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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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390/679

390:伏せられよう。

「まぁ茶番は良いとして、既に呼んであるのだろう?」

「ええ。つーか、さっきからそこに居ますよ」

 ジョージさんの指さす先を見てみると、テーブルの横にたたずむ犬耳お姉さんに抱かれたポチが。
 初めて見る、優しげで落ち着いた雰囲気の隠密さんだな。
 いや、っていうかなんでわざわざ隠れてるんだ。
 別に良いんだけど、能力の無駄遣いじゃないかな……

 あれ、よく見たらポチ寝てる?
 あー、だから抱っこされてるのか。
 あ、軽く揺すられて起きた。

 ってポチが寝てたらお散歩の意味無いんじゃないの?
 ……まぁ良いか。隠密さんだってわんこ触りたいよね。

 あら、そっち見てる間にアリア様たちは行っちゃったみたいだな。
 まぁ挨拶はもうしてるし、改めて言うまでも無いと思ったんだろう。


「おかえりー」

 バルコニーから飛び立って芝生に降ろされたポチに近付き、よしよしと頭を撫でまわす。

「あー、雪ちゃんずるいー。私も私もー」

「はいはい。ぴーちゃん、連れてきてあげて」

 ポチの首に乗っかって後頭部をわしゃわしゃしながらぴーちゃんに指示を出すと、ぴっと一声鳴いてお姉ちゃんに背中を向けてくれた。

「わーい。よろしくねー」

「シルク、この間にお風呂のお片付けをお願い」

 言わなくても知らないうちにやり始めてそうだけど、一応お願いしておこう。
 シルクがこくっと頷いてラキを摘まんで頭に乗せ、屋内へ入っていった。

 あ、お姉ちゃんを運び終わったらぴーちゃんも合流させないと。
 欲しいって言われたわけじゃないけど、多分飲みたがるだろうし。



 ぽふりと前に倒れ込み、ポチのもふもふに埋まってお姉ちゃんの方を見ていると、なんか驚いた顔してるのが見えた。

「雪ちゃーん、後ろ後ろー」

「ん? ……えーと、何事?」

 お姉ちゃんの言葉で振り返って後ろを見てみると、先程の隠密さんがわんこが伏せる様なポーズで手足を畳んで伏せ、顔も下に向けて犬耳のついた頭をこちらに向けていた。
 一瞬また土下座かと思ったけど、謝る様な事されてないし手は軽く握られてるし、なんか違うっぽいな。

 ん、握ってるっていうか親指は伸ばしたままで、他の指も付け根の関節だけはまっすぐなままだ。
 空手の平拳みたいだな。親指は握ってないけど。

 動いてる気配は感じなかったけど……
 いや、まぁそれはいつもの事か。隠密さんだし。


 しかしなんなんだ、この状況は。
 あ、ちょっと顔上げた。
 ……三秒ほど私の目をじーっと見て、また伏せて頭をこっちに向けてきたな。
 よく見たらしっぽが芝生を撫でるように左右に振られてるけど、わんこのしっぽにはあんまり詳しくないから、どういう感情なのかよく解んないな。
 いやそもそもこの人、犬の獣人ではあっても犬じゃないから関係なさそうだけどさ。

「えーと…… 雪ちゃん、これ自分も撫でて欲しいってアピールなんじゃない?」

「えぇ? って合ってるんですか……」

 背後からのお姉ちゃんの声に疑問を返した瞬間、隠密さんがそっと顔を上げて微笑み、また伏せる。
 見た目は普通の優しそうなお姉さんなのに、この人も色物なのか……
 もうお腹いっぱいなんですってば。

 ……ていうかジョージさん、私の所にはわざわざ癖の有る人を選んで連れてきてるんじゃないだろうな。
 いや、流石にそれは…… 無いとは言いきれないのが困る。
 まぁうん、ちゃんと仕事する人なら問題は無いんだろうけどさ。


「ありがとねー」

「ぴぅー」

 ぴーちゃんが着陸して、お姉ちゃんがその背中から降りてお礼を言ってる。

「ぴーちゃん、シルクたちと一緒にお風呂をお願い。流石にまだ全部飲まれては無いと思うけど……」

「ぴゃっ!?」

 私の言葉を聞いたぴーちゃんが、こうしちゃ居られないとばかりに素早く頭を下げて飛び去って行った。
 そんな急がなくても大丈夫でしょうに。


「よーし雪ちゃん、交代交代。わっふー!」

 妙な叫び声を上げながらポチのお腹に突撃するお姉ちゃん。
 全力でタックルしてもポチは痛くもかゆくもないだろうから良いんだけど、少しは遠慮しようよ。
 まぁポチが気にしてないんだから、別に良いか。

 さて、うん、問題はお姉さん(こっち)だな。
 どうしたものか……
 と言ってもどうせ撫でる事になるんだろうから、さっさと諦めた方が楽になるのは解ってるんだけどね。
 うん、正直そこは諦めてる。

 ってよく見たら首に巻いてるの普通のチョーカーかと思ったら、後ろに何かをつなげるための金具っぽいのがついてる……
 いや、何かっていうか確実に鎖か紐なんだろうけどさ。
 よし、見なかったことにしよう。
 ……出来ると良いなぁ。無理なんだろうなぁ。


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