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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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336/679

336:操ってみよう。

「さて、そんじゃ私はそろそろ……って帰って来たな」

 ん? あー、エリちゃんか。

「ただいまー。お、もう落ちちゃう感じー?」

「ああ。それじゃ、またな」

「あ、ちょっと待ってアヤメちゃん」

「ん? どうした?」

 ログアウト操作をしようとしていたアヤメさんに、お姉ちゃんが唐突な待ったをかける。
 もうやることは無いと思うんだけど、どうしたのかな?


「いやぁ、アヤメちゃんが居ないとできない事では無いんだけどさ」

「なんなんだよ」

「雪ちゃん、いつもログイン直後にスキル確認して朝が慌ただしくなってるからさ。変な事が有っても大丈夫な今の方が良いんじゃないかなーって」

「あー……」

 まて、変な事ってなんだ。
 ……思い当たる節が多すぎるな。うん。

 確かにいつも確認してなくて、みんなの出発を遅らせちゃってる気がする。
 いや、まだ"いつも"って程の回数じゃないけどさ。


「確かに、別に朝にチェックする必要は無いんだよね」

「雪ちゃん、意図的にやってるみたいに言ってるけど、今も忘れてたよね?」

「……うん」

「まぁ良いんじゃないか? とりあえず見てみなよ」

「今度は何やらかすのかなー?」

「やらかさないやい」

 エリちゃんの茶化しに口を尖らせつつ、まずは召喚獣パネルを呼び出してみる。


「あ、同時召喚数が一枠増えてる。やったー」

「お、おめでとー。喚べる子の種類は増えてないの?」

「えーと…… そっちは朝と一緒だね」

「なんか新しく契約しないのか?」

「んー、なんかまだ種類増えそうだし、契約枠は残しておきたいかなぁ」

 ソニアちゃんみたいに同じ種類の子を複数喚んでもふもふするのも良いんだけど、気になる種族が出てきたのに枠が無くて喚べないとなんか悔しいし。


「ま、流石にこれで全部って事は無いだろうな」

「ねーねー、これ一覧にスライム居るけどユッキー持ってたっけ?」

 あんまり広げてないのに目ざといな、エリちゃん。

「いや、居ないけど…… まぁモフモフしてないのは判り切ってるし別に良いかなって」

「あー、まぁそりゃスライムに毛皮は無いだろうねー」

 むしろ毛皮の有るスライムってどんなのだ。
 ……毛皮で作った袋の中にスライムを入れたみたいな?

 はっ、もしやでぶねこのお腹みたいな感じなのでは!?
 でも手触りは良いかもしれないけど、それが単体でうねうね動いてるのはなぁ……
 いや、そもそもそんなのは居ないだろうからどうでも良いんだけど。


「それ言ったら、シルキーやアラクネもなんだけどね」

 なんか横からお姉ちゃんにツッコまれた。
 うん、まぁそれもそうだけどさ。

「今いる三(にん)は新しく出てどんなのか気になった子たちだしなぁ」

 スライムは普通にスライムでしょ?
 あとラキは結構お腹ふさふさで、手触りも良い感じだよ。
 シルクは毛皮無いけど、ぷにすべだし。

 まぁ、手触り(それ)を言うならスライムだってひんやりぷにぷにかもしれないけどね。
 でも今日みたいに、一気に二つ三つと出てくる可能性だってあるから、無理に喚びたいとは思わないよ。


「ていうかお姉ちゃん、スライム喚んでほしいの?」

「……あー、私的にはのーさんきゅーかな。雪ちゃんが喚びたいなら別だけどね」

 カトリーヌさんをチラッと見て断るお姉ちゃん。
 うん、やっぱりそうだよね。

「ま、別に全種類揃える必要も無いんだし、スルーで良いだろ」

「んだねー」

 言い出しっぺのエリちゃんが真っ先にアヤメさんに同意する。
 いや、まぁ喚べとか言ったわけじゃなくて持ってたか聞いただけだけど。



 さて、召喚数は増えてたけど今から喚んでも仕方ないしパネルを閉じよう。
 今度はスキルパネルを開いて、と。

「ん、控えのスキルが増えてる? あ、訓練の時に魔法系スキルで枠埋めたままなんだった」

 何かやってる時にスキルが生えたら判りやすい様にって空けてあったのに。
 まぁ気付けるってだけで必須って訳じゃないから、別に良いんだけど。

「なになに?」

「んーと、【人形術】と【傀儡(くぐつ)術】…… これ分ける必要あるのかな?」

 どう違うんだろう。
 まぁ詳細見ればすぐ解るか。


「おや、【傀儡術】ですか?」

 と思ったらカトリーヌさんが覗き込んで来た。

「ん? カトリーヌさんは取れてないの?」

「はい。私は【人形術】のみですわ」

 ほらって感じでパネルを見せてくるカトリーヌさん。

「ほんとだ、【傀儡術】が無いねぇ」

「何故でしょうね?」

 私が見たのを確認してスッとパネルを消すカトリーヌさん。

 いやちょっと待って。
 なんか【被虐嗜好(マゾヒズム)】とか見えたんだけど。
 ……うん、見なかったことにしよう。
 多分触れても良い事ないやつだし。


「んー、やった事の違いかな? あ、そうだ。カトリーヌさんは糸使ってないでしょ」

「あぁ、確かに。では次の機会では、それを確認するために糸を頂けますか?」

「うん、良いよ」

 多分普通の糸でも良いんだろうけど、私の糸の方が魔力の通りが良いらしいしね。
 ていうか【傀儡術】のスキル説明に「糸を介して対象を操るスキル」って書いてあるし、ほぼ確実に糸を使うかどうかだな。


「……なぁ、これ『人形』じゃなくて『対象』って書いてあるんだけど」

 アヤメさんが困惑顔で表記にツッコミを入れてきた。

「あー…… エリちゃん、ちょっと良い?」

「お、人体実験かな? 良いよー、ばっちこーい」

 声をかけた意図を察したエリちゃんがへいへーいと手招きしてきた。
 うん、話が早くて助かるけどさ。少しは躊躇った方が良いんじゃないかな?


 芝生に座り込んだエリちゃんの背後から近づきつつ、注意しておく。

「動かない様に気を付けてね。引っ張られたらどっか千切れちゃうかもしれないし」

「わかってるよー。てか、ちょっと余分に出して弛ませておけばいんじゃない?」

「あ、そだね。んじゃ引っ付けるよー」

「うぃー」

 首の付け根あたりにピトッと先端を貼り付け、ふと気付く。

「これ操る時に魔力流すけど大丈夫なのかな……?」

「あー、操るスキルを意識しておけば大丈夫なんじゃない? 根拠ないけど」

 ……これ「溶けたら溶けたで気持ち良いし、どっちでも良いかー」で言ってるな。
 まぁ本人が良いって言ってるんだし、やってみるとしよう。

 うすーく流して、その魔力は全部動かす為に頑張ってもらう感じで。
 とりあえず右手を上げようとしてみようかな。


「お、なんか変な感じー。ちょっと増やしてみて?」

「はーい。……どうかな?」

 要求に応じて少しだけ増やしてみた。
 溶けてはないみたいだけど、動いてもないな。

「お、行けるんじゃない? なんか右肩に来た気がする」

「んじゃもうちょっと増やしてみるね。……おっ?」

 ジワジワ増やしてみたら、エリちゃんの右肩がピクッてした。



「うおー、これすっごい奇妙な感覚だー。操られるってこんななのかぁ」

「あー、ダメだ。流石に人間を操るのはまだ厳しいみたい」

 もっと増やして右腕を真横まで上げてみたけど、このサイズ差の相手を操作するのは燃費が悪すぎる。
 エリちゃんが自分で動かそうとしたら、それを押し留めるので余計に減っていくし。
 全身を好きに操ろうと思ったら絶え間なくMPを補給し続けないと無理そうだ。

 一杯使ってスキルレベルを上げれば操作性も燃費もどんどん良くなるんだろうけど、別に操ろうとは思わないしなぁ。
 まぁ他の訓練と一緒にやるから、勝手に上がっていくだろうけど。


「でも"まだ"なんだよな……」

「雪ちゃんが黒幕っぽくなっていく……」

 いや、糸で直接操ってるのは別に黒幕じゃないと思うよ。
 字面的にはそんな感じだけどさ。

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