挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

384/672

384:ねだられよう。

 さて、それじゃ少し高度を取って……

「白雪、度々すまんが戻る前にもう一つだけワガママを言わせてもらって良いだろうか」

 と思ったらアリア様が何かあるらしい。

「はい? そりゃ私に出来る事でしたら、なんなりと言ってもらって構いませんけど」

 アリア様相手なら、普通の頼み事を断る気は無い。
 偉い人だし借りばっかりだし、無理なら無理って言うし。


「何、そう難しい事ではないだがな。蜜を取ってきてもらえないか? 今の大きさなら、一滴の蜜でも存分に味わえるだろうと思ってな」

「あ、はい。というかそのくらいでしたらわざわざ改まらなくても、気軽に言ってくれて良いんですけど」

「ははっ。気にするな、一応というやつだ」

「それじゃ、一旦テーブルに下りましょうか。ささっと取ってきますね」

 シルクに降下の指示を出して、蜜を取りに行くために反転する。


「厚かましくてすまんが、コレットの分も頼む」

 おや、背後からアリア様の要求が。

「いえ、私は……」

「遠慮しないでくださいよ。いや、飲みたくないって言うなら無理にとは言いませんが」

「……では、すみませんがお願い致します」

 断ろうとするコレットさんに押し付ける。
 なんか「私の蜜が飲めないのか」みたいな感じになったけど、ピーンと立ってる耳を見る限り嫌がってなさそうだから良しとしよう。
 あれ、多分判りやすくしてくれてるんだろうなぁ。



 取っ手付きのカップを三つ作って固定用のくぼみを作ったお盆に乗せ、蜜を一滴ずつ入れてテーブルへ戻る。

「はい、どうぞ。せっかくだからシルクの分も取ってきたよ」

 それぞれに礼を言ってカップを受け取ったのを確認して、とりあえずお盆を消しておく。

「やはり美味いな……」

「はい。甘さの割に不思議な飲みやすさがあります」

「うむ。普通の蜂蜜ではこうはいかんだろう」

 まぁうん、やった事は無いけど喉とか胸とか、甘みで焼け付きそう。
 ……こっそり練乳を単体で飲んでみたことはあるけど、喉がーってなったし。


「もっと飲みたくなるが、何にも適量というものが有るからな」

「そうですねぇ。いくら美味しい物でも、そればっかりだと嫌になる事もありますね」

 たまに売ってる変にでっかいプリンとかも、物によるけど途中から甘さに慣れて、玉子豆腐を食べてる様な気分になってくる。

「うむ。これならば嫌にはならんかもしれんが、ありがたみは薄れてしまいそうだからな。このカップはそのまま返せば良いのか?」

「あ、はい。頂きますよー」

 飲み終わったアリア様からカップを受け取り、口を付けてちゅるっと吸い込む。
 うん、中に残ってる蜜が一緒に口に入ってきて甘い。
 吸ってるのはカップの魔力なんだから、そのまま蜜だけ下に落ちそうなものだけど……
 なんだろ、私が精製した蜜だし、なんか魔力が混ざっててカップに馴染んじゃってるのかな?

 まぁ良いか。味が無いよりは甘い方がなんか良いし。
 ていうかいい加減このゲーム、考えるだけ無駄な事だらけだってのは解ってるし。


「ふむ、確かに頂きますだな」

「いや、そういう意味では無いんですが……」

 そんなダジャレとか言ったみたいに言われても困るよ。
 コレットさんからも受け取って吸い取り、残ったのが垂れてこないかなーと傾けてるシルクからも回収する。
 また今度あげるから、そんな悲しそうな顔しないの。



「さて、それでは巨大化するとするか」

「いや、元に戻るだけですけどね?」

 シルクに乗り込もうとするアリア様にツッコんでおく。
 そりゃ確かに今に比べれば遥かに巨大にはなるけどさ。

「お待ちください姫様。私が先に参ります」

「む、解った。確かに縮む時は私が先だったからな。戻る時も先を奪ってしまってはずるいというものか」

「いやいや、そういうのじゃないでしょう……」

 実験台とか護衛とかって問題でしょうに。
 縮む時は先だったのも、事前にお姉ちゃんで実験してたからだろうし。
 まぁアリア様も解ってボケてるだけだろうから、深くはツッコまないけど。


「では白雪様、よろしくお願いします」

「はい。これ、解除は多分触ってなくても大丈夫ですよね」

 そういうのは書いてなかったと思うし。
 試しにコレットさんの分の解除を念じてみると、ほわっと光に包まれていった。
 うん、離れててもいけるみたいだ。
 なんか触られないのが残念みたいな顔してたけど、私に触られてもご利益とか無いですから。

 光り始めると宙に浮くのか、シルクが手を離してもその場に留まってる。
 うん、危ないかもしれないから少し離れてようね。


「ふむ、広がり始めたな」

「ですねぇ。やっぱり居た位置に頭が来るっぽいですね」

 完全に光に包まれたコレットさんが縮む時と同様に光の粒になって一旦飛び散り、ふわりと戻ってきて本来のサイズの光の塊になっていく。
 事前の予想通り居た位置を基準に下に伸びてるから、やっぱり戻す時は飛んでからの方が良さそうだ。

「障害物がある場所でやるとどうなるのかが気になる所だな?」

「気にはなりますが、アリア様では試しませんからね?」

「むぅ」

 いや、何かあったらどうする気なんだ。
 いくら治せるとは言ってもアリア様の体が大変な事になるかもしれないし、その後は私がコレットさんにぐちゅってお仕置きされるのがオチじゃないか。
 まぁそっちは痛くはされないだろうし、死ぬくらいで許してくれるならいくらでも踏み潰してくれて構わないんだけどさ。

 ……痛くされないと良いなぁ。
 でもそれじゃお仕置きにならないのか?
 いや、お仕置きされる様な事するつもりは無いけどさ。

+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ