挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

366/679

366:味もみておこう。

「ふむ、やはり判らんな」

 差し出していた手を戻し、指先を嗅いで首を振るアリア様。
 お姉ちゃんが横から顔を出し、アリア様の近くですんすんと匂いを探る。

「お茶の香りしかしませんねぇ」

「そういえば普通の感覚はあるんだね」

「うむ。……む?」

 私の言葉に頷いたと思ったら何やら疑問符を浮かべ、ちゃぷっと両手でお茶を掬うアリア様。
 何かが浮いてたわけでもなさそうだし、どうしたのかな?

 ていうかカトリーヌさんがシャワーの役目が終わったのに戻ってこないと思ったら、手をお湯に入れてラキの足場になってあげてるな。
 そういえば、あのままじゃラキには深すぎるんだよね。
 まぁラキの事だからどうにでもできそうではあるけど。


「その香りとやらは、茶にも移っているのだろうか?」

 アリア様が掬ったお茶をこちらに差し出してきた。
 ああ、気になったのね。

「んー、手からだかお茶からだか判りませんねぇ。あ、そうか」

 魔力で計量スプーンの様な物を作って、アリア様の手から少し貰って顔の前に。

「あー、お茶にも染み込んでますねぇ」

「ふむ。お友達は香り付けにも使えるという事だな?」

「いや、シナモンスティックじゃあるまいし……」

 お茶をカップに返してから、スプーンを消しつつツッコむ。
 言ってはみるけど実際に良い匂いがしてるから、ツッコミにも力が入らないよ。
 ん、横でお姉ちゃんが「ん?」って声を出した。
 なんだか嫌な予感しかしないぞ。


「雪ちゃん雪ちゃん」

「ん?」

「匂いが出てるって事は味も出てるのかな?」

「ふむ、確かに。どうだ?」

「それは飲めと言ってるんですかね……」

 聞くまでもないけどさ。


「いや、無理にとは言わんよ。普通は人が入っている風呂の湯など、飲みたいと思うものではないからな」

「まぁそうですよねぇ。雪ちゃんが入ってた場合は違いそうですけど」

 うん、妖精茶とか関係なしに欲しがる庭師さんが隣に住んでるな。
 シルクにも飲まれるし。
 あ、シルクが飲みたがるかもしれないし鱗粉の自動生成はオンにしとこうか。
 多分あれが無いと甘くならないからな。


「ま、生きた人間丸ごと食べてる時点で今更ですから良いですけどね」

 丸飲みとかではないけど、綺麗に処理したわけでもない内臓まで全部食べておいて、入ったお湯だけは嫌だってのもなんか変な気がするし。
 いや、どちらにしろ気分の問題だから、それはそれで普通だろうけど。

「ふむ、それもそうか。ほれ飲め」

 ずいっと差し出されたお茶に、魔力で作ったストローを刺してちゅーっと吸い取る。
 あちち…… うん、グレープティー。
 普通に美味しくてまたツッコみづらくなるよ……


「直に口を付けても良かったのだぞ?」

「いや、なんか恥ずかしいんで……」

「可愛い雪ちゃん見たかったなー」

「せいっ」

 横でニヤニヤとした笑みを浮かべてからかってくるお姉ちゃんに、どすっとチョップを一発叩き込んでおく。


「うぅ、酷いよぅ」

「あっちでじーっと見てるラキをけしかけないだけ、まだマシでしょ」

「あぁっ、許してラキちゃん!」

 両手を合わせてぺこぺこ頭を下げるお姉ちゃん。
 そんな下手に出なくても……
 まぁそれだけ仲良くしたいのかな?
 うちのラキちゃん、元気で可愛い子だしね。


「で、どうだったのだ?」

「お察しの通り味もしっかり出てましたよ……」

「ふむ、自分では判らんのが残念だな。と言っても、【妖精】ならともかく自分が入っていた湯は流石に進んで飲もうとも思わんが」

 と言う割に、しっかり一口は試すアリア様。
 好奇心旺盛なお姫様だな、本当。

 ていうか妖精茶も欲しがらないでほしいとこなんですけどね。
 この世界だと言うだけ無駄なのはもう解ってるんだけどさ。


+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ