっ!」

 私の問いかけに元気にお返事し、カトリーヌさんから石を受け取ってライサさんの前に持って行くぴーちゃん。
 ぴーと鳴いて手を出してもらい、そこにポトリと落として帰って来た所を撫でておく。
 はい、よくできました。


「ありがとうございます」

 両手で摘まむ様に持ち、頭を下げつつ恭しく掲げるライサさん。
 いや、そんな大層な物じゃないから。

「持ち帰って家宝に…… と言いたいところですが、身の危険を感じますのでここに飾らせていただきます」

 ……あー、他の人にめっちゃ見られてるもんね。
 前に蜜貰ったって自慢してひどい目に遭ったみたいだし、その方が良いかもしれないな。
 こっちは量産して皆に配れる様な物でも無いし。

 ……いや、カトリーヌさんは別に良いですよとか言いそうだけどさ。
 作る側や見る側がね。ちょっとね。



「それじゃ、失礼しまーす」

「またのお越しをお待ちしております」

 とりあえず今の用事も済んだので、ライサさんや奥の皆さんに手を振って役場を後にする。
 いろいろあってもう良い時間だし、このまま市場に移動しておばちゃんのお店かなー。

+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ