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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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259/673

259:飛び方を知ろう。

「んー…… ねーねー、アリアさまー」

「む? どうした、めーちゃん」 

 おや、ずっと静かに聞いてためーちゃんから何かあるらしい。


「んー、【樹人】は、高位種族じゃないんですよねー?」

「うむ。確かに人類よりは強力な種だが、どうにもならないという程ではないからであろうな」

 そういえば死に戻りした時も、衛兵さんに真っ二つにされたって言ってたな。

「むー、仲間外れだー」

「まぁ特殊な種族って意味では似たようなものだし、別に良いんじゃない?」

「んー、そうなんだけどねー。うん、まぁいっかー」

 私のコメントに、一瞬考えたけどすぐに納得してくれるめーちゃん。
 どうやらちょっと言ってみただけらしい。



「あの、アリア様。少しお聞きしても良いですか?」

 おや、今度はレティさんか。
 そういえばさっきから、口元に手を当てて何か考えてる感じだったな。

「うむうむ、何でも聞くが良いぞ! とは言っても、知らぬことは答えられんがな!」

 得意げに胸を張って許可を出し、即座に逃げを打っておくアリア様。
 いや、当然の事を言っただけではあるんだけどさ。


「その高位種族の方達なのですが、こちらの大陸にも居る可能性が?」

 わざわざ言うまでも無く、私達を除いてって事だよね。

「ふむ。現在は見つかっていないが、恐らく居るのではないかな? あちらで確認されていない新たな種族が見つかる可能性もあるし、考えたくは無いがそれらが敵対する可能性も無いとは言えないな」

 なんかフラグっぽいけど、最後のは多分ゼロとは言えないから言ってみただけだろうな。
 どう考えても種族丸ごと敵対したら詰むだろうし。

 現実ならともかく、ゲームでそれはマズいだろう。
 いや現実で詰む方がよっぽどマズいけど。


「まぁそうでしょうね。レティ、なんでわざわざ聞いたんだ?」

「いえ、他の方々にも知らせた方が良いかと思いまして」

「あー、そっか。変に突っ込んでも無駄死にするだけだもんな」

「ふむ。……あぁ」

「おや、何か?」

 何かを思い出したらしいアリア様に、レティさんが問いかける。
 というか問いかけろと言わんばかりの間の取り方だな。


「いや、先ほどの話にも出た普段は雲の上を飛んでいる連中…… マハー・パクシーと呼ばれているが、そいつらはまず上空に居るであろうな」

 あ、そういう種族名なんだ。
 まぁ多分人類が勝手に呼んでるだけで、本人たちに言ってみたら「え?」って感じになるんだろうけど。


「マハー・パクシー…… 『偉大なる鳥』と言った感じでしょうか?」

「レティちゃん、それ何語?」

「ヒンディー語ですね。マハは聞いた事も有るかと思いますよ」

「えっと、マハラジャとか?」

「はい。マハーが偉大、ラージャが王という意味ですね」

「へー。レティ、相変わらずやたらと物知ってるなぁ。ていうか命名規則が解らんわ」

「気にするだけ無駄なんじゃない?」

「まぁ人の名前だって各国入り乱れてるしねぇ」

 まぁ大体欧米系だけど。
 あ、ライサさんとかはロシアっぽいかな?


「まぁそれはともかく、連中にとって海が有ることなど何の障害にもならんからな。迂闊に空を飛ぶのは避けた方が良い」

「いや普通の人は飛べませんよ」

 アリア様の言葉に即座にツッコむアヤメさん。
 まぁうん、普通は飛べないよね。


「そうでもないぞ。【風魔法】を鍛えれば可能だからな。ジョージ、見せてやれ」

「へーい。ほれ、浮いてるだろ?」

 おお、スッと現れてジャンプしたまま滞空してる。
 なるほど、【浮遊】を持ってる種族は居なくても魔法で飛べる人は居るんだな。

「まぁあまり燃費はよろしくないが、それなりに飛べなくもないという訳だ」

「こいつらみたいに常時飛ぶのはまず無理だな。下手すりゃ魔力切れで意識が途切れて墜落しちまう」

「指で差さないでくださいよ。まぁ別に良いですけど」

 こちらに突き出した指に向けて【妖精吐息】を吹きかけておく。
 見せるためにわざわざMP消費してくれたんだし、お礼代わりだ。


「お、ありがとよ」

「いえいえ、こちらこそ」

「ちなみに、【火魔法】を鍛える事でも飛べなくもないぞ」

「姫様、チラッと見ても絶対にやりませんからね」

 ニヤニヤしながら言うアリア様と、即座に拒否するジョージさん。

「どんな感じなんです? ジョージさんの態度で普通に飛ぶんじゃないのは判りますけど」

「こう、箱や板に乗ってだな」

「うん、大体解ったんで良いです。それ、下手したら死体が飛んでくだけでしょう……?」

 そもそも着地をどうする気なんだよ。
 足場を上手く地面側に向けてもう一回爆破でもするのか。


「まぁその可能性も無くはない」

「むしろ、死なない可能性が無くはないってくらいでしょうに…… 言っとくが試さん方が良いぞ?」

「やりませんよ…… ていうか私に言っても仕方ないでしょ。普通に飛べるんですから」

「それもそうか。……っておい、やめてやれよ?」

 ん?
 ……お姉ちゃんとレティさんが、アヤメさんをじっと見てるな。


「いやいや、マジで勘弁してくれよ? 怒るからな?」

「ちぇー」

「少し見たかったのですが」

 お姉ちゃんはともかく、なんかレティさんが本気っぽくて怖い。



「まぁその飛び方は半ば冗談としてだ」

「半ばなんですね……」

「ある程度の高さまで飛んで連中の目に付くと、高確率で撃墜されるから気を付けた方が良いのは事実だ」

 またスルーされた。


「縄張り意識の様なものでしょうか?」

「いや、そういう訳では無いようだ」

「というと?」

「何か見慣れない物が浮いていると、つい触ってみたくなるという習性があるらしい」

「特に敵意が有る訳では無いのですね……」

 なんてはた迷惑な……
 せめて減速してからにしてくれればいいのに。


「なんでそのままの速度で突っ込んでくるんでしょうねぇ」

「ゆっくり飛ぶのは難しいそうだ。それに普通に触れて壊れてしまうのであれば、その程度の物だからそこで興味が無くなるのだな」

「本当にただ気になるってだけなんですね……」

「うむ。鳥などの、元々空を飛んでいて見慣れた物に対しては何もしない様だしな」

 なんていうか、飛びたければなんとかしてみせろって試練みたいな存在だな。



「そういえば本人たちから聞いたっぽい感じですけど、コンタクトを取れた事があるんですか?」

「うむ。少々トラブルがあって頭に血が上ったうちの国の魔術師が、周囲の制止を振り切って文句を言いに飛んで行ってな」

「よく無事で済みましたね。相手が止まってくれるまで避け続けたんですか?」

「いや。己の胸板で突撃を受け止めて、相手の肩を掴んで叱りつけた」

 ……あー、それ絶対ジーさんでしょ。

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