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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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 ふにふにさわさわ、宣言通りに私を()でたおすソニアちゃん。
 いやまぁうん、楽しそうで何よりだよ。
 シルクほどの加減は流石に無理だけど、私がプリンかってくらい脆い事はちゃんと理解してるから手付きは慎重だ。

 ソニアちゃんには手を止めてもらって、こっちからその手に懐いていく方が安全ではあるんだけど、いくらなんでもそれは恥ずかしすぎる。
 私はラキほど無邪気ではないのだ。

 いや、あれは無邪気なのもあるけどそれ以上に私が好きだからだろうけど。
 ……うん、自分で言うのはなんかアレだな。
 多分事実だろうとしても何言っちゃってんのコイツって感じがしてしまう。
 まぁ良いや。忘れよう。


 ……はっ。
 「雪さんが可愛がるだろうから、私も可愛がる」という事はだ。
 ソニアちゃんがお友達になる機会が有れば、私もこの可愛い生き物を撫でくり回して良いって事じゃなかろうか。
 ソニアちゃん(この子)、同じスケールに縮めたとしても私の胸くらいまでもないだろうし……

 でもこの見た目だと、普段からそんな扱いされてるんだろうし慣れてそうだな。
 少なくとも私ほどの抵抗はないんじゃないか。
 いや、別に嫌がってほしいわけじゃないんだから、その方が良いんだけどさ。

 ……デカいし顔怖いしで怯えられない事を祈ろう。
 あ、でも私よりでっかいライカさんに懐いてたし、大きさは問題無いか。
 残る問題は顔だけど、どうしようもないし。



「ソニア。白雪を可愛がるのは良いんだが、そろそろ済ませておいた方が良いのではないか?」

「あ…… そう、です、ね…… ありがと、雪さん……」

「どういたしまして」

 私は座ってただけだけどね。
 いくら露出を減らしてるって言っても【吸血鬼】の体に月の光は辛いだろうし、なるべく早く済ませてお部屋に戻った方が良いだろう。

「コレット、起こしてやれ」

「はい」

 アリア様の指示を聞いて片足を上げ、転がったモニカさんのお腹を力強く踏みつけるコレットさん。
 もうちょっと優しく起こしてあげない?
 寝かされた原因も中々にアレだから、あんまり言えないんだけどさ。


「ぅぐふっ…… うぅ、すみませんでした。さぁソニア様、お体に触りますのでこちらへ」

「はぁい……」

 衝撃にうめきはしたものの、何事も無かったかのようにむくりと起き上がって進行するモニカさん。
 こういう扱いに慣れてるのかな……
 ……っていうか、今なんか微妙に違わなかった?
 気のせいだろうか。

 まぁ、字が違ったとしても事実ではあるか……
 それが楽しみで石碑の仕事を素直に請けた人だし。


「わー……」

 モニカさんに両脇に手を差し込まれ、たかいたかーいと掲げられるソニアちゃん。
 いやちょっと待って、何してんのこのくまさん。
 あ、でも光った。仕事は仕事でちゃんとやるんだ。

「モニカ……」

 あ、それを見た姫様がツッコミを入れ……

「ずるいぞ、私にもやらせろ」

 なかったね、うん。
 羨ましいだけだこれ。


「おー…… 高い……」

「何をやってるんですか……」

「うむ、自分でもよく解らんが…… まぁ良いのではないか?」

 話し合いの結果、アリア様がソニアちゃんをたかいたかいして、そのアリア様をモニカさんが同じ様に持ち上げるというよく解らない図に。
 なんだこれ。
 ……まぁうん、少なくともソニアちゃんは楽しんでるっぽいし良いか。



「さ、それでは戻りましょう」

「はぁい…… アリア様、コレットさん、雪さん、またね……」

「うむ、お休み」

「またねー。お疲れ様ー」

 正式な部下なはずのモニカさんと違って、ちゃんとアリア様たちの名前を私より先に呼ぶソニアちゃん。
 まぁ最初に会った時から相手が偉い人だってあわあわしてたし、粗略に扱う事は無いか。
 いや、その辺私が気にしすぎなだけかもだけどさ。



「さて。それではコレット、綿を出してくれ」

 はい、と返事をしてどこかから取り出した綿の塊を手渡すコレットさん。
 なんだか、一人用のベッドにするにはちょっと多い気がする。

「すまんな。待たせた」

「いえいえー。用意して頂けるだけでもすごくありがたいですから」

 ぬ?
 お姉ちゃん、いつの間に最上階のバルコニーに出てきてたんだ。
 ああ、まぁ布を運ぶだけならすぐだし他にやる事も無いか。

 ……てことは、さっき散々可愛がられてたのも見られてたのか?
 くそぅ、またからかうネタを提供してしまった気がする。

 いや、こっちで可愛がられるのは今更な感じで、大してネタにもならないか。
 ご飯の時に大勢の前でシルクにお世話されてるんだし。
 だからそんな「見てたよー?」って笑顔でこっちを見るんじゃない。



 ぐいっとコレットさんが屋敷の屋根を持ち上げ、アリア様が布の置いてある部屋に綿を敷き、その上に置いてあった布をそっと乗せる。
 うん、これなら【妖精】サイズ一人分くらいは余裕で寝られるな。

 あ、コレットさんがそっと掛布団代わりの布を上に……って絹じゃないのそれ。
 しかも一枚じゃ薄くて軽いからなのか、三枚も重ねてる。
 ……流石にこれは、ちゃんと返さないとな。
 受け取り拒否されたら、アリア様がまた来た時の為の何かに加工してやる。


「カトリーヌの部屋はここだな?」

「はい。私にも頂けるのでしょうか?」

「うむ。端に寄っているが良い」

 うん、ど真ん中にさぁ来いと構えられたら敷けないもんね。
 そりゃ退けろって言うよね。

 カトリーヌさんが素直に退避した所に、同じ様にベッドを作るお二人。
 うん、これもお高そうな布ですこと。


「よし、準備できたぞ」

「試しに乗ってみますねー」

「うむ、何なら飛び込んでみてはどうだ?」

「お、それ良いですねぇ。よーし、とりゃーっぁぁあぁっ!?」

 ……勢いよくベッドに飛び乗ったお姉ちゃんが、ぼいーんと綿の弾力で跳ね返されてそのまま飛んで行った。
 あー、綿を潰すには軽すぎたのか……


「あがっ!?」

 グシャッと音を立てて頭から壁に突っ込み、ずりずりと落ちて床に転がるお姉ちゃん。

「……いや、その…… うむ、すまん」

「い、いえ。良い案だって乗ったのは私ですから…… うぅ、恥ずかしい……」

 真顔で謝るアリア様に、変形した頭をぐるっと動かして返事をするお姉ちゃん。
 いや、そのまま動かれるとちょっと怖いんだけど……


「あー、大丈夫?」

 流石にかわいそうなので、近くに飛んで行って【妖精吐息】で治してあげる。

「うぅ、ありがとう雪ちゃん…… 柔らか仕様に助けられたよぅ」

「まぁ普通はどう見ても死んでるよね、それ」

 よりによって頭からまっすぐ突っ込んだから、衝撃がモロに首と頭に行ったっぽいからなぁ。
 若干首が胴体に埋まりかけてたし、生きてたとしても後遺症が残るレベルだろう、これは。


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