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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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265/676

265:工房を振り返ろう。

「で、戦利品としてご主人様に捧げられたラキを返してもらいつつ希望を聞いてから、部屋を出てシルクを迎えに行った」

「狩られちゃったかー」

「ちゃんとケガしない様に、はむって優しくくわえて連れていかれてたよ」

「器用なもんだなぁ」

 アヤメさんが感心した様な声を出す。
 人間ほどじゃないにしろ、あるちゃんから見てもラキはかなり小っちゃいもんね。
 それを痛くない様に捕まえるんだから、確かに器用だな。


「まぁ、私と違ってある程度頑丈だからね。んで合流してここから出ていって、エリちゃんがアヤメさんみたいにシルクを乗っけて」

「うん」

「後頭部に膝をガンガン叩きこまれた」

「何でだよ……」

「エリちゃんがシルクのお尻をぷにぷに突っついてたからね」

「こらモニカ、破るんじゃないぞ?」

 ……あー、また紙を思いっきり握っちゃってるよ。
 あんまりぐしゃぐしゃにしちゃうと、次の機会に使い回せないじゃないの。


「まぁそんなこんなで市場に行って、おばちゃんのとこでラズベリー食べて」

「うん」

「残りを全部エリちゃんに上げようとしたら、背後からサフィさんが分けてくれって顔でじっと見てた」

「あのバカは本当に……」

「あー、そのくらいなら良いんじゃないですかね」

 自分でバラしておいてなんだけども。


「まぁ今もシゴかれてっから良いけどよ。上乗せするまでもねぇ」

「あー、そういえばそうでしたね。で、そこでエリちゃんとシルクは家に帰って私達は【細工】の工房に行った」

「そういえば雪ちゃん、【細工】は取れたの?」

「んー、まだまだっぽいね。まぁ今日行ったのはカトリーヌさんの用事が有ったからだけど」

「私の部屋に置くベッドを注文しておりまして、そちらの調整をして頂きに、ですわね」

「そゆこと」

 カトリーヌさんが補足してくれた。


「あー、体が小っちゃいもんね」

「家具は専門じゃないから出来栄えは保証できないって言ってたけど、綺麗なベッドだったよー。まぁ色々とカトリーヌさん的でアレなベッドだったけど」

「聞かない方が良いと思うけど、気になるから聞いておこう。どんなの?」

「なんかハンドル回したらベッドに付いた天井がじわじわ降りてきて、寝てる人を押し潰せる仕掛けが付いてた」

「あー、思ってたよりはマシ、かな?」

「トゲや刃物は付いていない様ですしね」

「私としてはもっと過激でも良かったのですが、布団や床が汚れたり傷ついたりしてしまうけど良いのかと言われまして」

「そこは流石に自重したんだな」

 まぁ汚れるのは洗えば良いとしても、破れちゃったら手間だからねぇ。


「で、その確認が終わったらなんかこう、カトリーヌさんが喜びそうな器具が一杯出てきてね」

「何でそんなのがあるの……」

「なんかベッド作ってたら興が乗ったとか言ってた。実はあの人、ちょっとそっちの趣味あるのかも……」

 ベッドの天井下ろす時も地味に余分に締め付けてたし。

「ん? フェルミの趣味はちょっとどころではないぞ?」

「えっ」

 ……なんかアリア様から嫌な情報が寄せられた。


「俺らが使う小道具も、昔からあいつに発注してるしな」

「こちらの聞きたい事を積極的に話して頂けるようになるので、助かっております」

 ジョージさんとコレットさんからも。
 ていうかメイドさんは何してんの。
 いや護衛でもあるし色々あるんだろうけどさ。

「大きな道具は専門外だと手を出していなかったが、相手がカトリーヌであれば存分に腕を振るえるからな。表には出さんだろうが相当喜んでいると思うぞ?」

「会わせちゃいけない二人だったかぁ……」

「いえいえ、とてもありがたい事ですわ」

 そりゃカトリーヌさんはそうだろうけどね。
 そういう意味では会わせるべきなんだろうけど。


「ま、まぁ当人は喜んでるし良いんじゃないかな…… とばっちりは来なかったんでしょ?」

「まぁね。でも使われはしなかったけど、手伝わされそうにはなったかな……」

「断られましたけどね」

「そりゃ直接殴る道具を差し出されれば断るでしょ」

「仕方が無いので諦めて、首輪を付けて頂くだけで我慢しましたわ」

 ふふんと胸を張るカトリーヌさん。

「いや、何も偉くないからね?」

 ていうか腕輪と足輪も付けさせたじゃないか。
 別にそんな細かい事は良いんだけども。



「で、他の道具をカトリーヌさんが試してる間にいつも通り【細工】の練習して、戻って見てもらったらカトリーヌさんがフェルミさんの靴の中に居た」

「ごめん、ちょっと状況が解らない」

 困惑したアヤメさんに詳細を求められる。
 うん、普通は解らないよね。


「なんかわざわざ採寸して、カトリーヌさんの形にピッタリの窪みを彫った木靴が作られてたよ」

「いや、うん…… まぁカトリーヌだしな……」

「その一言で十分だよね」

「うん。で、そうこうしてたら一緒に注文してたお布団を届けに布屋のティーさんが来て、静かにしろって怒られてた」

「あー、あの人。元気だよねー」

「ある程度慣れたとは言っても、やっぱり耳が痛くなっちゃうんだよねぇ」

「それでなくともフェルミの奴は作業場での騒音を嫌うからな。必要であれば全く気にしない様だが」

 ここには無いけど、ボール盤とか溶接とかやったらどういう反応をするんだろう。
 いや本当にどうでも良いけど。


「ってそういえばアリア様、何やってんですか」

「ぬ? 何と言われても、何の事か言われねば解らんぞ」

「ティーさんが言ってましたよ? わざわざ朝に渡した『ラキの糸で織った布』を見せびらかす為だけに店に来たって」

「えー……」

「本当に何やってるんですか……」

「良い物が手に入ったら、自慢したくなるものだろう?」

「まぁ、解らなくもありませんが……」

 おおう、強い。
 苦笑気味の白い眼で見られても全く動じてないな。



「で、私も糸欲しいーって言うからラキと一緒に糸を上げて、カトリーヌさんの指が溶けた」

「ごめん白雪、また解らない」

「いやーラキがねって、あら?」

 なんかラキがこっちに来て私の脚をぺちぺち叩いてきた。
 あー、恥ずかしいから詳しく言わないでって事か。
 いまいちツボが解らないけど、言うなって言ってるんだし濁すとしよう。


「まぁ色々有って、ラキが照れ隠しでカトリーヌさんの小指に噛みついたんだけど」

「色々は教えて…… くれないんだな、うん」

 こらこら、恥ずかしいからってアヤメさんに威嚇しないの。


「ただその噛みつきで毒液、っていうか消化液? を流し込んじゃったみたいでね」

「皮だけを残して、骨までとろっとろにされてしまいましたわ」

「うわー、えげつないなぁ」

「なんとか治療して、そのあとなんか流れでラキとぴーちゃんをもふもふして、カトリーヌさんにお尻揉まれたけどスルーした」

「そこはスルーなんだ。っていうか何してんのカトリーヌさん」

「だって明らかにツッコミ待ちなんだもん」

「私が図に乗って、同じ事を繰り返さない様にという躾ですわね」

 あ、理解してるんだ。
 っていうかむしろ、その「躾」をされるのを望んでるのかな?
 という事は、どっちを選んでもダメってことか……


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