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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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283/672

283:バターを混ぜよう。

「なにやってんだあんたは」

「うっかりしてたよ…… 」

「あれ、でも衛兵さん来なかったね?」

「ああ、処罰はこっちでやっとくっつって戻らせたからな」

「なるほど。しかし、それで良いのでしょうか?」

「良いのだ」

「あ、はい」

 レティさんの言葉にアリア様が一言で即答する。
 うん、まぁトップが良いって言うなら良いんだろう。


「なにせ人手不足で、ジョージには衛兵隊のまとめもしてもらっているからな」

「あぁ、ジョージさん自身が一応衛兵でもあるんですね」

「おうよ。つーわけで一応聞くが、わざとやった訳でもないし次からは気を付けるよな?」

「はい、もちろん」

「なら良い」

 そんなんでいいのかな。
 あー、でも初日の衛兵さんにもそんな感じで許してもらってたな。


「捕まえた衛兵の判断で決めてよろしいのですか?」

 カトリーヌさんがちょっと気になったらしい。

「うむ。本国(むこう)ではそうもいかんが、開拓地(こちら)には大仰な手続きをする人手も時間も無いからな」

「規模が大きくなるとそうもいかねぇが、ここの衛兵はその権限を与えて大丈夫だと信頼できる奴しか配置してねーしな」

「うむ。少々問題が有りそうな奴がここに居るが」

「そりゃねえですよ、姫様……」

「はっはっは」

 おお、ジョージさんのボヤきを笑ってスルーした。
 うん、信頼はしてるけど今みたいに面白がって罰とか言い出すだろお前って感じだな。



「ま、ある意味では無法地帯と言えるかもしれんがな。それがここのルールだと受け入れてもらうしかないさ」

「ではコレット様、こちらにバターを入れて頂けますか?」

「はい」

 なんか何事も無かったかの様にカトリーヌさんが進め始めたぞ。
 ていうか何でカトリーヌさんが?


「どうぞ、白雪さん」

 【魔力武具】で作った四十センチくらいの大鍋に、バターを満載してふらふら飛んでくるカトリーヌさん。
 かなり重そうだな。

「えっと、ここでどうぞって言われても。カトリーヌさんと違って服着てるし……」

「お家の中でやってくれば?」

「いえ、問題ありませんわ」

 いやいや、有ると思うけど。


「え、ここで脱げって事?」

 まぁちゃんと下に同じ妖精の服着てるから、確かにそういう意味では問題ないけどさ。

「その必要はありませんわよ?」

「じゃあどういう…… ってどこに行くひゃわっ!?」

 ……なんか私の目の前で降下したと思ったら、胸の前に大鍋を構えて再上昇して、バターに私の足を突っ込ませた。
 うへぇ、にゅるーってするー……


「あー。確かに今の雪ちゃん、下は膝上までしか無いもんねぇ」

「モニカさん的にはこれでも良いんですか?」

「むしろ望む所です。カトリーヌ様、ありがとうございます」

 アヤメさんの確認に珍妙な答えを返すモニカさん。
 こら、拝むんじゃない。


「さぁ白雪さん、足踏みをどうぞ」

「うぅ、もう突っ込んじゃってるし諦めてやるけどさ……」

 くそぅ、まんまと妙な流れに乗せられてしまった。
 むぅぅ、足指の間からにゅるにゅるバターが抜けてきて……

 あ、でもなんかこれ、最初はくすぐったいけど慣れるとなんか楽しいっていうかちょっと気持ち良いかも。
 ……でも楽しいとか言ったら多分どんどんやらされる羽目になるから、絶対言わないでおこう。


 一応嫌々でもやるからにはムラなく混ぜておきたいし、指先で鍋の隅っこの方に溜まってるのをかき出して真ん中に回していこう。
 ……鍋が透明だからふんすふんす言って目の前の指使いを見つめてる人が居るけど、放置する。
 構ったらろくな反応が返ってこないのは判りきってるからな。

 あ、品質検査の人(ラキちゃん)がぴーちゃんの頭に乗って来た。
 鍋を持ったカトリーヌさんの手に飛び移って、中身をじっと見てる。

 ……なんかうずうずしてるけど、飛び込んじゃ駄目だからね?


「ぴー、ぴー、ぴー」

 なんか唐突に、ぴーちゃんが電子音みたいな平坦な声で三回鳴いた。
 あー、うん、多分これはオッケーですよーって事だろうな。
 普通に知らせれば良いだろうに。

 バターから足を引っこ抜き、足同士を擦り合わせて引っ付いてきたバターをぽとぽと鍋に落とす。
 態度が悪い感じだけど手でやるとそっちもべたべたになるし、モニカさんも文句は言わないだろうから良いだろう。


「モニカ様、今召し上がりますか?」

「いえ、こちらに移しかえて頂ければ」

 カトリーヌさんがモニカさんの所にバター持っていって問いかけると、懐から小さな蓋付きの容器が出て来た。
 あー、【魔力武具】製のお鍋だと移すのが楽で良いんだな。
 消しちゃえば鍋に引っ付いたのを落としたりする作業が無いし。


「家宝に致します……」

「いや、生ものですからね?」

 おぉぉ……と跪いて両手で容器を掲げるモニカさんに、一応釘を刺しておく。
 いくらなんでも、何年も経ったバターとか恐ろしいでしょ……


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