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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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434/679

434:種類を変えよう。

 よし、それじゃいくぞー。

「白雪」

「はい?」

 と思ったらいきなりジョージさんが呼びかけてきた。
 なんていうか、止めるならもうちょっと早いタイミングで止めてほしかったんだけど。
 宙に寝転がったままで人の話聞いてるみたいなポーズだし。


「効果ってのは色々調整が利くんだよな」

「あー、はい。そうですね」

「どんな石にするかってのも決められんのか?」

「んー……? どうなんでしょ。効果の種類や強弱は選べますけど、内容までいじれるかどうかは判んないですね」

「ではせっかくですので、試してみてはいかがですか? 私は一向に構いませんよ」

 背後……というか私の真下から、カトリーヌさんの提案が飛んできた。
 まぁやってみるのは良いんだけどさ。


「いやー、試そうにも石の種類なんてあんまり詳しくないから、どうイメージすればいいのか解んないんだよね」

 ルビーやダイヤみたいな有名な宝石くらいなら知ってるけど、流石に宝石に変えちゃうのは多分無理だと思うし。
 そんなのが出来たらいくらなんでも、【妖精】だけ金銭的に有利過ぎるだろう。
 いや、その面では今更か。
 ふらふら蜜集めてるだけで銀貨が貰えちゃうくらいだもんなぁ。


「とりあえず変えられた事さえ判れば良いのですから、そうですね……」

「何か手頃な、私でも知ってそうなのとか有る?」

「黒御影石などはどうでしょう? 色もはっきり違いますから、成功していれば一目瞭然かと」

「黒いのは解るし名前も聞いたことあるけど、どんなのだっけ?」

 まぁそのくらいの理解度でもなんとかしてくれそうではあるけど、一応確認しておいた方が良いだろう。
 ちゃんとイメージ出来てた方が、なんか成功率が高そうな気がするし。
 そもそも不可能でどうあがいてもゼロパーセントって可能性も有るけど、まぁそれは置いておこう。


「そうですね…… 見る機会が多いと言えば、民家や会社の表札などでしょうか」

「あー、たまにある真っ黒の綺麗なやつ?」

 人の家をじーっと見てて警察呼ばれても嫌だから、ちらっとしか見たことは無いけどね。

「はい。あとはビルなどの定礎板や床のタイル、それと墓石にも使われていたと思います」

 あぁ、確かに黒いお墓って割と見るな。
 あれがそうなのか。

 ん、定礎板……?
 あー、名前通り「定礎」って彫って(かいて)ある、壁に有ったりするアレか。

 ……ていうかそれ、手頃なんだろうか。
 いや、まぁ良いか。



「うん、なんとなく解った。それじゃそんな感じで行ってみよう」

「大丈夫かよって言いたくなるくらいアバウトだな、おい」

「まぁ良いじゃないですか。ダメ元ですよ、ダメ元。危ないから少し離れてくださいね」

「あいよ」

 ジョージさんが下がったのを確認して、翅の先をカトリーヌさんの顔に近付ける。
 魔法防御の高い【妖精】相手だから、効果はちょっと強めにしてと。
 うーん、あの綺麗な黒い石…… じゃない、いや違わないけど、黒御影石になれー……



「お、これ出来たんじゃねーか?」

 むーっと念じながら【白の誘惑】を発動すると、粉が出てすぐにジョージさんの声が聞こえてきた。
 ちゃんと威力も上げておいたおかげか、【妖精】にも即効性を発揮したかな。

「あ、本当だ」

 くるっと反転して下を見てみると、気を付けの姿勢のままで真っ黒い石と化したカトリーヌさんが転がっていた。
 なんか表面加工とかしてないはずなのに、めっちゃぴかぴかのつるつるだな。


「ちょっとごめんね」

 転がっているカトリーヌさんの横に着地し、膝をついて肩に触ってみる。

「おぉー……」

 さわさわと腕を撫でてみるも、私のサイズからでさえ全くざらつきを感じない。
 完璧って言っても良いくらい綺麗に磨き上げられてるな……


「とりあえず変える事は出来るみたいだが…… これ、凄ぇ良い石なんじゃねーか?」

「私も詳しくはありませんが、相当な高級品に見えますね……」

 手触りが気持ち良くて無遠慮にぺたぺた触ってたら、いつの間にかジョージさんとライサさんがすぐ近くまで来てた。
 ……気にしてなさそうだけど、一応後で触り過ぎたって謝っとこうかな。

 んー、どうなんだろう。
 確かに表面がつるっつるなのを除いても、なんだか見たことがある石よりも綺麗に見える。
 いや、石自体を意識して見たことなんて全然無いし、気のせいかな?



「って、うわぁ……」

「あん?」

「いや、なんか妙にお腹空いた気がして確認してみたんですけど、普通に使ったんじゃ有り得ないくらいMPがごっそり持って行かれてました……」

 今の一回だけで半分近く使ったっぽいぞ、これ。
 カトリーヌさんが一息吸う分、ちょろっと翅の先に出しただけなのにこの減りようって凄いな……


「マジか。単に効果を変えるのが負担になったか、そんなに消耗するほどこの石が高級か、ってとこか?」

「両方だと思いますけど、なんか主に後者な気がしますね…… 全力でなんか綺麗な黒いのってイメージしてましたし」

「アホなんだな」

「……まぁ、場合によってはとんでもなく消費するって判ったんだから良いじゃないですか」

 うん、仕様を調べるのは大事だもんね。
 しかしこれもしかしたら、宝石にする事も仕様上は不可能じゃないけど、消費がとんでもなくて実質不可能とか言うオチなんじゃない?

 いや、というかこれもう宝石みたいなものか。
 石の値段なんて知らないけど、これだけ綺麗なら結構なお値段になるだろうし。
 いや、売らないけどね?


 ていうかこれ、アリア様に見つかったらヤバい気がする。
 流石に返さないとか言いだしはしないだろうけど、一日くらいお部屋に飾られてもおかしくないよ。

 ……現に今わたしの上でライサさんが、「受付の自分のカウンターに飾りたいです」って顔してるし。
 持ち去られちゃう前にさっさと切ってもらわないとだな……

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