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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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334/679

334:意地悪してみよう。

 ん、カトリーヌさんの沈みが止まって少し戻ってきた。
 後頭部からお尻までの背面が水面上に出た状態で、ぷかりと浮かんでるな。
 あれ息できてないと思うんだけど大丈夫なんだろうか。
 ……まぁカトリーヌさんだし慣れてるか。

 気にせずちゅるちゅる飲んでいこう。
 近くにカトリーヌさんが浸かってるけど……まぁそもそも人間の体飲んでるんだし、そこも今更気にする必要は無いだろう。


 なんか妙に減りが早い様な……ってカトリーヌさんの方に流れていってるじゃないか。
 うつぶせに浸かったまま吸い込んで行ってるのかね?
 お行儀悪いぞ。
 ……いや、逆さになってから水面に直接口を付けて啜ってるこっちも、まるで言えたもんじゃないんだけどさ。

 ていうか息継ぎしてないし、どう考えても一口に吸える量じゃなくない?
 ……もしかしたらエリちゃんが自分から流れ込んで行ってるんじゃなかろうか。
 逆さになってる私と違ってカトリーヌさんの胴体は横になってるんだし、出来なくは無いだろうからなぁ。

 まぁ窒息死しちゃう前にはエリちゃんが死に戻りして解放されるだろうし、放っとくか。
 あ、いや、意識有った。
 流石に限界だったのか、顔を上げて息継ぎしたな。

 ……いや、なんでまた顔突っ込むんだ。
 起きてるなら浮けば……ってそもそも出る気が有るならすぐ上がってきてるか。
 ぬぅ、美味しいからって自分だけたくさん飲むつもりか。ずるいぞ。

 いや、でも流石に同じ事はしたくないな。
 アレに入りたくないのも有るけど、服が汚れちゃいそうだし。
 あとお姉ちゃんめっちゃ引いてるし。いや、それは元々か。



 底に沈んでいた服に染みこんでいたエリちゃんが私の方に集まってきて一つの塊になったので、口を付けてちゅるっと吸い込んでもぐもぐ。

「イってキマース」

 噴水広場に? それとも胃に?
 いやどうでも良いし、別にそんな事は特に考えずに言ったんだろうけど。
 おつかれーじゃないって事は、たぶん戻ってくるって事だよね。
 いや、そりゃ拠点が有るのにわざわざ外でログアウトしないか。

 ふいー、満足だー。
 いや、もっとあるならいくらでも飲んじゃうけどね。
 人間と違って、いつでも簡単にお腹空かせられるんだし。

 ……あー、人間(材料)はそこにまだ……いやうん、大丈夫。
 大丈夫だからその握りしめた拳を開こうね、シルクちゃん。


「おーい、生きてるー?」

 セットの布の上でうつぶせになってぷるぷるしているカトリーヌさんに近づき、ごろんとひっくり返して頬をぺちぺちする。
 ……うん、うつぶせだと隙間が有るから手が差し込みやすいね。

「……はっ。私は一体……」

「あぁ、ちゃんと起きてるね」

 暴走しかけてたら殴らなきゃいけない所だったよ。
 その可能性に気付いて「しまった!」って顔しても遅いからね?


「むぅ、あれは確かに危険ですわね……」

「あ、それじゃカトリーヌさんは次から食べなくていいかな?」

「白雪さん、その様な意地悪を言わないでくださいまし。食べます、食べさせてくださいな」

「いやいや冗談だから。そんな真面目に懇願しなくても大丈夫だから」

 確かにそうなるのは解るけど、真顔でがっしり私の肩を掴まなくても。
 これ独り占めしたら外で犠牲者が出かねないんじゃ……
 いや、これでも異常な所以外は凄くまともな善人だし、ちゃんと我慢するだろうけどさ。
 もし我慢できなくなったとしても、邪魔する私を倒してエリちゃんを食べるくらいだろう。

 ……いや、なんか「おあずけ」として愉しみそうな気もするけど。
 なんせカトリーヌさん(このひと)だし。


「一応改めて言っておくけど、美味しそうな人が居たからって襲っちゃダメだからね?」

 いや、本当は私にカトリーヌさんの行動を縛る権利なんて無いんだけどね。
 まぁお願いって事だし、強制ではないし。

「はい、もちろん大丈夫ですわ。その様な事をしてしまえば、お相手を含めて色々な方に迷惑をかけてしまいますから」

「うん、それなら良いんだけど。それじゃ、あっちに戻ろうか」

 支柱の上に待機していたラキを拾って、お姉ちゃん達の居るテーブルに向かう。
 そういえばやる気満々だったのに手出ししなかったな。
 あぁ、先にぴーちゃんが撃墜しちゃったから、必要が無かっただけか。


 ……いやお姉ちゃん、ちょっと下がらないでよ。
 普通に話してるの見てたでしょうに。

「はいはい、大丈夫だから逃げないの」

「むぅ、解ってはいるんだけどさー。ぴーちゃんに蹴られる前のカトリーヌさんとか、今にも飛んで来そうな感じだったんだもん」

「申し訳ありません。まさかあれ程とは……」

「あー、まぁ阻止されたんだし、次からは覚悟できてるんだから大丈夫だろ」

「はい。あの様な醜態を晒すのは……望む所ですが、私の趣味で皆様にご迷惑をおかけする訳には参りませんから」

 いや、そこは晒すのは今回限りとか言っておこうよ。
 まぁ本音っぽくて信用できそうではあるけどさ。

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