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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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345/730

345:もっとお友達になろう。

 【妖精】との魔力の差でお姉ちゃんが悔しそうなんで、頭に手を置いてなでなでしてみる。

「おわー、首がぁー」

「あー、ごめん。力加減が難しいね」

 私の手の動きにつられて頭を揺さぶられながら文句を言うお姉ちゃんに謝る。

「ていうかなんで撫でるの」

「いや、ちっちゃい子がむくれてるからさ」

「私お姉ちゃんだよお姉ちゃん。年上だよ?」

「いやー、そうは言ってもなぁ。だって、私から見たら丁度一歳児くらいのサイズだよ?」

 あれ、平均はもうちょっと大きいんだっけ?
 まぁ誤差だな。


「ぐぬー、振り払えない……」

 頭に乗った私の手を両手で掴んで、ぐいぐいと力を籠めるお姉ちゃん。
 うん、片手で十分抵抗できるな。

「むだむだー。大きさはパワーなのだ」

「うぅ、元に戻ったら見てろーって言いたいところだけど、そうなったら今度は差があり過ぎて潰しちゃうもんなぁ……」

「今のお姉ちゃんと違って伸びたりしないしねぇ。今はこっちが二倍……よりちょっと大きいかな?」

「だね。ちょっと手を出してみて?」

「ん」

 言われたとおりに撫でているのと反対の手をお姉ちゃんの前に差し出す。
 比べてみるのかな?


「撫でるのは止めないんだね…… えーと、普段の雪ちゃんの手の大きさから考えて……」

 お姉ちゃんがぺたりぺたりと私の手に自分の手を乗せて、大きさを計ってる。
 一度置いて少しだけ指先側に手をずらしたのは、現実での手の大きさの差かな?


「んー、確かに二倍は超えてるね。一割増しくらい?」

「かな?」

「てことは重さが大体十倍…… 私から見れば雪ちゃんが半トン超えかぁ。あはは、雪ちゃんおっもーい……ごめんごめんゆるしてー」

 撫でていた手をぐいーっと下に動かしていくと、慌てて謝ってきた。
 重くないやい。
 いや、縦にデカいから重いには重いんだけどさ。太ってはないやい。


「何じゃれてるんだよ」

「うわー、数百トンのばけものだー」

「うっさい小銭」

 呆れるアヤメさんをおちょくるお姉ちゃん。
 あぁ、一万分の一って事は大体百円玉くらいの重さになるのか。

 しかし普通に怒られたらどうするつもりだったんだろう?
 まだ迫られたら怖いだろうに。
 まぁアヤメさんなら大丈夫そうだけどさ。



「まぁそれは良いとして、あと気になるのはこの調整ってのかな?」

 アヤメさんが机に置いてたパネルを拾って聞いてきた。
 そういえばパネル消してなかったな。

「えーと、触って魔力を流したら調整出来るんだっけ?」

「そう書いてあるな」

「うぅ、どうなるか怖い気もするけど…… 良いよ雪ちゃん、やっちゃって」

 お姉ちゃん、もうどうにでもなれーって思ってない?
 まぁ協力してくれるのは助かるから良いんだけどさ。


「これ、追加の時は額じゃなくて良いのかな?」

 パネルを持ったままのアヤメさんに聞いてみる。

「『お友達』に触れた状態としか書いてないから、どこでも良いんじゃないか?」

「そか。それじゃお姉ちゃん、そこに立っててね」

「うぅ、どきどきするなぁ……」

「とりあえず強める方向でやってみるねー」

 お姉ちゃんの正面にしゃがみこんで、両肩に指を乗せて魔力をそっと流していく。
 ……おぉ、ちょっとだけ縮んだ。
 効果の強度っていうのは縮小倍率の事か。


「うわぁ、もっと小さくされるの!?」

「あー、怖いならやめとく?」

「ま、まだ大丈夫。ほら、どんと来いだよ」

「無理せずに、早めにストップかけてね?」

 と言いつつ最初より少し多めに魔力を流し込んでいく。
 調整だと光の粒にならずに、そのままシュルシュル縮んでいくんだなぁ。

 ……え、これどこまで行けるの?
 もう最初の半分くらいなんだけど。
 あと魔力の消費、結構大きいな。お弁当食べとこ。


「おぉ、凄いな……」

「ジョージ、ちゃんと抑えておけよ?」

「コイツ、家に放り込んどいた方が良いんでないですかね?」

「もう大人しくいると約束しますので、後生ですので見させて下さい」

 ……いつの間にかモニカさんの拘束が強化されて転ばされてる。
 肩のあたりを縛った縄と足首の縄が、短い縄で繋がれてめっちゃエビ反りになってて辛そう。
 ていうか必死過ぎるでしょ。


「ふむ。では拘束を解いてやれ、ジョージ」

「良いんですかい?」

 一応聞きはするけど、返事は待たずに解くんだな。

「ただし許可を得ずそこから一歩でも近づいたら、ここの仕事から外す事にする」

 あー、それなら来ないだろうな。
 ……つい前のめりになって厳しい判定をされたら困るからか、二歩下がったくらいだし。



 あ、ヤバっ。
 よそ見しながら魔力流してたら、気付かないうちにさらに半分くらいになってた。
 うわー、もう私の手の方が大きいじゃん……

 あー、無意識に手を置いたままだったから肩が潰れてる。
 もう私と人間くらいの差が有るから、手なんて乗せたら押し潰しちゃうよね。


 上からだと圧迫感が凄いだろうし、手を下に敷いて乗ってもらおうか。
 あ、もぞもぞ上って来た。

「えーと…… まだやる?」

 手の上のお姉ちゃんに問いかけてみたら、両手をブンブン振って何か言ってる。
 そうか、普段の私と同じで【聴力強化】無いと小さくて聞こえないか。
 逆にこっちは声を絞らないとだな。
 まぁ多分オッケーって事だろうし、追加で行ってみよう。


 おぉ、まだ縮むのか……ってあれっ?
 さらに半分、七センチくらいになったお姉ちゃんが、両手を交差させて首振ってる。

「え、あ、ごめん。ストップね」

 ……もしかしてさっきの段階で、もう止めようって言ってたのかな……?


 あ、なんかラキが走って来た。
 おー、ちょうど同じくらいのサイズだな。

 お姉ちゃんの方がちょっとだけ大きいかな?
 クモの部分を含めればラキの勝ちだけど。

 お姉ちゃん、勢いにビックリしてつい逃げたのかも知れないけど、流石にラキから逃げ切るのは無理だと思うよ。
 その子サイズの割にめっちゃ速いし。
 ていうか逃げる所なんて無いけど。


「こらこらラキ、お姉ちゃんイジメちゃダメだよ?」

 正面に回り込んできしゃーっと威嚇するラキに注意しておく。
 あ、ひょいっと持ち上げてお尻に乗っけた。

 お姉ちゃんを乗っけたお尻をぴっこぴっこと上下に動かして、上に乗っけたお姉ちゃんがあわあわするのを楽しんでるっぽい。
 なんだろ、あそぼーって走って来たのかな?
 それとも敵が縮んだからおちょくってるだけなんだろうか。


 まぁとりあえず助けてあげよう……ってお姉ちゃんもだんだん楽しくなってきてない?
 着地した時にぽふって毛の感触を確かめてるっぽいし。

「おーいお姉ちゃん、逆も試すから戻ってきてー」

 そのまま遊ばれてても、今はちょっと困る。
 まぁアリア様も楽しそうに見てるし、問題は無いかもしれないけど。


「あっ」

 ……ラキはお尻に乗っけたまま運んであげようと思ったんだろうけど、お姉ちゃんが突然の加速について行けるわけもなく、その場に取り残され半回転して頭からテーブルに落ちた。
 あー、ちょっと潰れちゃったけど、まぁあのくらいならすぐに戻るかな?

「ラキ、乗っけてる時はゆっくり動いてあげてね?」

 流石に気まずそうな顔をしているラキがコクコク頷く。
 あ、拾いに行った……いや違う、あれ潰れた所舐めに行っただけだ。


 お姉ちゃんを腕ごと胴体を掴んで持ち上げ、後頭部をペロペロ舐めながら私の手に連れてくるラキ。
 ……うん、まぁ連れてきてくれたしオッケーではあるのかな……?

「はい、それじゃラキは離れててねー。お姉ちゃん、行くよー」

 酷い目に遭った……って顔してるお姉ちゃんが両手で大きな丸を作ったのを確認して、効果を弱めるのを意識しつつ魔力を流していく。
 おー、どんどん大きくなるな。
 大きくする方が魔力の消費は少ないみたい。


 三十センチくらいになったあたりで、お姉ちゃんが手から降りて行った。

「んもー、ストップって言ったじゃない」

「もう解ってると思うけど、聞こえなかったんだって。ごめんね?」

「むー、仕方ないなぁ。それにしても、もうあそこまで行ったら普通の人なんて大きすぎて、同じ生き物だなんて思えないねぇ」

 まぁ、あれだと人間から見れば七ミリで、お姉ちゃんから見れば普通の人が三百メートル以上だもんなぁ。
 超高層ビルとかタワー並みだよ。 

「お姉ちゃん、その状態でラキに突撃したんだからね?」

「……ごめんなさい」

 土下座するお姉ちゃん。
 うん、素直で良いと思うよ。


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