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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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458/678

458:褒めてあげよう。

「さて…… って、どうしたの? 何か忘れた?」

「ぴっ」

 珠ちゃんを撫でる手を止めて移動を再開しようとしたら、突然ぴーちゃんが窓に鉤爪をひっかけてガラッと開いた。
 質問には首を振ったので、忘れ物をしたわけでもないらしいけどどうしたんだろう?


「ぴーぅ」

 と思ったら再度足でパタンと閉めてしまった。
 何がしたいんだ、ぴーちゃん。

 ……これはもしかしてあれか。
 「私も出来るよ! ほめてほめてー!」って事なんだろうか。
 得意気な顔でえっへんって胸を張ってるし。


「珠様ばかり褒められてずるいという事でしょうか?」

「ぴ?」

 カトリーヌさんの言葉に少し首を傾げ、疑問符を浮かべるぴーちゃん。
 別に嫉妬とかいうわけでは無いらしい。

「そういう気持ちは特に無いのですね」

「ただ単に、珠ちゃんが窓を閉めたら褒められてたから、それじゃ自分もやって褒められようって感じ?」

「ぴゃー」

 ばさーっと両手を上げて同意するぴーちゃん。
 ……うん、なんていうかちょっとアホの子っぽいけど、まぁ素直で可愛いから良しとしよう。
 よしよし、こっち来なさい。



 一部始終を受付中の職員さん以外の殆どに見られてた気がするけど、気付かなかった事にして太郎を迎えにライサさんの所へ向かう。
 その辺をあんまり意識すると、恥ずかしさに負けてしまう。

「どうもー。太郎、良い子にしてましたか?」

「お疲れ様です。はい、そちらでお休みになっていますよ」

 ライサさんの示す先には、薄い木の板で作られてるっぽい箱が置いてあった。
 なんか横に丁度太郎が通れるくらいの穴が開いてるし、これハムスター用の巣箱か……
 なんで役場にそんな物が有るんだ。

 有るっていうか来た時に見た覚えが無いし、さっきの間に作ったんだろうけど。
 洗おうかって提案にお願いしますって言った私が言うのもなんだけど、役場の仕事をしましょうってば。
 ……いや、来客用の道具を作るっていうのは、ギリギリ仕事のうちなのか?
 まぁ良いや。


「おーい。おー、ふかふかだ」

 箱の穴に顔を突っ込んで中を覗いてみると、床には細かく砕いた木片や薄く削った木くずがもこもこと敷き詰められてた。
 ……役場にこんな素材が用意してあるはずもないし、これもわざわざ作ったんだろうか。
 これだけ小さくするのってかなり手間だと思うんだけど……
 木片も鋭く尖ってる様なのが無いから、小さくした後ひと手間かけてあるっぽいし。

 ていうかこれ、引っ付いたら綺麗にした意味がなくなるんじゃ?
 あ、でもこれくらいの大きさがあれば、土と違ってぱんぱん払うだけで落とせるか。

 どうやら中はいくつかの部屋に区切られているらしく、ここからじゃ太郎の姿が見えない。
 左右に二つずつ穴が開いてるから、どこかのお部屋で丸まってるんだろう。
 声をかけたのに出てこないって事は、お昼寝してるのかな?
 仕方ない、起こしに行こうか。


「お邪魔しまーすっと」

 入り口の穴からもそもそと木箱に潜り込んでいく。
 むぅ、流石に適度な狭さにしてあるせいで、翅が引っかかりそうになるな。
 動かさないと飛びづらいんだけど、背中に引っ付けて畳んでおくしかないだろう。

「ここ…… じゃない。こっち…… あ、居た」

 右側手前のお部屋に、気持ちよさそうに丸まって寝てる毛玉が見えた。
 いや思いっきり巣に侵入されてるけど、起きなくて大丈夫なの?


「おーい太郎ー、帰るよー」

 あ、起きた。
 めっちゃ「しまった……!」って顔してるし、本気で熟睡してたらしいな。

 それじゃ太郎も起きたし戻…… 下がろうとしたら、翅が引っかかった……
 え、ちょっと、これどうしよう。


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