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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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377/673

377:言外に要求されよう。

「ほれぴーちゃん、しっかりしろ。ご主人様が困っているぞ?」

「ぴ…… ぴっ?」

 あ、どうしたものかと思ってたらアリア様がカップから出て、ぺたぺた歩いてきてぴーちゃんを起こしてくれた。
 ぴーちゃん一瞬しまったって顔してたけど、びっくりしてつい噛んだりしたらどうしようかと思ったよ。


「ぴぅー」

 ごめんなさいとぺこぺこ頭を下げるぴーちゃん。

「いいよいいよ。気にしないで…… っていやぴーちゃん、ラキの事は気にしてあげようね」

 頭を下げる時に胴体も一緒に動いてるからふかふかがゆっさゆさ揺れて、根元でぐっすり寝てたラキがどんどんずれていってふかふかに挟まれてしまった。
 あ、慌てて這い出てきた。

 まぁ流石に息ができないだろうからなぁ。
 普段なら間に埋められても羽毛で少しは空気が通るだろうけど、今はお茶で濡れててぺったり引っ付いてるし。


「ぴゃぁ……」

 自分のふくらみの上に乗って怒りの威嚇をしてくるラキに、しょんぼりとお返事するぴーちゃん。
 まぁそんなところに入り込んでたのって、ラキが自分でやった事だと思うんだけどね。
 いや、なんかお互いにどうしようって話し合った結果なのかもしれないけど。

「はいはい。ぴーちゃん、私に謝る方に意識が行っちゃっただけだからさ。これ上げるから許してあげてね」

 ぷんすこしてるラキの前に、お茶で濡らした右手の指を差し出して宥める。
 あ、すぐに引っ付いてきた。
 ……もしかしてずるいぞーってのも有ったのか?
 いや、でも寝てて見てなかったし、そっちは無いか。



 ……なんかぴーちゃんを起こしに来てくれたアリア様が、私の指に付いたお茶を舐めるラキを、その場でしゃがんでじーっと見ている。

「……あの?」

「何かな?」

「いや、そんな見られてたら気になるというか、ツッコミ待ちにしか見えないんですが」

「なに、気にするな」

 いや無理ですって。
 これ口には出さないけど何か要求が有るって言ってる様なもんでしょ。
 どうするべきか……


「えぇと、これをご所望ですかね……?」

 迷った結果、左手で【魔力武具】でカップを作って、私のお風呂からお茶を掬って差し出してみた。

「おお、くれるのか? ではありがたく頂くとしよう」

 どうやら正解だったらしく、カップを受け取って自分のお風呂に戻って行った。
 うん、まぁあの感じだと「可愛がりたい」か「自分も欲しい」のどっちかだよね。
 ……私の指を舐めたいとかじゃなくて助かった。

 というか自分の入ってるお湯を人に飲ませるってのもなかなかにアレだけど、まぁ【妖精】はそういう生き物だから仕方ないと開き直るしかないよね。
 素足で捏ねたバターなんて物を渡しておいて、今更何を言ってるんだって話だけど。


「あ、アリア様良いなぁー」 

「いやお姉ちゃん、妹のお風呂のお湯を飲みたいとか言わないでよ?」

 カトリーヌさんに揉まれながら見ていたお姉ちゃんの言葉に、即座にツッコんでおく。

「えー? でもこっちでの雪ちゃん、そういうなまものなんだから良いじゃない」

「まぁそうなんだけど、せめていきものって言ってくれないかな?」

 なんか受ける感じが結構違うから。


「そうは言いますが、今はミヤコさんもそういった体ですわよね?」

「あぁっ、藪蛇だった!」

 お姉ちゃんの後ろから身を乗り出して、イチゴ風味のお茶に口を付けようとするカトリーヌさん。
 あ、邪魔しようとしたタイミングで上手い事気持ち良い所揉まれて、くにゃっと脱力させられてる。

「大変美味しゅうございました」

「うぅ、要らない事言わなきゃ良かったよぅ」

「ま、まぁうん、さっきの言葉通り今はそういう存在になってるから仕方ないって開き直ろう」

 なすすべなくごくごく飲まれてしょんぼりするお姉ちゃんに、慰めにならない言葉をかけておく。
 でも実際、本当にそういう体になってるからなぁ。
 アリア様のブドウ風味のお茶も、美味しかったのは事実だし。


「むぅ、人に言っておいて自分はってのは通らないか……」

「ま、【妖精】が変なのは今に始まった事じゃないし、今更気にする事でも無いけどね」

 まともな妖精っぽい仕様の方が少ない気がするし。
 あ、でも「妖精」って言っても世界には色々居るというか設定があるんだよね。
 極端なのだと斧で人を殺して回るだけの存在とかも居るくらいだし。
 ファンタジーでよく居るゴブリンとかも、元々の分類としては一種の妖精なんだっけか。


 そんなのに比べたら可愛いもの……でもないか。
 一匹ならまだしも、昔は集まれば空を覆いつくせるくらいの数が居たらしいし。

 いや、見た目は普通に妖精らしい外見で可愛らしいとは思うけどね。
 昔居たって言う【妖精】は、雰囲気も幼い感じだったみたいだしなぁ。

 ……その幼児みたいなノリで色々やらかすから問題なんだけどさ。
 子供が虫を殺す程度の気軽さで、無邪気に人間を消し去ってたっぽいし。

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