挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

30/678

30:聞いてみよう。

 そういえば、【妖精】固有っぽい物って役場に報告しておいた方がいいのかな?
 【妖精魔法】も報告書にまとめたって言ってたし。
 妖精が一杯いれば私がやらなくても良いんだろうけど、まだ一度も他の妖精を見てないからなぁ。

 まぁとりあえず聞いてみればいいか。
 近くに居たポチを撫でまわして、のんびりしててねーと言っておいて窓から屋内へ入りライサさんを探す。
 あ、居た。いつも同じ受付に居るけど担当が決まってるのかな?


「どうもー。 すいません、ちょっとお聞きしたいんですが」

「はい、何でしょうか?」

「【妖精魔法】の新しい魔法や、【妖精】固有であろうスキルを見つけた時は報告したほうが良いんでしょうか?」

「そうですね、無理にとは言いませんが報告して頂けるとありがたいです」

 やっぱりかー。


「えっと、魔法の方は増えてないんですが妙なスキルを習得したので来たんですけど」

「はい、どのようなスキルでしょうか?」

 口で言うよりパネルを見せた方が早いので【吐息】と【妖精吐息】のパネルを伸ばして渡す。
 使ってないから説明文以上の事は私にも解らないからね。


 【吐息】のパネルを見て少し驚き、【妖精吐息】のパネルを見つめている。
 不意にライサさんの顔が目の前に近づいてきた。

「どうぞ」

 いや色々すっ飛ばし過ぎて、何がどうぞなんだと言わざるを得ないんですけど。
 多分【妖精吐息】を使えって言ってるんだろうけど大丈夫なのか。

 いや大丈夫じゃないわ。ここで使ったら多分警報なるよ。
 普通に考えて一般開放されてるスキルじゃないだろ【吐息】は。


「いやいやいや、もしかしたら危ないかもしれないですし。そもそもここでスキル使っちゃ拙いんじゃ?」

「はっ、そうでした。 ついこうふ、興味が先走ってしまいました」

 この人今興奮してって言おうとしたよね? なんかちょっと本気で怖いんだけど大丈夫なのか。
 あ、いつの間にか背後にジョージさんがスタンバイしてる。風紀維持お疲れ様です。


「それでは中庭で確認させて頂けますか?」

「いいんですけど、大丈夫ですか? さっきも言いましたけど危ないかもしれませんよ?」

「はい。私は回復魔法も使えますので」

 いや、でも何かあったら痛いものは痛いよね? まぁ本人がそういうなら仕方ないか。


「まぁこいつが魔法使えない状態になっても、俺が治すから大丈夫だろ。
 それにいくら殺しても死ぬような奴じゃねぇしな」

「どこにでも沸いて出る輩が人を害虫の様に言わないで下さい。
 一応死にはしますよ。祝福のおかげで蘇るだけです」

 ほー、祝福持ちっていうのはプレイヤーだけじゃないんだな。
 ていうかこの二人、仲悪いな。


「お互い様じゃねぇかよ、このド変態が。 まぁそういう訳で遠慮なくぶっ放してやんな」

 いや、別に攻撃する訳じゃないんだけど。

「あ、はい。 あれ?そういえば私の声が聞こえてるんですか?」

「まぁそりゃ、こんな仕事してたら耳も良くなきゃな」

 成程。それにしても色々と察知能力が高すぎる気もするけど。まぁいいか。



 中庭に戻り、ライサさんと向かい合う。

「さぁ、いつでもいいですよ」

「はい。では、いきます!」

 気合いを入れては見たけど、やる事はライサさんの手の甲にふーっと息を吹くだけだ。
 間違えない様にちゃんと【妖精吐息】を意識して吹く。 あ、地味にMP消費多いな。

「おぉ、これは良いですね。 疲れが取れていく感じがしてとても心地よいです」


 ちゃんと人間にも効果あるんだな。ん?

 ライサさんが唐突に懐から取り出したナイフで指先を切って傷をつけた。 何してんの!?

「傷の治療が出来るかも確認したいので、お手数ですがもう一度お願いできますか?」

 びっくりした。先に言ってほしいよ。 痛そうだな。
 おー、ゆっくりだけど治っていく。 すごいなぁこれ。

 いや、回復系の魔法ならもっと早く治るのかな?


「ありがとうございます。軽い傷くらいなら治せるようですね。 では、消費したMPをどうぞ」

 そう言って手を差し出してくる。 慣れたからふらつかないって事かな?
 一応後ろに退避する心の準備はしておいて指先に口付ける。
 【吸精】のレベルも上がってるから吸う強さにも気を付けなきゃ。


「それでは、報告書にまとめて参ります。ご協力ありがとうございました」

 大丈夫だった。
 あ、そうだ。さっきの魔力結晶の事を聞いてみよう。

「あ、すいません。その前に少しいいですか?」

「はい。何か?」

 ボックスから結晶を取り出して両手で掲げるようにして見せる。


「これなんですけど、魔力結晶って名前しか解らないんですが何か知ってませんか?」

 ライサさんが限界まで目を見開いた。 あれ、何かまずかったかな?

 そして即座に真顔になって、凄い勢いで私の上半身を挟み込むように両手で覆った。
 た、叩き潰されるかと思った…… 腰抜けたけど飛んでるから問題ない。
 涙目になってるし翅が無くなってヘロヘロ落ちてるけど大丈夫だ。

 あれっ? 翅? えっ? あっ……

 あ゛あ゛ああぁーーっ!!  痛い痛いいたいイタイ痛いイタイ!!!


「何やってやがるこの大馬鹿野郎!! 【癒しの風(ヒールウィンド)】!」

 ジョージさんが大慌てで回復してくれたおかげでなんとか墜落は免れた。
 もうちょっと遅かったら治っても意識が飛んでてそのまま落ちてたかもしれない。
 というかジョージさん凄いな。 無くなってたっぽい翅が一瞬で治ったぞ。

 翅が無くなるとあんなに痛いのか……
 今まで死んだ時はほぼ即死で、痛みを感じる暇なんて殆ど無かったからなぁ。
 最初からあんな感じでやられたら本当に心がやられてたかもしれないよ。冗談抜きで。


 しかし我ながら立ち直りが早すぎるな。
 実はもう既にちょっと壊れてるんじゃないか? まさかね。
 いや、本気で大丈夫だよね? ちょっと怖いんだけど。
 まぁ考えるだけ無駄か。ガタガタ震え続けるよりいいと思ってスルーしよう。


「ほれ、拾ってきたぞ。とりあえず急いで仕舞っとけ。
 あの馬鹿、それを周りから見えない様に隠そうとして翅ふっ飛ばしやがった」

 知らないうちに投げ出してた魔力結晶を持ってきてくれた。言われた通り仕舞っておく。
 あぁ、胴体だけを意識して囲ったら翅に手が触れちゃったのか。

 向こうで青褪めてガタガタ震えているライサさんを宥めに向かおう。


「申し訳御座いませんでした!!どうかお許し下さい!!!」

 うわビックリしたぁ! 膝から崩れ落ちる様に勢いよく土下座された。
 一日に二度も土下座されるとは。

「ちょっ、ちょっと、頭を上げて下さい! 膝も額も汚れちゃいますよ! ほら、立ってください!」

 慌てて起こしにかかる。同じサイズなら無理やり起こしたんだけどこの身体じゃ無理だ。
 もう大丈夫だから、事故だったのは解ってるから、気にしてないから、と頑張って説得する。


「俺はさっきの球の事で姫様に話を通してくるから、済まんがそれが落ち着いたら執務室に連れて来てくれや」

 ジョージさんも手伝ってよー! てかそんなレベルの話になっちゃうのかよー!!


+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ