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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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322/728

322:お礼に撫でよう。

 むすーっとした顔をしつつも食べ進んで行くぴーちゃんを見て、嬉しそうな笑顔を見せるジェイさん。

「うふふ。お気に召したみたいで良かったわぁ」

「ぴっ」

 ぴーちゃん、しっかり一切れ完食してからじゃぷいって顔背けても遅いよ。

「ささ、もうおひとつ」

「……ぴぅ」

 ……いやー、この子やっぱり結構チョロいんじゃなかろうか。
 カトリーヌさんが次を取ってきたら、顔背けたままススッと寄って行ったよ。



 あれ、シルクが前に出て……

「ぴゃ?」

 何するのかと思ったら、もぐもぐしてるぴーちゃんを撫で始めた。
 なんだなんだ、チョロさが可愛かったのか?

「あらあら。シルクちゃんもお野菜どうかしら?」

 うふふ、と笑いながらシルクにも勧めるジェイさん。
 あ、でもふるふると首を振って断ったな。


「あら残念。……あら?」

 大人しく引き下がってひっこめられる触手に、スーッとついていくシルク。
 何、遠慮したけど本心はすっごい欲しいの?

「あらら?」

 いや、違った。
 触手が元の位置に戻ってもそのまま止まらずに、ジェイさんの頭にピトッと引っ付いた。
 いきなりどうしたんだろう。
 ていうか貼り付いて何をするつもりだ?


「んうっ……」

 ……なんかジェイさんの頭を撫で始めた。
 なんだろう、ぴーちゃんにごはんくれてるお礼かな?

「し、白雪ちゃん? なんだかこの子に撫でられると、凄く気持ち良いんだけど……」

 おー、ジェイさんにまで効くのか。

「うーん、何なんでしょうね。特殊能力か何かなんでしょうか」

「誰にでも効果を発揮する様ですしねぇ」

 まさかジェイさんみたいな存在にまで有効とは思わなかったけど。
 あれ、頭の形してるだけで触手の先端みたいなものじゃないの?
 いや、それは単に頭じゃなくても効果が有るってだけか。


「んっ…… あらいけない。室温は保たないとお野菜がダメになっちゃうわ」

 あー、気持ち良いからって迂闊にぽわーっとなれないのか。
 色々やってると、そういう所は大変だな。

「うふふ。ディーにも少し抑えてくれって言われちゃった」

「ありゃ、なんかごめんなさい」

「あらあら、良いのよぉ? シルクちゃんの手つき、とっても気持ち良いもの」

 よく見たら普段のなでなでと違って、両手で下から頭頂部に向かって逆なでしてる。
 髪も頭部と一体化してるから大丈夫だけど、普通の人にやるとぼっさぼさになっちゃうな。

 自分の膝のあたりの高さからぐいーっとこすり上げていって、天辺でもにもにと揉んでまた下に戻る。
 なんだろう、人体とは違うツボでも刺激してるんだろうか。
 あ、微妙に位置が変わってるしまだツボを探ってる最中かな?



「あぁ、良いわー……」

 ジェイさんがどんどんリラックスしていってる。
 なんか下の触手、ちょっととろけて床と一体化してるけど大丈夫?

「シルク、やり過ぎない様にね?」

 このままジェイさんの意識が飛んだりしたら、野菜の状態もだけどそもそもこの空間を保っていられるって断言できないし。
 みんなまとめて肉塊に押し潰されるとかヤダよ?
 維持できたとしても、レティさん達が足場に取り残されるし部屋の出入りも出来なくなっちゃいそうだし。


「うふふ。大丈夫よー、と言いたいところだけど…… 正直、あんまり自信が無いわねぇ」

 あ、シルクが「そっかー」みたいな顔して、ジェイさんの頭をポポンッと軽く叩いて離れた。
 なんだろ、仕上げか気付けみたいなものかな。

「ありがとうね、シルクちゃん。とっても良かったわ」

 おや、ジェイさんがシルクに触手を伸ばしてきた。
 ゆっくりだし握手とかなでなでかな?

 と思ったら、シルクに触れる少し手前で先端をシルクと同じスケールの自分に変形させた。
 おー、その体で抱き着いたな。
 ……ちゃんと粘液は抑えてるな、うん。


「うふふ、やわやわで気持ち良いわねぇ」

「シルク様に抱っこしていただけると、それだけで天国ですわ」

「あー、まぁ否定はしない」

 実際ひんやりぷにぷにで気持ち良いし。
 ていうかシルクの体の上で何回も寝かしつけられておいて気持ち良くないとか言っても、流石に説得力が無さすぎる。

 むにむにと頬擦りしつつ、シルクの後頭部を撫でまわしては手を櫛にして整え直すジェイさん。
 文字通りの手櫛だな……


「やん。私のお礼タイムなんだから、なで返されたら終わらなくなっちゃうわぁ?」

 シルクがお返しとばかりに同スケールになったジェイさんの後頭部を撫でるも、すぐにストップを食らった。
 お礼とか言いつつシルクのぷにぷにぼでーを満喫してた気がするけど、まぁ良いか。

「うふふ。微笑ましいですわねぇ」

「それも否定はしないけど、少なくとも片方は微笑ましい存在じゃないよね」

「あらあら白雪ちゃん、ひどいわー?」

 おおう、細い触手が一本こっちに来た。
 何をするつもりだ。


「はい、手を出してー」

「え、あ、はい」

 なんだろう?
 とりあえず言われるままに手を差し出したけど……

「じゃーん、みにみにジェイちゃんよー? ほーら、ほほえましいでしょう?」

「いやー、うーん……」

 手の平に小さなジェイさんを乗せられて、ポーズを取ると共に認めろと言われたけど……
 なんていうか、本人にそう言われると返事に困る。

「あら、お可愛らしい」

 横からカトリーヌさんがふにふに突っついて、ちっちゃいジェイさんがきゃーとか言って遊んでる。
 うん、その絵面だと正直微笑ましくは有るけどさ。
 なんか認めたら負けな気がするんだよ。


「うふふ。それじゃ、これならどうかしらー?」

 これならって、何が変わったって言う……

「あらー?」

「とうっ!」

 無言でぎゅっと握って両手でボール状に丸め、掛け声と共に壁に投げつけてやった。
 なに人に足りないパーツをドーンと盛ってるんだ。嫌味か。


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