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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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26:呼び出された。

 ちゃんと扱えるようになったか試してみる。 うん、動かせるな。
 よし、スキルが習得出来てるかパネルを見てみよう。

 目を開くと、正面に跪いているライサさんが居た。 目を閉じた。

 んー?おかしいな? 変な物が見えたぞ? 幻覚かなー?

 再度目を開く。 ……現実ですね。はい。


「あ、あの…… ライサさん、どうしたんですか?」

 恐る恐る問いかける。

「宙に浮いて光り輝く白雪様が神々しく、思わず祈りを捧げてしまいました」

 思わず捧げないでくれ。一体私を何だと思ってるんだこの人は。
 ってなんか今変な事言わなかった?


「光り輝く?」

「はい。先程の白雪様は手元から光を放っておりました。恐らく、高めた魔力による物かと思われます」

 えぇー…… 光っちゃってたの……?
 手元って事は回しながら集めてた時かな?

 試しに右手を軽く握って、そこに魔力を流し込んでみる。
 左手で少し光を遮ってみたけど普通だな。
 どんどん追加で流してみる。 おぉ、確かにちょっと光り始めた。
 マジかー……


 というかそれよりもですね。

「あの、そろそろ立ってくれませんか?」

「わかりました。 白雪様は【魔力操作】もお持ちだったのですね」

「いえ、今覚えました。 自分の魔力を認識するのに結構苦労しました」

「はっ!? ええと、ポイントでの取得ではなく自力で身に着けたという事でしょうか?」

 ライサさんの目が点になった。


「はい。さっき図書室で教本を読んで、ここで頑張りました」

「そんなに簡単に覚えられる物では……
 魔力を感じるだけでも普通ならかなりの訓練が必要な筈ですが」

「【吸精】で流れ込んでくるのを感じられたのでそのおかげですかね?
 あれが無かったらもっとかかってたと思います」

「それにしても…… 実際に感じられてから操作するのも簡単な……
 いえ、実際に身に付けられているのですし言うだけ無駄ですね。大切なのはその事実ですから」

 うん、出来てるんだからしょうがないよね。
 【妖精】の説明に魔力との親和性が高いとか書いてあったしそのおかげかも?


 あれ?

「そういえば、何か用があったんですか?」

「そうでした。先程頂いた蜜が職員たちにとても好評で、出来る事なら定期的に卸して頂きたいという事で意見がまとまりまして。
 つきましては、その件に関して姫様が直接お会いして話を詰めたいとの事です」

 はっ?


「え、今姫様って言いました?」

「はい」

「そんな簡単に会って良い相手じゃないんじゃ……」

「いえ、本国の連中であればその通りなのでしょうが姫様はフットワークの軽さと気安さを売りにしておりまして」

 そんなんでいいのか王女様。
 ていうか今「連中」って言ったなこの人。嫌いなのかな?


「どうでしょう、今から少しお時間宜しいですか?」

「宜しいというか、実質拒否権は無いんじゃないですか?」

「いえ、無理を言わず都合の良い時に尋ねる様に伝えてくれとの事です。
 ですので何か他に用事がございましたら、後日改めてという形にして頂いて結構です」

 いやー、そうは言ってもなかなかね。
 っていうか別に用事って程の事は何もないし、そういうのは先に済ませたいから拒否する気は無いんだけど。

「いえ、大丈夫です。丁度訓練も一区切りついたところですので」


 あ、そうだ。

「あの、花壇に生えてた雑草を少し消してしまったんですが問題はありませんか?」

「消した? ……確かに一部だけ綺麗になっていますね。何も問題はありませんが、これを白雪様が?」

「はい。魔力を感じる訓練とMP補充をかねて【吸精】で枯らせました」

「成程、そのような使い方もあるのですね。宜しければ見せて頂いても?」

 手近な一本を掴んで吸い尽くす。

「これは…… 使いようによっては恐ろしいスキルなのですね。
 くれぐれも悪用なさらぬよう、お願い致します」

「はい、勿論です。それでは行きましょう」


 ホールに戻ると珠ちゃんが即席のおもちゃにじゃれていた。
 可愛がられてるなー。

 でもちょっと今から偉い人に会ってくるから一旦戻っててね。
 あと、皆さんはそろそろちゃんと仕事したほうが良いと思いますよ。


 名残惜しそうな視線を受けつつライサさんの案内で中央階段を上る。私は飛んでるけど。
 二階奥の一部が王女様の私用エリアになっていて、その手前に執務室があるそうだ。

 廊下にロングスカートのメイド服を着た兎族の女性が立っている。
 おー、ウサミミメイドだ。


「お疲れ様です。白雪様をご案内しました」

「はい。 姫様、白雪様がおいでになりました」

 ドアをノックする。 普通にノックできるっていいなぁ。

「おお、来たか。入っていいぞ」

 ライサさんが「では、失礼します」と言って帰っていく。
 あれ? 王女様は私の声を聞きとれるのかな?

 あぁ、メイドさんは兎族だから大丈夫か。


 メイドさんがドアを開け、私を迎え入れる。
 あ、今更だけどこういう場での礼儀とか知らないよ。ええい、向こうもその位は承知の上だと思おう。
 気安さが売りだって言ってたし、普通の態度なら大丈夫だろう。

「失礼します」

 なんか教員室に入るようなノリで入ってしまった。
 あ、飛んだままで良かったんだろうか。 これも今更だな。

 正面の大きな机の前に私と同じ年頃の女の子が立っている。
 この人が王女様だろうか?

 とりあえず、まずは挨拶を…… ん?なんか様子がおかしい?
 あっ、これ最初のお姉ちゃんとおな



 うん、一瞬だけど覚悟出来たからすぐに立ち直れたよ。わたしつよいこ。
 ただいまの現在地、噴水広場。

 ほぼ一日ぶりに死んだなぁ。
 接近を感じる間も無い鋭い踏み込みで胸に叩きつけられて、多分抱きしめられた。
 多分っていうのは胸に衝突した時点で意識を失ったからだね。
 柔らかさ?私の骨格の方がよっぽど柔らかいよ!


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