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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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314/677

314:声をかけられよう。

 んー、後はジェイさんについてとか……
 でもアレ、ドッキリネタみたいな感じだしバラさない方が良いんだろうか。
 いや、もうお姉ちゃん達には言ってるけどさ。

 てか言っておこうにも、もう塀が見えてきたな。
 百聞は一見にって言うし、無理に言わなくても良いか。

「お、あれあれ」

「これは確かに判りやすいですな」

「物々しいですねぇ」

 ロクさんが塀を指さし、二人がコメントする。
 まぁ形だけでも閉じ込めてますって雰囲気を出すためだからね。



「あれー? 白雪さんだ」

「あれー? どうしたのかな?」

「うおっ!?」

 なんかいきなり左右から聞き覚えの有る声が。
 確か帰りにサフィさんがお仕置きされてる時に、ジルさんを煽ってた二人だ。

 ふだん索敵役やってるアヤメさんが、必要以上にビックリして身構えてる。
 NPCの隠密さん達、本当に気配が無いからなぁ。
 私の【魔力感知】にも引っかからないし。


「大丈夫、敵じゃないよ」

「大丈夫、そこの警備だよ」

 言いながら道の端からスゥっと猫耳の男の子が出現してきた。
 おおう、まだ子供じゃないか。
 そこ隠れる物何もないけど、それは今更だな。

 反対側の端にも、こちらは猫耳の女の子が出てきてる。
 うん、こっちもシルクとそう変わらない年頃に見える。
 ていうかほぼ同じ顔だ。双子かな?

 なんとなく服装で性別を判断したけど、合ってるんだろうか。
 その辺は必要があれば自分たちで言うだろうし、まぁ良いか。
 こちらからそれに触れなければ、間違えて怒られることも無いんだし。


 二人はこちらが話しやすい様にするためか、少し前に歩いて同時に視界に入る位置に移動した。
 でもそれぞれ端からは動かないんだな。
 真ん中で並んでくれた方が話しやすいと思うんだけど、まぁ何か意味が有るんだろう。
 ただの趣味とかかもしれないけど。

 ……あー、なるほど。
 買い出しに行かされた帰りだから、出てきてたのか。
 なんか持ってる籠からネギみたいな長い野菜がはみ出てるし。

 とりあえず名指しで声かけられてるし、私が答えるべきか。
 そもそも面識有るの私だけだし。
 いや、ラキとぴーちゃんもだけど話せないしね。

「こんばんはー。この人達がディーさんの研究に興味が有るって言うので、紹介しようと思って一緒に来ました」

 アルさん達三人を手で示しながら、来た理由を説明する。


「へー。物好きだね」

「へー。命知らずだね」

 面白い物を見る顔をしつつ、少し物騒なコメントをする二人。

「あ、忘れてた。僕はレスト」

「あ、忘れてた。私はレイト」

「よろしくね」

 おおう、最後の一言だけ頭を下げながら完全にハモってきた。
 声も殆ど同じだから、一人の声を左右に置かれたスピーカーから聞いてるみたいな感じになったぞ。



 応じて皆もそれぞれに挨拶して名乗る。
 ついでにさっきは連れてきてなかったシルクも紹介してもらった。

「なるほど、全員ではないんだね」

「なるほど、付き添いなんだね」

「私らはね。てかさ、その初めの一言を繰り返すのは癖か何かなの?」

 どうにも気になってしまったらしいアヤメさんが質問する。
 うん、まぁ気になるよね。

「いやー、双子っぽいでしょ?」

「いやー、双子なんだけどね」

 あ、やっぱ双子だった。
 まぁメイクとかじゃなきゃ見れば判るレベルで同じ顔だけどさ。
 でもその喋り始めはただのキャラ作りなのか。

 ……ていうか隠密さんがキャラを濃くしてどうするんだろう。
 まぁそういう必要もあるのかもしれないし、ジョージさんやランディさんが止めさせてないって事は、少なくとも問題は無いんだろう。


「別に普通に喋る事も出来るよね」

「うん、普通に話せるよね」

 まぁ、そりゃそうだろうな。

「二人一緒にも話せるし」

 おお、完璧に揃えてきた。


「こんな」「感じに」「バラ」「バラに」「くぎっ」「てしゃ」「べった」「りも」「できる」「よー」

「うおお…… やめてそれ、なんか混乱しそう」

 二人で一つの文章を細切れにしてから交互に発音してきて、アヤメさんが額に手を当てて唸る。
 凄いな。
 普通に喋った音声を機械で左右に振り分けたみたいに、違和感なく滑らかに繋がってたぞ。

 いや、違和感が無いのは発音の滑らかさだけで、それが左右から聞こえてくるのは物凄く変な感じだったけど。



「おっと、遊んでないで戻らないと」

「おっと、ジルに怒られちゃう。ついてきてー」

 あー、お使いの最中なら早く戻らないとね。
 食材を買ってるっぽいし、ご飯の支度があるんだろう。

「お使いに行ってたのかな?」

「うん、晩御飯の材料とかね」

「うん、下っ端はつらいね」

 お姉ちゃん、一応相手はちゃんとした警備の人なんだし、子供相手の話し方はどうかと思うよ。
 いやどう見ても子供だけど、それでもここに居るってことは相応の実力が有るって事だし。


「あ、いや、自分で進んで行ったから」

「あ、いや、こき使われてるわけじゃないから」

 急に慌てた声を出すからどうしたのかと思ったら、門の近くでジルさんがしょんぼりした顔してた。
 嫌な上司だと思われてたのか……って感じだろうか。
 あの人無表情で力持ちだけど、意外と繊細なのかな?

 二人が私たちを置いて駆け寄って、ジルのご飯美味しいとか大好きとか言って励まして……
 あ、まとめて抱きしめられてニ゛ャーって叫んでる。
 ジルさん、力加減ミスったのか。

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